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広河隆一 パレスチナフィルム自主制作
『1コマ』サポーター募集のお知らせ

現在テレビや新聞がパレスチナ問題を扱うときに、イスラエル軍の侵攻の行方や
自爆テロのみをとりあげ、根底にある占領や、イスラエル建国時大量に発生した
難民の事まで立ち返って考えられることは、ほとんどありません。

けれども、この問題の影響をもっとも受けてきた難民の存在やその後も占領下で
暮らす彼らの苦しみを知ることなしに、私たちはどうやって解決の糸口を見出す
事が出来るでしょう。

6月にNHKで放映された広河隆一さんのパレスチナに関する番組では村を追わ
れ難民として生きてきたある家族の証言と、自分たちが難民になる前まで住んで
いた、(今はイスラエルとなっている)村の跡地を、お墓参りをするかのように
訪ね、そこに生えている木の葉を持ち帰る場面が映し出されていました。
難民の存在やその後の軌跡、証言などを取り扱った、とても貴重なものでした。

けれども広河さんは「パレスチナについての番組を作るとき、NHKや大手民放
では様々な限界にぶつかり取材者の思いを十分に伝えるのは困難なのが実状だ」
と漏らしました。

なぜならば広河さんの事務所には、長年撮りためてきたパレスチナ難民の証言や
軌跡を追ったフィルムやVTRが山のようにありそれらのほとんどは、未発表の
まま部屋の隅に並んでいたからです。

私たちは情報がいくらでも入ってくる時代に生きています。
でもそれは誰が選び、切り取った情報でしょう。
テレビに映し出されていた画面は、誰の視線として流れているのでしょう。

マスメデイアは、巨大ではありますが、本当は情報を提供してくれる一つの媒体
にすぎないはずです。
その偏りや限界を憂いているよりも、私たち自身が直接スポンサーになり必要な
情報を確保していきたいという思いが沸いてきました。

特にパレスチナの人々は、激しい破壊と情報規制によって、自分たちで情報を外
へ伝える手段をほとんど失っています。

でも私たちにパレスチナの情報を知る方法がないわけではありません。
例えば広河さんの事務所にあった膨大なフィルムを自由に構成、編集したら、パ
レスチナ難民達の軌跡を追ったドキュメンタリーができます。

情報を知りたいと思う私たち市民一人一人が、自分の意志でスポンサーになり、
フリーのジャーナリストたちを支え大切な記録や情報を確実に残し、見たい人が
いつでも見られる。
それがあたり前の時代になっていくことを望み、皆さんへの呼びかけをさせてい
ただきたいと思います。

制作費として資金を集め、今後の活動で利益が出れば、次の作品を手がけていく
基金を立ち上げたいと思っています。

私たちは自分たちで「知る権利」を守っていきましょう。
そのための一つの試みです。
賛同いただける方はご協力ください。

募集の内容
* 資金集めの呼びかけを一緒にしてくださる方。
* 広報・上映などに関わってくださる方
* 技術的な支援をしてくださる方
* 資金を提供してくださる方
金額の大小は問いません。
(編集は広河氏自らがやりますので、1000円で1コマ作れます。)
下記の口座番号までお近くの郵便局からお振り込みください。
00190−5−567661
森沢典子宛てでお願いします。
(通信欄に「フィルム制作費」と記入してください)

     連絡先 電話047-352-5538
     e−mail  midi@par.odn.ne.jp

皆さんのご理解とご協力をお願いします。
森沢典子

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パレスチナビデオ自主制作企画

私がパレスチナ問題に関わって35年以上の月日が過ぎました。
当初は農業共同体キブツに憧れてイスラエルに行ったのですが、すぐに第3次中
東戦争が始まり、イスラエルは広大な占領地を手中にしました。
そして私はいやおうなしにパレスチナ問題に向き合うことになりました。

今語られている和平は、このときの占領地をパレスチナ人のもとに返して、パレ
スチナ人が念願の独立国家をもつかどうか、それと引き替えにイスラエルは安全
保障を手に入れられるかという問題です。

もちろんこれでパレスチナ問題がすべて解決するわけではありません。
パレスチナ人にはいくつかの歴史上の大きな事件がありました。

その第一は、1948年のイスラエルの独立とパレスチナ難民の発生です。
およそ70万人以上が難民となり、400以上の村が消え、そこにユダヤ人の入
植地が建設されました。
第二は1967年の第3次中東戦争です。この戦争でイスラエルは全パレスチナ
を手に入れました。
第三は1970年のヨルダン内戦です。この戦争でPLOはヨルダンを追われれ
ました。
第四は1982年のレバノン戦争です。このときシャロン国防相(現首相)率い
るイスラエル軍はレバノンに侵攻し、二万人の死者を出し、そして数千人にのぼ
る難民の虐殺事件が起こります。
そして今進行中なのがパレスチナ自治区の再占領です。

これらの歴史に目を向けずに現在の状況だけ見ると、なぜパレスチナ人がイスラ
エル軍に抵抗しているのか分からず、パレスチナ人は単なるテロリストだと考え
る人もでるでしょう。

私はいつごろか、表現手段として写真とビデオを両方用いるようになりました。
しかしビデオの作品となってテレビで放映されたものは、全部合わせても素材の
100分の1にもなりません。
パレスチナ難民のインタビューや、彼らの故郷である消えた村々を撮影したもの
はほとんど、番組にすることもできませんでした。
それは日本では、最近いよいよドキュメンタリー番組を放映する枠が少なくなっ
ているせいです。

消えた村々と難民の発生についての記録は、今年の秋

「写真記録パレスチナ 第2巻 消えた村と家族」

で発表しました。

しかしビデオの作品でもこのテーマで制作し、多くの人に見ていただきたいとい
う気持ちはいよいよ大きくなっています。
テレビ番組では時間やそのほかさまざまな制約があります。

そこで自主制作をしようと思うに至りました。

「ショアー」という記録映画がありました。
ユダヤ人のホロコーストについての証言記録です。
これは9時間にも及ぶ大変な作品でした。
これにはとうてい及ばないものの、私はパレスチナ人の歴史と苦しみが伝わるよ
うな大きな証言記録を作りたいのです。
このテーマで作られた作品はまだ世界にはありません。

このための企画・呼びかけ役を、森沢典子さんが申し出てくれました。
この趣旨に賛同いただけるなら、是非ともご協力ください。よろしくお願いしま
す。

2002年11月
広河隆一

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