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タイ・パクムンダム水門永久開放を!

署名の〆切迫る


メコン・ウォッチの松本です。

重複で受信された方には大変申し訳ございません。

今月初めに呼びかけましたタイのパクムンダム(世界銀行融資)の水門永久開放
を求める署名の締切が11月25日に迫っています。

賛同しようと思っていたけど忘れていたという方、このメールで初めて知ったと
いう方・・・『最後のお願い』メールです。

日本政府代表理事の強い後押しで世界銀行が融資を決定し、1994年に完成したタ
イのパクムンダム。10年を越える地元住民の粘り強い闘いの結果、昨年、魚の生
息調査のための水門開放を勝ち取りました。

この1年4か月で、多くの回遊魚が戻り、ムン川の漁労は久しぶりに活況を呈しま
した。援助で建設したこのダムが、川と暮らす住民の暮らしを壊したことは明ら
かです。

ところが、タイ政府は、根拠もないのに、水門開放を年間4か月に限定する決定
をし、再び水門を閉鎖しました。

地元住民たちは、「今こそ水門の永久開放を」と、バンコクでデモを行なうとと
もに、日本を含め、援助という形で建設に関わった国々の市民社会にも、タイの
タクシン首相宛の要請文への署名協力を求めています。

それに留まらず、ダムの水門永久開放を実現すれば、アジアでも、無駄なダムの
撤去につながるモメンタムとなります。

これまでの経緯については、
http://www.mekongwatch.org/issues/pakmun.html
をご覧下さい。

注意事項1:今回の署名行動は、タイの住民組織ネットワーク側の要望で◆団体
賛同、◆個人賛同、◆研究者賛同の3つのカテゴリーに分けて行ないます。

注意事項2:どの賛同も、要請文は同一です。

注意事項3:署名送り先はメコン・ウォッチpakmun@mekongwatch.orgです。

注意事項4:締切は11月25日です。

以下、本件を担当しているバンコクの木口由香の呼びかけです。長文ですが、お
読み頂いた上で、是非とも賛同をお願い致します。

<<<<<<<<<<<<署名のお願い>>>>>>>>>>>>>

タイ・パクムンダム問題
水門の永久開放を求める署名にご協力ください

【人々の苦しみに終止符を】
先日からお伝えしているパクムンの問題で、タイ政府は調査結果などを一切検討
せず、今後年間4か月のみ水門を開放する決定を出してしまいました。これに対
し、現地から国際的なアクションを呼びかける声があがっています。タイのタク
シン首相に水門の永久開放を求める要請書を送ります。署名は、(1)NGO・団
体、(2)個人、(3)学識経験者(大学教員・研究職の方)に分けて集約され
ます。11月25日まで、なるべくたくさんの方からの賛同署名をお願いします。詳
しくは、以下の解説と、国際基督教大学の会津さんとメコン・ウォッチ土井が翻
訳した書簡をご覧下さい。

<<署名のあて先>>
メコン・ウォッチ pakmun@mekongwatch.org

記載事項(括弧内には英語をお願いします。団体で決まった英語名をお持ちでな
い場合、日本語のみご記入ください)

◆NGO・団体
 1) 団体名(英語名)
 2) メールアドレス【今後の報告をお届けします。要請文には表記いたしません】
◆個人
1) お名前(ローマ字表記)
2) メールアドレス【今後の報告をお届けします。要請文には表記いたしません】
◆大学教員・研究職の方
1) お名前(ローマ字表記)
2) 所属先(英語表記)
3) 役職(英語表記)
4) メールアドレス【今後の報告をお届けします。要請文には表記いたしません】

【パクムンダム問題とは】

「ダムができれば魚が今よりもたくさんとれ、地域も繁栄する。」

ムン川の流域の人々はダム建設前にそう聞かされていました。しかし、実際にダ
ムができて村人は聞いていたことと全く別の事態に直面します。

乾季の減水を利用していた河岸の農業はできなくなり、川岸に生える植物の採取
も不可能、今まで子供たちでも自由に取れていた魚が取れなくなりました。それ
は人々にとって食糧確保を断たれるに等しい事態でした。その上、沸かさないで
も飲めたというムン川の水が触ることもできないほど汚れ、自然に頼る生活をし
ていた人々は何の準備もなく現金が必要な経済の中に放り込まれたのです。

ダムの水門が閉じた後になって何千世帯もの人々が立ち上がり、一度は工事期間
中3年間分の補償を勝ち取りました。当時の政権は、ダムが完成した後にも漁業
に影響が出るようであれば、漁業補償として農地を支給することを住民に約束し
ました。しかし、政権は交代、次の政府は補償を反故にしました。住民はその後
も運動を続け、補償ができないのなら自然を返してほしいと、ダムの撤去を要求
に掲げ1999年3月よりダムの敷地を占拠して「村」を建設。その結果、現タクシ
ン政権が試験的な水門開放を容認し、地元の大学に影響調査を委託したのです。
2001年6月から水門は開放され、驚くような早さで魚は戻ってきました。乾季に
は、8年ぶりに早瀬が水面に顔を出し、人々は再び川岸に集うことができたので
す。

【不可解な決定】

タクシン・チナワット首相率いる現政権は就任直後、住民らに問題解決を「確約」
しウボン・ラチャタニー大学に調査を委託、この結果を検討して今後のダム運営
を決めるとしていました。また、地元NGOの支援により村人自身が調査を行って
います。これらの調査結果は10月にまとめられ、チャワリット副首相を座長とす
る委員会の作業部会を通して政府に提出されることになっていました。しかしこ
こで、今まで全く機能していなかった別の委員会が突然、「水門開放は年間4ヶ
月」という決定を行い閣議に提出、それが黙認されるという事態が起こってしまっ
たのです。

貧困削減を掲げて登場した政府の対応は、問題を解決する態度から程遠いものに
なってしまったといわざるを得ません。人々は3年以上になるダムの占拠に疲れ
果てています。今度こそ、きちんとした調査が行われ真実が明らかとなり川と共
にある生活を取り戻せると思っていた村人たちは失意の中、困惑しています。

【日本との関わり】

パクムンダムは、日本政府が資金を提供している世界銀行の融資を受けて建設さ
れました。当時、融資をめぐって先進国の間で意見が分かれましたが、日本の代
表である財務省から出向している理事が「このダムが建設できなければ、今後メ
コン河流域にダムが作れなくなる」と発言、賛成票をまとめて融資を決定した、
と当時の新聞が報じています。このダムの一部は、日本の私たちの資金で作られ
ているのです。

以下、要請文翻訳と原文をご確認ください。

********************
拝啓
タイ国首相
タクシン・チナワット博士

タイ国バンコク市政府官邸気付
ファクス番号:(66-2) 629-9211

タクシン首相、

政府による委託調査ならびに村人による自前の調査が一年がかりで実施され、パ
クムンダムが、ダム周辺の6000以上の世帯をはじめムン川流域で暮らし川に依存
しながら生計を立てている無数の人々に深刻な被害をもたらす悲劇的過ちであっ
たことに疑問の余地はなくなりました。最後の疑問は、それでは、タイ政府がこ
の事態にどう対処しようとしているのかという点です。タイの歴史の悲惨な一章
を終わらせるときが来ているのです。

私たちは、首相が率いる政府に対して、これらの調査が出した勧告に従いダムの
運転・使用を止め、流域の環境と地域社会を回復するために可能な措置をとるこ
とを、緊急に要請いたします。

昨年タイ政府は、地域の村人の要請に応えて、パクムンダムがムン川とその周辺
の地域社会に及ぼす経済・社会・環境上の影響を調べた別々の三つの調査の結果
を検討することに同意しました。この三つの調査とは、ウボン・ラチャタニー大
学による調査(政府が直々に費用を捻出)、東南アジア河川ネットワーク
(SEARIN)の助けで村人が中心となって行った「タイバーン調査」(村人による
調査)、タイ科学技術研究所(Institute of Scientific and Technological
Research of Thailand)によって実施された調査であります。

これらの三つの調査は、今年10月を期限に科学省高官スパヴィット・ピアムポン
サント氏が座長を務める政府検討委員会の席で発表される運びとなっていました。
この委員会は、パクムンダムをめぐる過去の全調査を再検討した上で新しい三つ
の調査の方法や結果を分析し、矛盾する結果がある場合は解明のための鍵を提供
することを目的としていました。そして11月30日を期限に、ダムの命運を決する
最終決定が下される前に政府に対して提言を行なうことになっていたのです。

ウボン大学の調査と村人の調査がお互いを補強する形で同じ結論に達している以
上、政府検討委員会が提言できる方向はただ一つ、すなわち、パクムンダムの水
門を何年にもわたって開放する、つまりダムの運転・使用を完全に止めるという
ことです。

しかしながら、調査結果の真意や確立された手続きに真っ向から矛盾する形で、
9月23日前副首相ポンポン・アディレクサ―ン氏が委員長を務める政府委員会が、
ウボン大学の調査結果をひどく乱暴に検討した上で、一年間の内8ヶ月間ダムの
水門を閉鎖するという結論を出したのです。内閣は、この軽率かつ歪曲された決
定を訂正することもなく、11月1日にダムの水門を閉鎖するよう命令を下すこと
で追認してしまったのです。私たちはこの予備決定がいくつかの深刻な問題を孕
むと考えます。

第一に、検討委員会がまず11月末までに政府に提言を提出することになっていた
以上、なぜ別の委員会と内閣によって決定が下されてしまったのかが不明です。
私たちは「ポンポン氏の決定は早計だ」と述べたスパヴィット検討委員会委員長
の見解に同意いたします。

第二点目は、ウボン大学の調査と村人の調査で、ダムの水門が閉鎖された場合に
生計を失う恐れがあるとされた村人たちに何の相談もなく決定が下されたという
事態です。ポンポン氏は、貧民フォーラムの村人代表との対話を拒否しました。
また村人たちは決定が下された委員会会議の席からも除外されていました。一方
で、決定の恩恵を最も受けるタイ発電公社(EGAT)はこの会議に招かれ、そして
実際に出席していました。この不公平な状態が、透明性の懸念すべき欠如、全利
害関係者の十分な参加という前提の欠落をものがたっています。

第三に、毎年8ヶ月水門を閉めるという決定は、嘆くべきことに、ウボン大学が
調査で示した四つの選択肢のいずれにも則っていないという点です。こんなにも
結果が軽んじられるのであれば、一体なぜウボン大学は調査を行うよう求められ
たのでしょうか。この件についてはとりわけ重い気持ちにさせられます。と言う
のも、この調査のデータや分析は、ダムのもたらした深刻で取り返しのつかない
社会・生態上の影響を考えた時に、第四の選択肢、すなわち、五年間水門を開放
した上で国家のエネルギー需要を再検討することが、唯一の適切な手段であるこ
とを指し示しているからです。

タイ政府はまた、村人自身の手になる調査の結果もしっかりと考慮すべきでしょ
う。村人の調査は政府に対して具体的な提言を示していないながらも、ダムの水
門閉鎖が一年のどの時期に行なわれても毎年川で繰り返される生命の周期と、そ
の周期に依存する魚類や地域社会に対して深刻な影響をもたらすことを明らかに
しているからです。

ポンポン氏の委員会は、水門閉鎖の決定をEGATと地元漁民との間の「妥協」と称
しています。けれども、専門家の提示する選択肢を軒並み無視し、影響を受けて
いる村人たちの声を意思決定過程から排除する妥協とはいったいいかなる種類の
妥協なのでしょうか。また、なぜ政府は、三つの調査結果を検討するために政府
自身が予算を出して設立した検討委員会が提言を出す機会を持つ前に決定を下し
たのでしょうか。

タクシン首相。昨年首相は、パクムンダムの水門を調査のために開放するよう命
じられました。今、私たちは首相の判断力とタイの人々に仕えるという使命感に
訴えます。今もし水門閉鎖の道を選ぶならば、ダムの周りに住む6000以上のタイ
人家族やムン川沿いで暮らす数え切れないほどの人々の生きる手立てを、いとも
たやすく犠牲にしてしまうことになるのです。

もしも11月1日に水門が閉鎖されたならば、そして政府が実施された調査の結果
や検討委員会の提言を考慮しなかったならば、国際社会は、タイ政府が貧民の問
題に立ち向かう真剣さ、後世のタイの人々のために環境を保全する姿勢、誰もが
知ることのできる透明で開かれたやり方で国政を運営する意気込みに対して、深
い憂慮の気持ちを抱くことになります。

私たちは、タイ政府に対して水門閉鎖の決定を再検討することを要求いたします。
こうした大きな影響をもたらす決定を下す前に、首相が全ての調査を考慮に入れ、
13年にわたる紛争の解決に市民社会が十分に参加できるためにしかるべき手順を
踏むべきです。首相が率いる政府は、たくさんの進歩的な政策を取り入れてきま
した。政府は、パクムンダムの影響を理解するためのしっかりした枠組みと一連
の手続きを確立してきました。首相が率いる政府を、たくさんの苦しみと大いな
る環境破壊を引起した恐ろしい間違いに、ついに終止符を打つ勇気を持った政府
にしてください。

首相が思慮深く、統治に秀で、絶え間なく人々の声に傾聴されることに対して感
謝いたします。

敬具

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