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新潟県中越地震、現地からのレポート(10.26)

ボランティア情報・カンパのおねがい

送信者 : "melma00084491吉村誠司" <<mailto:william.s-forest@k6.dion.ne.jp>william.s-forest@k6.dion.ne.jp>
送信日時 : 2004年10月26日 10:57
件名 : 【震度6を体験した】吉村誠司の地球日記

【小千谷より】
地震発生の初動の3日間に何ができるのか?
今回の新潟地震は、神戸の時と違い、余震で震度6が何回も
発生するという強力なものだ。余震で倒壊し、人が生き埋めになる
かもしれない。

神戸では、東京から到着したのが4日目だった。
台風で洪水した豊岡市から、ボランティアを引き継ぎ、
やはりすぐに現地に向かった。
台風での通行止めや被災渋滞を抜け、新潟県小千谷市に入れたのは、
出発して11時間も経っていた、24日夜20時過ぎ。

一般車両は、北陸道の柏崎インターで降ろされているが、緊急車両は
長岡まで通してもらえた。(警察などでの緊急証明書が必要で、関越
方面からは実は小千谷ICまで入れる)
柏崎から長岡までの高速道路は、あちこちで浪打ち、亀裂、土砂流出
での陥没があり、対面通行になりながら、ゆっくりと進む。
あたりは、真っ暗で工事車両が行き交い24時間体制で復旧工事を
行っている。

長岡インターを降りると、国道8号線のガソリンスタンドやレストランのガストは
営業をしていた。「被災地内は、ガソリンスタンドが長蛇の列だ」という情報に
手前で入れてきていたが、ここでも給油できそうだった。

長岡市内より、高崎方面の17号線に入ってゆくが、橋と言う橋は、
5センチから10センチの段差があり、直後で突っ込んだと思われるパンクした
車両が路肩に目立つようになる。
この段差は、緊急工事のアスファルトで埋められているが、液状化で道路一体
が陥没していった感じで、線路も波打っている。

小千谷市内に入ると、全半壊した家が始まる。
道路の中央には、雪を溶かすための散水装置があるが、その中央の線で大きな
亀裂が入っており、これからの雪を思うと、また大変だろう。

小千谷市役所内にある災害対策本部で、神戸元気村時代の同士だった山形の
草島進一(通称スターン)、元阪神淡路コミュニティ基金の市村浩一郎
(なんと今は、民主党衆議院議員)に合流した。市村氏は、たまたま党の視察で
新潟にいたそうで、連絡があったので、「是非、小千谷に入って会おう」と話をして
いた。
被災地に似合わない背広姿で情報を党本部にも送ってがんばっていた。

道々で、焚き火を囲んだり、車やテント、車庫で寝ている方々が目につく。
みんな表情には不安と疲れが現れている。

●被災者生活再建支援法
鳥取西部地震の際にも、神戸の地震の後で3年以上かかって出来た法律の
支援の適用が、所得や年齢で差があるが、全壊家屋のみだ。
「住めない半壊家屋で取り壊すケースもあり、罹災証明を出す前に、ちゃんとした
判断をしないと、もらえる支援も無くなってしまう!」と災害対策本部の罹災証明の
担当者に話をする。鳥取の日野町では、当初9軒(調査初め段階)の全壊判断が、
最終的には129軒まで増えた。

「まだ、孤立している地域もあるので、是非参考にしたい」と疲れきった表情で
話してくれた。災害本部には、全国からのマスコミが殺到し、市役所前の駐車場は
マスコミの中継車や、黒塗りタクシー、ワゴンタクシーで埋め尽くされているのが、
気になる。支援車、物資輸送車が入る場所の確保が求められるので、物資担当者にも
対策本部以外での物資基地を決めて、内容によって振り分けるように、アドバイスを
した。昨日、乾パンが大量に届いていたが、乾パンがのどを通るような状況ではない。

26日現在、34市町村で、約9万8千人が避難している。
7市町村53箇所のうち、小千谷、長岡など16箇所には、孤立して住民が残ってい
る。草島氏は、大量の山形炊き出し材料、鍋釜を積んで来てくれたので、
避難してきている方々に、暖かい炊き出しをしようと準備を始めた。

「炊き出しの場所は、高齢者が多く、荷物も持てずに、孤立していた地区から
ヘリコプターで避難してきた方々にしよう!そして、メディアにも発信してもらい、
炊き出しチームをどんどん入ってきてもらおう!!」と対策本部と打合せをした。

●おばあちゃんの涙
地震の恐怖は、震度では表せない。
到着してから震度6の地震が2回あったが、「ゴゴゴゴー」と山がうなるのは、
台湾大地震の時の余震と似ており、かなり激しく揺すられる。

炊き出しの準備は、被災した女性達が、すぐに参加してくれて、
山形の芋煮のような豚汁「げんき鍋」が出来た。
おばあちゃんは、涙を流していた。
「暖かい食べ物は初めてです。のどを通るし、少し落ち着きます・・・」

神戸の時も、一緒に泣きながら、活動をしていたことを思い出す。
暖かい食べ物を食べれること、無事のこと、話をするだけでも、落ち着く。
「山形、神戸、東京からも応援に来ています!」

その言葉に、少し笑顔が戻った感じである。
「いつ、家に帰れるのだろうか?」
本当に先は、長い。

明日以降の野菜や肉など、食材の調達が必要だ。
緊急支援物資は、おにぎりや乾パン、弁当、菓子パン、米、水が多く、
炊き出しに使える野菜やコンロ、ガスなどは、あまりない。

炊き出しの道具一式を小千谷高校に避難している被災した方々に寄贈し、
支援が少ない地区を調査で車に積んできたオフロードバイクで廻り始めた。
小千谷市は、マスコミから取り上げられているので、支援が集まりやすいという
状況が予想されるからだ。神戸でも同じケースがあった。

もちろん、余震で発生する倒壊家屋からの救出用にチェーンソーを持って廻った。
家に戻って家財道具を運び出すときに、生き埋めになるケースがある。

土砂崩れで孤立していた山古志村は、全員ヘリコプターで避難したので、
入る事はできない。
川西町、川口町を廻るが、川口町の被害率は凄く高いように見える。
川沿いの為に、液状化でかなりの家が全壊し、道も波打ち、やはり物資の
入りも少ない。

町を走る国道17号線は、昨日から土砂崩れの危険のため通行止めに
なっている。117号線は、崩落での段差が1メートルもあり、とりあえず
砂利でスロープを作っているが、トラックの通行は危険だ。
しかし、そんな中、物資を持って、自転車や歩きで小千谷市に向かう
方々が見え始める。

人々は迂回しながらも、数時間歩いて来ている。
「人を助けたい」
という目が生きている。

●ボランティア情報
新潟県の被災各地では、とりあえずのボランティア受入れセンターや
電話番号を載せて発表してしまい、「電話で確認してから・・・」と
新聞にも載ってしまった関係で、電話がパンク状態である。

昨日、小千谷社会福祉協会で、社協スタッフ、行政担当者、
小千谷青年会議所、震災がつなくネットワーク、県外からのボランティア、
地域の方々と会議があり、立ち上げに向けて調整した。
新潟三条や中ノ島でのボランティアもかけつけた。

その中で、小千谷以外でのボランティアセンターの上記の現状を話し、
電話をしないでも現地に来れるような準備を始めようと提案をした。
やはり武器はインターネットのホームページである。

新聞に問合せの電話番号を載せるのではなく、HPアドレスを載せて
見て来てもらう方法で必要なページをそれぞれ印刷し、ホームページ
が見れない人には、いつ情報と記載して、FAXで仲間にも転送し
現地に入ってもらうのだ。

現地までのアクセス、装備、持ち物、ニーズなどを出来るだけ情報更新して
発信してゆく。物資ニーズや装備も日々変化してゆく。
そして今、その調査、発信ホームページ担当者、コーディネーターが必要で、
炊き出し班も必要だ。

小千谷青年会議所の宮崎理事長は、「私も仲間も被災しているが
動いて、全国の青年会議所にも発信していかなくては!」と言った。
しかし、電気が止まっているので、HPの発信も出来ないので、どうゆう
方法でやろうか?コンピューターもうまく作動するか?と不安だ。

鳥取西部地震での青年会議所の動きを説明した。
公費で解体費用が出ない余震で崩れてゆく納屋や塀を仲間の重機や
ダンプでどんどん撤去して、ローラー作戦で地域のニーズを拾い、行政が
やるべくと言われる仕事を民間でやっていった。外部からもHP支援者の
情報班も来た。

そして現場では、慣れている人が屋根にも登り、シートを次々とかけていった。
「ボランティアが乗ってきたバスで看護士を乗せて、銭湯や温泉に
被災者を連れて行きましょうよ。疲れている高齢者、腰痛の方々
のマッサージボランティアも必要ですね、散髪の床屋支援も
後日ほしいですね・・・」とイメージも膨らます。

長期戦の支援にはいろんな方が参加できる。
子どもの遊び相手も大切です。

●私は今、長岡まで出てきてエアエッジで繋いでメールを発信している。
小千谷で発信しようにも、繋がらない。携帯もお互いにつながりにくい。

前のメールで沢山のメールをもらって本当に、勇気付けられている。
ありがとう!!このメールを見て、またアイデア、支援希望があれば、
再送してください。出来るだけ、順次返事を書いてゆきます。

返事が遅れそうですが、まもなく小千谷のHPが決まったら、チェックしてほしい。
21日未明の豊岡洪水から家を出て、車での生活も6日目になり、
疲労もたまって来たが、被災者の心労はすごいものだ。

実は、まもなく地雷撤去撤去プロジェクト関係でカンボジアに入る予定があり、
どうしても一度、神戸に戻らなくてはならない。
しかし、11月初めにまたすぐに現場に戻る。

神戸の時と同じようにいろんなプロジェクトを考えてゆきます。
今から、また通信が出来ない山間部へ入ってゆきます。

よしむらせいじ@長岡より

カンパのお願いですみませんが、やはり動く為に、必要です。
【長期プロジェクトの為、ご協力よろしくお願いします】
郵便振替口座 00980−7−264796
「ヒューマンシールド神戸」宛までお願いいたします。

通信欄に「新潟地震」、「洪水支援」など匿名の有無、
連絡先などをお書きください。

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