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イラク戦争劣化ウラン情報

★グローバル・ピース・キャンペーン★
OPEN-J BOOMERANG 455【おかしな場所から 安全宣伝】より
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■転送・転載・大歓迎■

■山田和尚■

広島、長崎の平和式典で小泉さんが宣言の中で言っていた非核3原則。「核兵器
を持たず、作らず、持ち込ませず」。「ヒバクシャはこれ以上出さない」という
宣言。残念な事ですが、この時すでに日本政府は『劣化ウランは安全だ』という
メディア向け広報を始めていたようです。

今回ケン・オキーフ氏の大阪講演を主催された、吉田さんから貴重なリポートが
届きましたので、紹介させていただきます。この吉田さんのリポートの中で私は
特に日付に注目しました。

今年6月15日「外国特派員協会」で予定されていた劣化ウラン弾問題について
の「報道昼食会」がその直前にキャンセルされたという事実があるからです。

この時は、米国・戦略国際研究所所長のテレンス・テイラー氏が来日し、東京の
外国特派員協会で「劣化ウラン弾は安全だ」という記者会見を予定していたので
すが、この時の担当記者の計らいで、テイラー氏とその事に反論できる嘉指信雄
氏の公開議論をするというところまで両者の合意を取りつけたのですが、直前に
キャンセルされる事態となりました。(この時の様子はサイトの中のバックナン
バー OPEN-J435【米国政府の反論 と 日本の民間の正論】をお読み下さい)
http://www.peace2001.org/gpc/gpc_mn/mn_200406.html

今回の吉田リポートの中で明らかにされた、原子力文化振興財団がプレス向けに
配布した『プレスレリーズ NO,111』(6月15日付け)は、その日に合
わせてつくられた日本政府側の【劣化ウラン弾は安全だ】と言う正式な見解のよ
うです。

さて、この劣化ウラン弾の荒ましい被害の現状を世界に向けて逸早く報道されて
きた、森住 卓さんからメールを頂きました。同じく劣化ウランにピントを合わ
せて来られた豊田直巳さんたちと8月14日にNHKに出演されるそうです。

この番組の中でNHKの制作部が【劣化ウラン】という実態をどのように放送す
るかという内容に注目してください。森住さんも豊田さんも収録の中でこのこと
をたくさん伝えようとなさったと思われるのですが、政府が【安全だ】と言い切
った後だけに、編集された内容を注目したいと思っています。

★ETV特集「戦場から伝えるもの〜フリー映像ジャーナリストたちの記録」★
 2004年8月14日(土)22:00〜23:30(NHK教育)90分

出演:西谷修(東京外国語大学教授)
   広河隆一、豊田直巳、古居みずえ、森住卓、亀山亮、故小川功太郎ほか
 
自らの意志で、イラク、パレスチナ、アフリカなどの戦場に赴く日本人のフリー
映像ジャーナリストたちへの連続インタビュー。殺される危険、拘束され「人質」
になる危険をおかしてまでなぜ彼らは戦場へ行き、何を伝えようとしているのか?
何を信条とし、どんな葛藤を抱えているのか?テレビや新聞とは一線を画した戦
場報道をめざす彼らの写真、ビデオなどの作品を紹介しながら探っていきます。
この番組のウェブサイト:
http://www.nhk.or.jp/etv21c/index2.html

さて、【楽市楽座 IN 福井】に皆様からのご協力お願いいたします。
http://mike.co.jp/raku/

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◆吉田正弘◆

■イラク戦争劣化ウラン情報 NO,19 2004年8月9日から■

ある方から原子力文化振興財団が「劣化ウランは安全だ」というパンフレットを
メディア向けに出していますよと教えて頂いたのは7月のことです。原子力文化
振興財団(以下原文振と略す)といえば、文部科学省の所管公益法人で、税金と
電力会社からの補助金で動いているはずです。

それに「原子力の平和利用」を宣伝するために全国の高校に毎月カラー判の機関
誌「原子力文化」を送りつけなるなど、原発推進の広報活動のための団体であり、
影響も小さくありません。

早速取り寄せて読んでみると、全くとんでもない文書です。『劣化ウラン弾によ
る環境影響』という表題で、原文振がプレス向けに配布する『プレスレリーズ 
NO,111』(6月15日付け)になっています。

プレスレリーズは、過去にも原文振が「プルサーマル」など重要問題を取り上げ
てメディア向けに解説する「重要文書」です。

しかも今回はその全編が、劣化ウラン弾が安全であり、環境への影響がない、自
衛隊員も何の心配もないという何の根拠もない宣伝になっています。国際機関な
どを引き合いに出しながら「安全」に都合のいいところだけを一方的につまみ食
いしただけで何の客観性、科学性もありません。

ただただ劣化ウラン弾を使った米軍を免罪し、これに加担する日本政府を肯定す
る内容なのです。

原文振は何のためにこのパンフレットを出したのでしょうか。前書きの中でもは
っきりと自衛隊のイラク派兵との関係に触れていますが、自衛隊派兵と関連して
劣化ウラン弾が安全だという宣伝をすることが目的なのです。

こういう形で日本政府自身が劣化ウラン弾の安全宣伝に乗り出し始めたのだと思
います。メディア向けというところがミソです。メディアが「危険性」報道をや
らないよう牽制する狙いがあることは明白です。

劣化ウラン弾に不安を持つ自衛隊員や家族を「安全宣伝」で黙らせるようとして
いるのでしょう。極めて危険な動きであり、放置することはできません。直ちに
批判を浴びせ、無責任きわまりない形での「安全宣伝」の責任追及を行わなけれ
ばなりません。

(1)そこで私たち「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務
局」は「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」と共同で、原文振・文科省
・政府のこの文書『劣化ウラン弾による環境影響』を批判するリーフレットを作
りました。現在、両団体のウェブサイトで公開し、ダウンロードできるようにし
てありますので是非ご一読下さい。そして周りに知らせて下さい。
署名事務局 http://www.jca.apc.org/stopUSwar/DU/genbunshin.htm
美浜の会 http://www.jca.apc.org/mihama/d_uran/genbunshin_leaf.htm

(2)また、社民党の福島瑞穂議員はこの問題の重要性に鑑み、原文振・文科省
・政府の責任を追及する詳細な質問主意書を臨時国会に急遽提出されました。内
容的に極めて重要ですので、こちらの方も一緒に広めて頂くようお願いします。
リーフレットの紹介と併せて、両団体のウェブサイトに公開しています。

詳しくは、上記リーフレット、あるいは質問主意書をご覧頂くとして、ここでは
以下の3点を指摘しておきたいと思います。
 
第1の問題点は、「原子力の平和利用の啓発」を目的とする公益法人が、明らか
に放射性物質の軍事利用である劣化ウラン弾をなぜ肯定するのかということです。
文部科学省が現に戦争に使った爆弾、しかも放射能兵器が安全だと言い回すこと
自体、とんでもないことです。戦争行為、非人道的行為を正当化するなんて言語
道断です。

それとも劣化ウラン弾は「原子力の平和利用」であるとでも言うのでしょうか。
国内法ではウランを環境中にばらまけば違法行為、犯罪になります。ところがパ
ンフレットはイラクで米軍が同じ行為を行ったことを肯定しているのです。これ
は原文振の設立趣旨に反するばかりか、「原子力の研究、開発及び利用は、平和
の目的に限」るという原子力基本法第2条に根本から反します。まさに違法行為
です。原文振が原子力の軍事利用、戦争犯罪を正当化したことについて、所管す
る文部科学省、政府の責任を追及しなければなりません。

第2の問題は、「安全性の宣伝」を、御用学者を使って「科学」を装いながら、
その実ウソとデマゴギーで塗り固めていることです。“文部科学省”がすること
とは到底思われません。ともかく全編デタラメです。たとえば「劣化ウランの放
射線量は天然ウランの100分の1」(!)だと強調し、花崗岩内など自然界に
ある天然ウランよりもはるかに害がないから劣化ウラン弾は安全だ。アルファー
線核種であるウランは1mも離れれば測定できないことは明白であるのに「1m
離れたところからの測定では劣化ウランは検出されない」から安全である。(ウ
ランで一番危険なのは微粒子の形で肺に吸入された場合であるのに、その危険に
ついてわざと触れていないのです)さらに、放射線への感受性の高い子どもに被
害が集中していることを否定し、「劣化ウランは子どもも大人も影響は同じ」と
言い切る。等々。

第3の問題は、現に劣化ウラン弾によって大量の被害者が出ていることに一言も
ふれずに安全性を強弁していることです。イラクで白血病やガンにかかっている
子どもたちやイラクの住民たち、湾岸戦争とイラク戦争、さらには旧ユーゴ戦争
に参加した兵士たち、アフガニスタンの住民たちと、これまで米英軍が劣化ウラ
ン弾/ウラン兵器を使用した場所で大量の患者が発生し死んでいっていることや、
住民や兵士の尿や環境中からウランが検出されたりしていることは全く無視して
います。

これらの事実にもかかわらず安全だというなら根拠を示すべきです。国際機関で
劣化ウランは何の被害もないと断言したところなどありません。原文振=文部科
学省や政府が、もし安全だと主張するなら、実際に劣化ウランが使用された現地
で住民、環境の調査を自ら行いその結果で示すべきです。サマワ帰還米兵からは
劣化ウランが検出されています。サマワ帰還の自衛隊員についてもまともな調査
も行わずに放置するのではなく、尿の精密なウラン分析を全員に行って被曝の有
無を確認するべきです。

原文振=文部科学省や政府は自信がないのか、まだ御用学者がメディア関係者を
集めてレクチャーするといった形で“こそこそ”隠れてやっている段階です。出
鼻を挫かねばなりません。そのためには、まずは彼らがやり始めた「劣化ウラン
安全」宣伝の事実をできるだけたくさんの人々に知らせることが大切です。

そして様々な所から追及の声をあげていくこと、文科省、政府の責任追及の運動
につなげていくことが重要だと思います。ぜひ皆さんも友人や知人にこの事実を
知らせ、原文振の目論見を打ち砕くよう、ご協力下さい。

なお、原文振のプレスレリーズをお読みになりたい方は、原文振のウェブサイト
<http://www.jaero.or.jp/> の「ご意見・ご質問」コーナーからメールを送れば
入手できます。

アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
UMRCイラク・ウラン被害調査カンパキャンペーン事務局

吉田正弘
事務局ホームページ http://www.jca.apc.org/stopUSwar/
吉田eメールアドレス mailto:masayo@silver.ocn.ne.jp

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