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HOT NEWS

★ 星川 淳@屋久島発 インナーネットソース #49 [03.05.14] ★

>>> 目次
(0) 有事特集 アクションカレンダー
(1) NO ユージ宣言
(2) たまりたまった新刊案内
(3) ブッシュ、ブレアの戦争犯罪を裁こう!
(4) 劣化ウラン爆弾、核の恐怖
(5) デニス・クシニッチを次期大統領に!
(6) TUPコーナー「民主主義を返してくれ」サイード他

★いよいよ、有事法制成立という有事ですね。

 民主党と与党の協議は最初から“落としどころ”を探っていただ
けで、ぼくも去年から指摘している有事認定の問題を含め、「なぜ」
の根本がまったく手つかずのまま、「だって、ないと危ないでしょ、
困るでしょ」という小泉流雰囲気論で決まっていくシナリオです。

 とりあえず「怖い」とされる相手に限って想定しても明らかです。
 有事は実質的に米軍とCIAが認定するしかないでしょう。すで
に昨秋ぐらいから、アメリカは恣意的な核情報で好き勝手に日朝・
南北関係を操りはじめています。そのうえで、予防攻撃を国策に位
置づけるブッシュ政権は、「核使用を含むすべての選択肢を排除し
ない」と明言しています。

 つまり理屈上、この有事法制は成立した瞬間から、たぶん金正日
体制が崩れるまで、ずっとオンにならざるをえません。アメリカが
いつ攻撃するかわからなければ、北朝鮮による在日米軍基地(また
は日本国そのもの)への反撃もいつあってもおかしくない。予防/
先制攻撃論の危うさは相互に歯止めがないことです。こうして日本
はネオコンと無理心中で「年中戦時」になります。沖縄の言葉なら
「藪世(ブッシュゆ)」とでも呼ぶのでしょうか。もし04年に再
選されたら、後世“暗黒の8年”と名づけられるかもしれません。

 杞憂と笑うなかれ。
 9・11以降のアフガン攻撃とイラク侵攻で世界を呆れさせたブッ
シュ政権の詭弁・強弁・情報操作と、戦争放棄・非軍備の憲法で世
界第3の軍隊をもつこの国の没論理と“雰囲気首相”を合わせたら、
上のような運びに持ち込むのはお茶の子さいさいでしょう。

 この「理と法の真空状態」こそが有事です。
 理と法に則してものごとを考え、話し合い、合意しようとするこ
と自体を鼻で笑うネオコンの無理無法ウィルスが、もう和製ネオコ
ンたちに伝染し、イケイケどんどん組を舞い上がらせています。こ
んな汚染環境の中で米軍協力法などつくってはいけない。東アジア
の平和は東アジアで守り創る覚悟を決めなければ――。

 もう一つ、日本が軍隊をもつことにぼくが根本的に反対する理由
は、もし仮に軍備を認める憲法をもっていたとしても、殺人マシン
を使うだけ民主度が熟していないことです。戦後日本がアメリカ占
領による民主化のサクセスストーリーという定説はウソで、むしろ
60年近くかかってまだ真の民主主義の戸口にも立てない失敗例で
しょう。民主社会が究極の暴力である武力を行使するとしたら(軍
備や戦争を認めた国の仮定ですよ)、徹底した透明性と民意の支持
がなければなりません。けれども、日本は軍隊ではないはずの自衛
隊ですら秘密のベールを厚くかぶり、なんでもないのに「国家安全
保障上の理由」からあらゆる情報を伏せ、国民の個人情報は乱用し
てきました。軍は“お上”に属するもので、国民の顔色をうかがう
必要などないという軍尊民卑の根性が染みついているのが、封建制
の習いを抜けられない日本人です。

 だから、インド洋に出した自衛艦の行動も知らせなくていい、ア
フガニスタンのテロ掃討作戦に使うはずの燃料を給油して、そのま
まイラク戦争参戦中の空母キティホークに使われても「関知しない」
で済むと思っているのです。一事が万事、理も法もない。究極の暴
力装置を国民の税金でまかない、税金で動かすための最低限の原則
が、最初から崩れているのです。これで“正式に戦争できる”権利
など認めたらどうなるか――たちまち戦前に逆戻りするのは間違い
ありません(もうだいぶ戻りかけてますよね)。

 こういう危惧を、好戦派は「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)
を吹く」と揶揄(やゆ)しますが、懲りずに済んだ身分の空論でしょ
う。究極暴力の実態を知りもしない、知ろうともしない。それを知
る鉄則は、弾圧される側、銃口を向けられる側、爆弾を落とされる
側に立つ(想像力だけでも)ことです。

 日本社会は戦争をできるタマではありません。
 平和憲法はその意味でも正解だと思います。
(ほかに戦争をできる民主度の社会があるか疑問ですが……
 だからこそ戦争は違法化し、絶対不可欠な武力行使のみ国際合意
 で認定しようとする国連憲章の方向性も正解だと思います。)

 自衛隊は(国際)災害救助隊に改組すべし。
 万一の侵略も災害として対処すればいいし、それ以上に危ない事
態は命がけの予防外交術を身につけて防げばいい。本気でその努力
もせず、アメリカの尻馬に乗って戦争をしたがる公務員は、日本国
憲法第99条(憲法遵守義務)違反で退場させましょう。

 有事法制とはまったく違う未来の切り拓き方を考え、工夫し、実
現していこうではありませんか。

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>>>有事特集 アクションカレンダー
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  (http://www.worldpeacenow.jp/ には全国版も!)

●5/14(水)12:00〜13:00「STOP!有事法制、国会
前路上集会」衆議院第2議員会館前。主催/市民緊急行動、宗教者
ネット、キリスト者ネット、陸海空港湾20労組。

●5/16(金)「STOP!有事法案、国会請願デモ(仮称)」。
18:30〜星陵会館(永田町)。19:00〜国会請願行進。
主催・「NOユージ、VIVA !友情」プロジェクト

●5/17(土)午後1時〜4時半
<戦争法反対、言論・教育・労働の国家統制を許すな!>
「世界の平和とアジアの未来を考える緊急のつどい」
――武器ではなくペンを、楽器を、メガホンを!――
◎武者小路公秀/喜納昌吉/神山征二郎/(司会)横井久美子
星陵会館 東京都千代田区永田町2-16-2 TEL 03(3581)5650
主催 JCJ有事法廃案実行委 協賛 自由法曹団 マスコミ文化情報労組会議
当日=1300円 当日精算券(事前申込み)=1200円 学生=1000円

●5/17(土)13:00〜17:00 文京シビックホール
「憲法フェスティバル――戦争から幸せは生まれない!」
 池田香代子・加藤剛・姜尚中・辺見庸
 琉球エイサー隊・朝鮮舞踊など
主催:憲法フェスティバル実行委員会(問合せ Tel/Fax: 03-5211-3255)
前売り2300円(当日2800円)/障害者・付添人・中高生1000円
http://www.kenfes.com

●5/18(日)13:30ピースラリー開始 14:00出発
緊急アクション! 「NOユージ、VIVA友情」キャンペーン
宮下公園→青山通り→原宿駅前→渋谷駅前→宮下公園(一周コース)
(詳細 http://www.noyuji.jp/

●5/20(火)17:30開場 18:10開会 20:50閉会
「トーク&ライブ『武力で平和がつくれますか?』―イラク攻撃と
憲法・有事法制」@千代田区・千代田公会堂
喜納昌吉とチャンプルーズ、星野ゆか&CHANCEのメンバー
下重暁子(元アナウンサー)・ 水島朝穂(早稲田大学教授)
主催:日本弁護士連合会、(予定)第一東京弁護士会、第二東京弁
護士会、東京弁護士会( 問合せ:日弁連人権課・山田03-3580-9505)

●5/23(金)18:30〜「STOP!有事法制、5・23大集会」
 明治公園。主催/市民緊急行動、宗教者ネット、キリスト者ネッ
ト、陸・海・空・港湾20労組、小田実、澤地久枝、神山征二郎。

●5/23(金)18:00〜「もう戦争はいらない有事法制にNO集
会」 日比谷野音 平和フォーラム

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (1) ―――NO ユージ宣言
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★じつは、去年のいまごろ「有事法案ではなく無事法案を!」連名
キャンペーンを呼びかけながら、イラク情勢と仕事で手一杯のまま、
サイトの更新もできていなくて、内心「どうしたものか」と罪悪感
に近いものを引きずっていました。(このメールマガジン自体、オ
ンライン署名サイトを緊急開設するついでにはじめたのでした。~~;
いまでも少しずつ署名は寄せられており、近日中に更新します。)

 そこへ、若者たちの元気な動きが伝わってきたので紹介します。
 イギリスがインド統治時代、戒厳令の法律をつくろうとしたとき、
ガンディが「この法律が通っても私は従いません」という宣誓書に
サインし、それに多くの人が賛同署名して、法案は通過したものの
実際の戒厳令発動は阻止したことがヒントだそうです。紹介してく
れた田村さんによると、“はてみ”というグループは「そもそも、
中村哲医師の著書『医者井戸を掘る』を翻訳して世界に発信しよう
とするプロジェクトのために立ち上げたもの。現在は、現在は、戦
争反対、暴力ではない解決法を模索して平和を作ろうという友人有
志の活動拠点のようになっているけれども、特に団体としての規律
とかがあるわけではない」とのこと。

 下記以外に、プリントアウト用宣言用紙、ファクス先国会議員リ
スト、わかりやすい法案解説(口語訳・小学生向けなど)、日本国
憲法条文などがリンクされています。ぼくもこれから宣言します。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

親愛なるみなさま;

国会では、有事法案成立が強行されようとしておりますが、はてみでは、NO ユージ
 VIVA!友情 キャンペーンの一貫として、NOユージ(戦争非協力)宣言を用意いた
しました。
http://www.hatemi.jp/pledge/pledge%20of%20no%20yuji.html

「戦争には協力しない」を確認して、足場を固めてそこからまたスタートしませんか?

戦略的な面での目的は、政府に「すでにこれだけの人が『従わない』と言っています
よ」という「反対」だけよりも強い圧力をかけることです。

イスラエルの兵士のなかにも、「パレスチナ人の居住地では仕事をしません」という
不服従運動がすでにあるそうです。

わたしたちも日本から、ユージではなくてユージョウを!の流れを作りましょう。
もし、戦争非協力が世界に広がり、それを通じてたくさんの人びとが国境を越えて手
をつなげば、政府がやろうと思っても戦争ができなくなってしまうでしょう。
希望というものは、わたしたちがそれを持ち、それに基づいて行動することによっ
て、生まれるものなのかもしれません。

あなたからのメッセージを心待ちにしております!
はてみ
http://www.hatemi.jp/

------------------------------------------------------------
★NO ユージ宣言★
戦争には協力しないことを宣言します。

わたしは、日本国憲法とまったく相いれない有事3法案に反対です。
たとえそれが法律になったとしても、 どのようなかたちであれ戦
争には協力しないことをここに宣言します
------------------------------------------------------------

●宣言フォーム(オンライン署名・コメント書き込み)
http://give-peace-a-chance.jp/cgi-bin/no_yuji/no_yuji_u.cgi?action=show_form

●日本国憲法と有事法案は具体的にどう相いれないか
 日本弁護士連合会の見解
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/jinken/00/2002_3.html

●精神の糧

いま私たちは、明らかに、第二次世界大戦終結後、最大の歴史的分
岐点に立っています。有事法制を認めて政府に対し戦争禁止を解除
してしまうのか、それとも、かつての失敗を教訓にして、みずから
が勝利する側、殺す側にいる戦争をも拒否し、戦争の加害者にも被
害者にもなることなく、地域と世界の平和に関与していくことを選
ぶのか。
(高橋哲哉)

祖先と先輩たちが、血と汗を流し、幾多の試行錯誤を経て獲得した
成果を、「古くさい非現実的な精神主義」と嘲笑し、日本の魂を売
り渡してはならない。戦争以上の努力を傾けて平和を守れ。
中村哲

国民がすることは、個人もする。そして個人がする限りは、国民も
するのである。個人の態度の変化のみが、国民心理の変化を齊すの
である。
(カール. G. ユング)

あなたが望む世界の変化に、あなた自身がならなければならない。
(マハトマ・ガンジー)

簡単なことです。参加するのをやめればいい。
(ノーム・チョムスキー)

わたしたちがおのれの恐怖から解放されるなら、わたしたちの存在
自体がおのずから他者をも解放するであろう。
(ネルソン・マンデラ)

世界には二つの力あるのみ。その力とは、精神と剣である。そして
結局は、剣の力は常に精神の力に破れるだろう。
(ナポレオン・ボナパルト)

これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。
これを戦力の放棄といいます。 「放棄」とは、「すててしまう」ということです。
しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。
日本は正しいことを、ほかの国よりさきにおこなったのです。
世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
(1947年 文部省作成「あたらしい憲法のはなし」より )

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

★有事法案については「停戦委員会」サイトも参考にしてください。
 法案の与野党修正点・対案などがまとめられています。
http://www.geocities.com/ceasefire_anet/misc/yuji_index.htm

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (2) ―――たまりたまった新刊案内
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

(まだまだあるんですが、次号以降に……)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> 『NO WAR 立ちあがった世界市民の記録』(岩波書店/1200円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★月刊『世界』の緊急増刊号。写真も多くて充実した内容です。
 ぼくもTUP(Translators United for Peace)の仲間とイチオ
シの訳稿を3本寄せています。第1章「世界で何が起きたか」/第
2章「日本で何がはじまっているか」/第3章「世界市民――未来
への可能性」/第4章「何のための戦争か? 何をもたらすか?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> 『金で買えるアメリカ民主主義』(角川書店/1800円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
グレッグ・パラスト著/貝塚 泉・永峯 涼訳
★生資料と直接取材を駆使してマイケル・ムーアの『アホでマヌケ
な〜』より掘り下げが深く、鋭い調査報道能力と諧謔(かいぎゃく)
がほどよくブレンドした好著の待望邦訳。ほんとは詳しく内容を紹
介したいのですが、超要約すると――2000年大統領選フロリダ不正
工作の徹底解明(これが04年も決める?!)、ブッシュ一族金権図、
電力民営化の闇、グローバリゼーションの罠、ウォルマートの恐怖、
ブッシュの福音導師の正体、エクソン社アラスカ座礁事件の顛末、
英国を売り払うブレア内閣、etc. いまの米英を考え、ジャーナリ
ズムの惨状を知るには必読! 訳もこなれています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> 『週刊金曜日』5月9日号(No.458/500円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★写真家・豊田直巳さんのバグダッド報告「劣化ウラン弾の恐怖」
(随所で放射能測定器が激しく反応したそうです!)、非戦チーム
メイト青山貞一さんの「“イラク復興支援”に異議あり」に並んで、
ぼくの寄稿「“解放”映像をデッチあげた米軍の手口」掲載。フセ
イン像引き倒しをはじめ、アメリカの自作自演を指摘しています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> 『ファシリテーション革命』(岩波アクティブ新書/740円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中野民夫著
★学生時代から、対抗文化の魂をもちながら体制内変革をめざす
“ネクタイ菩薩”を自称し、博報堂でそれを実践してきた旧友の2
冊目。デビュー作『ワークショップ』(岩波新書)の続編である本
書には、「参加型の場づくりの技法」という副題どおり、会議や研
修、セミナーなどを、ピラミッド=上意下達型からウェブ=サーク
ル型の合意形成や認識共有の機会として生かすヒントが詰まってい
る。「引き出す」から「あふれ出す」へ、さらにはファシリテーショ
ン不要論まで遠望する終章がいい。自己生成システム論を人間世界
で実証する組織改革・社会変革の指南書かもしれない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> 『水素エコノミー』(NHK出版/2100円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ジェレミー・リフキン著/柴田祐之訳
 化石燃料にかわる次世代のエネルギー源として本命視される水素
を、アメリカ屈指のリベラルな文明評論家が取り上げた著作は注目
しないわけにいかない。原油・天然ガスの涸渇、産地の偏在による
文明対立やテロ問題、地球温暖化をはじめとする環境問題から、水
素社会到来の必然性を導く筆致はさすが。ただし、燃料電池による
小規模分散型のエネルギーインフラをWWWになぞらえ、「水素エ
ネルギー・ウェブ」と名づけて地球民主化との両立を展望する後半
は、ネオコン天下のいま、やや楽観的にすぎるか。しかし、水素経
済はもっと息の長い話だ。今後の議論の叩き台になる本だろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> 『一本の樹が遺(のこ)したもの』(現代思想新社/2800円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ジュリア・バタフライ・ヒル著/きくちゆみ・河田裕子訳
 1997年12月10日から738日間、樹高60メートル、樹齢1000年の巨
木上ですごした女性の体験記。「ルナ」と名づけられたこのレッド
ウッド(アメリカスギ)は、原生林伐採阻止運動のシンボルだった。
伐採を強行しようとする大企業と、直接行動で阻む環境団体、それ
を取り巻く地域、アメリカ社会――そしてその渦中で、たったひと
り自分の生を森と、地球と、人類の希望と重ねたジュリアが、最後
にルナの保護を勝ち取るまでの克明なドラマは、ほとんど神話的だ。
貧しいけれども善良な家庭に育ち、自然と社会正義を守る最前線に
立った著者の姿は、なぜかイラクから救出されたジェシカ・リンチ
上等兵を彷彿とさせる。二つのアメリカ、その違いは何だろう?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>   『ECO・エコ省エネゲーム』(合同出版/1680円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★非戦チームメイトの田中優さんや大河内秀人さんたちが数年がか
 りでつくった秘密兵器?!

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

大河内秀人@江戸川です。

 私たち「足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ」が
昨年考案し、各方面からご好評をいただきました省エネゲームが、
ゲームキット付き書籍として合同出版から出版されました。

---------------------------------------------------------

          :足温ネット編:
  ■■新刊『ECO・エコ省エネゲーム』のご紹介■■

■ワークショップ形式で--------------------------------------
 この本は、「お買い物」感覚で、現実の省エネを学ぶことができ
るゲームの手引書です。4−8人程度のグループ毎に二酸化炭素の
削減数値を競う、環境ワークショップにお勧めのゲームです。楽し
んで選びながら、それを10年、20年のスパンでみると家計や地
球環境にどうなるかを数字で実感することができます。

■省エネは努力や忍耐じゃない!------------------------------
 これまで「省エネ」と言うと、「努力と忍耐」のイメージが強く
ありました。政府が決めた「地球温暖化対策推進大綱」なるもので
で人々に要求されていることは実に窮屈なものです。いわく「一日
一分間、シャワーの時間を減らせ」、「家族は一部屋にまとまって
同じテレビを見ろ」と…。こんな対策では誰もついていけません。

■お買い物感覚で--------------------------------------------
 このゲームは、我慢や努力をせず現状の利便性や快適性を損なわ
ないのがルール。300万円の資金で家財を買い替えていきます。
車もありますし、エアコンも冷蔵庫、家電製品一式もあります。窓
枠などの改造から、雨水利用やら太陽光発電、太陽温水器などを取
り入れることもできます。どれを選ぶかはそのチームの選択です。

■300万円の行方は?--------------------------------------
 さて、その結果はどうなるでしょうか。二酸化炭素の削減量はど
のくらい? 300万円かけた分は全部損になってしまうの? そ
れはやってみてのお楽しみです。「楽しみながらやる!」というの
が長く続ける秘訣だと思います。どうぞ、このユニークなゲームを
お楽しみください。
(書籍:1,680円/ゲームキット:1,050円)

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (3) ―――ブッシュ、ブレアの戦争犯罪を裁こう!
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★ヒロシマ発の取り組み、ぼくも賛同人に加えていただきました。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

以下のアクションにご賛同くださる方はメールに次の事項をご記入ください。
皆様のE−mailアドレスはこちらから経過報告をさせていただくためのもので
公開致しません。

メールの件名:「ブッシュ、ブレアの戦争犯罪を告発するためのアクション」
1.個人の場合
  *お名前 *都道府県名、海外の方は国名 *職業など(任意) *E-mailアド
レス
2.団体の場合
  *団体名 *連絡先のE-mailアドレス

送信先  f-saitou@jt6.so-net.ne.jp (西塔)
***********************************************************
      ブッシュ、ブレアの戦争犯罪を裁こう!

[ブッシュ、ブレアの戦争犯罪を告発するためのアクション]

みなさま

広島市立大学広島平和研究所教授のクリスチャン・シェラーさんが、
ブッシュ大統領・ブレア首相の戦争犯罪を、国際刑事裁判所で告発しようと
呼びかけています。

すでに今月半ば、アメリカ・イギリス・スイスなどの法律家・人権活動家の
グループが、「アメリカの軍事力行使を抑止するために国際刑事裁判所を
利用する」という宣言を発表しました。また、来月には、すぐれた国際法の
専門家たちが、常設民衆法廷への第一回目の意見具申に向けて、アメリカ・
イギリスの罪状告発のアウトラインを描くことになっています。

このアクションには、国際法に関する専門家の力が必要であるとともに、
この趣旨に賛同する世界中のグループや個人の幅広いサポートが必要です。

具体的にこのアクションをどう進めていくかについては、これから討議や
情報交換を重ねていかなければなりませんが、ブッシュ、ブレアの戦争犯罪
告発を求める国際世論を喚起し、国際刑事裁判所による取り調べ開始のための
推進力をつくること、また、すでに行動を始めている法律家・人権活動家の
グループや、常設民衆法廷の活動を支持し、サポートすることは、その重要な
柱となります。
このアクションの目的は、劣化ウラン使用を含む戦争犯罪を告発し、戦争犯罪に
対する制裁を加えることにより、戦争と虐殺と核による無差別殺戮を
抑止することにあります。

皆様のこのアクションへのご賛同をお願いいたします。
また、ご提案、ご協力、よろしくお願いします!

[ブッシュ、ブレアの戦争犯罪を告発するためのアクション]

呼びかけ人:クリスチャン・シェラー(広島市立大学広島平和研究所教授)
    
4月末現在の賛同人:青木千里(東京) 大庭里美(広島) 西塔文子(広島) 永
留史彦(山口) 福間由紀子(広島) 山田敏正(大阪) 吉田稔美(東京) リボ
ン・プロジェクト 

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (4) ―――劣化ウラン爆弾、核の恐怖
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★去年、「有事法案ではなく無事法案を!」シンポジウムでもお話
していただいた銀林さんが、「在韓被爆者問題市民会議」会報に書
かれたものですが、許可を得て転載します。ぼくらが絶対に忘れて
はならない“魂のグラウンド・ゼロ(原点)”です。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

      劣化ウラン爆弾、核の恐怖
      広島被爆者 銀林美恵子

 アメリカのイラク空爆を何とかくい止めたいと、今年2月中旬か
ら反戦の波が世界中に広がっていた頃、3月2日の日曜日、広島の中
央公園では「NO WAR NO DU!(Depleted U
ranium)」の大きな人文字を作るという反戦・反核の行動が
ありました。 2日前この計画と呼びかけを知って、私は「これこ
そ被爆地広島からの訴え」だとこおどりし、自分は参加できないも
のの、大成功を願って、会う人ごとにこのニュースを広げながら祈
るような気持ちでした。翌3日の朝刊に、「被爆者をはじめ、全国
各地から約6千人が集結。秋葉市長も市民の一人として加わり、午
後1時から約1時間かけて縦56メートル、横110メートルの人文
字を作りあげた」の記事とヘリで上空から写した見事な写真を見て
感動しました。

 半世紀前、米軍により広島・長崎に投下された原子爆弾は、人類
史上初めての無差別大量破壊兵器、きのこ雲の下に展開された地獄
の様は忘れられません。しかし、あの日の怪我や火傷のひどさ、蛆
虫に苛まれるむごたらしさより、もっともっと恐ろしいのが核の放
射能による被害で、それが後に続き、今も引きずっているのです。
放射線は目に見えず、匂いも味も無く五感に何の痛みも感じられま
せん。命拾いをしたと喜んでいた人が、ある日突然高熱にうなされ、
紫斑が出て、脱毛し、血を吐きながら亡くなりました。幼い子ども
ほど放射能の影響は大きく、小さい体に核の被害を一杯受けて命を
奪われていったのです。ただ一人無傷で連絡に走り回っていた元気
な友人が晩発性の放射能障害で苦しみながら病没したのは今から12
年前でした。足を怪我した私は救護所に運ばれ動けなかったのが幸
いして、放射線を浴びる量は少なかったかも知れません。それでも、
核被害の縛りからぬけだせないのが被爆者の現実です。

 劣化ウラン弾について、私は数年前初めて耳にしました。核兵器
や原発用燃料を製造するため、天然ウランを濃縮する過程で生まれ
る核廃棄物で、鉄の2倍の比重をもつ硬く重い真っ黒な塊、弾丸ぐ
らいにしか、使い道がないという話で、その時は、要塞や、軍需工
場などを破壊するために効力を発揮するだけで、放射能とは無縁な
のかと思っていました。 91年の湾岸戦争のとき、米英軍がイラク
に落とした劣化ウラン爆弾は95万発(300〜800トン)でした。
直後の被害は原爆投下の広島とは異なっていたため、問題視されず
に過ぎた10年そして今、その被害が次第に明らかになってきてい
ます。昨年現地を訪ねた方たちによると、白血病やその他のガン患
者が病院に溢れ、産院では流産や死産が多く、生まれても無脳症な
ど先天的障害を負って数時間で死ぬ子どももいるとのこと。出産し
た母親はかっては男女どちらかと聞くのが普通だったのに、今は障
害の有無を聞くそうです。私自身、自分や娘の出産時の不安と重ね
合わせ胸が痛みます。劣化ウランとはいえ、その放射能による被害
のすさまじさを今になって知り、唖然としています。広島に落とさ
れた原爆の何万倍もの放射能がばらまかれ、その半減期は45億年
ともう気の遠くなるような数字です。 

 劣化ウランのために、核の放射能被害が増化しているというのに、
アメリカはさらに今回もこの爆弾を使用しました。戦争が終わって
も末永く残る核被害、イラクの子どもたちの健康、この汚された地
に生きるすべての命が心配です。こんな大量殺戮兵器を使用したこ
とは絶対許せません。 「NO DU!」被爆者の訴えです。

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (5) ―――デニス・クシニッチを次期大統領に!
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★米民主党の大統領候補レースがはじまりました。
 ぼくを含め、多くの人が希望の星(救いの手)と密かに期待して
いるのがこの人。考え方・生き方はすばらしいのですが、いまのア
メリカでは勝算はいまひとつ。そこで、日本からも応援しようとい
う呼びかけです。グローバル・ピース・キャンペーン の「OPEN-J
BOOMERANG 337」から抜粋。http://www.peace2001.org

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

◆きくちゆみ◆

■YES!PEACE アメリカに平和の大統領を!キャンペーン■
    ●日本からアメリカ大統領選挙を応援しよう!●

デニス・クシニッチ(56歳)をご存知ですか?オハイオ州の下院議員でこのメ
ールニュースOPEN-J BOOMERANG 283【平和省の夢】の中でも1月14日に取り上
げた「アメリカ平和省」の提唱者です。

私は「彼のような人がアメリカの大統領になったらどんな世界が可能でしょうか」
と書きました。

あれから、奇跡のようなことが起こりました。デニス・クシニッチが大統領選挙
に立候補する、というのです。彼は23歳で市議に初当選、31歳でクリーブラ
ンド市長に当選し、アメリカの大都市では最年少の市長となりました。
そして96年に下院議員に初当選し、現在4期目です。
http://www.kucinich.us/

彼の政策で私が共鳴するのは、たとえば:
1.原発の撤廃
2.全世界の核兵器や大量破壊兵器の撤廃
3.平和省の創設
他にもたくさん、いい案を出している。日本の脱原発と自然エネルギー推進は、
デニスが大統領になれば、実現するかも!

グローバルピースキャンペーンでは、アメリカが海外でしてきたこと(今回のイ
ラク侵攻同様、一方的な破壊と虐殺の歴史。詳しくは『戦争中毒』『アメリカの
国家犯罪全書』W.ブルム著参照)が、ほとんどアメリカ人に知られてない現実
を少しでも変えようと『戦争中毒』の普及に取り組んだり、米国主要紙やハリウ
ッドのビルボード(野外大型看板)などで平和のアピールをしたりしてきました。

が、次期大統領選挙でまたブッシュ大統領(共和党)が再選してしまうと、戦争
の継続は必至で、グローバリゼーションの加速によるさらなる貧富の差の拡大と
環境悪化の結果、私たちと地球のいのちが縮むのは確実です。

“グラニーD”の愛称で親しまれるアメリカの93歳の平和人権活動家のドリス・
ハドックさんは、「反戦運動に携わるみなさんは今回の戦争に怒り、混乱してい
るかもしれない。でも怒りや乱れた心から平和は生まれない。私たちの心をホワ
イトハウスに座っている男に乱させてはいけません。2004年11月に照準を
合わせ、次の大統領選挙では決してブッシュを当選させないように、今から準備
しようじゃないですか。小さいころ世界を救いたい、と思ったことはないですか。

今そのチャンスがやってきたのです。一緒に力を合わせて世界を変えましょう」
と、おっしゃいましたが、まったく同感。彼女は2000年に、アメリカ政府と
大企業の癒着問題を訴えながら、歩いて米国を横断したスーパーおばあちゃんで、
私もあやかりたい賢明で達者な愛情豊かな女性。

米大統領選の勝敗を分けるのは資金力。それで有力なPR会社や広告代理店を雇
い、テレビ広告でより効果的だったほうが勝ちます。

ブッシュ陣営が次期大統領選につぎ込むのは2億ドル。一方、4月15日現在、
デニスの陣営にはたったの14万ドルしか集まっていません。大統領選の指名選
挙(共和党・民主党がそれぞれ候補者を選ぶための選挙)に立候補するには、今
年6月の時点で最低2000万ドル(25億円)が必要なのに、です。

そこで、平和運動に関わるみんなで6月までにこの2000万ドルを集めて、
デニスを支えよう、というキャンペーンがアメリカで始まりました。

残念ながらこれに参加できるのは、アメリカ人だけで、外国人の寄付は禁止され
ています。

でも、私は今回の戦争(というより侵略と破壊)で、つくづくこの地球に住むす
べての人は、アメリカの大統領を選ぶ権利がある、と感じました。アメリカ大統
領の政策次第で突然テロ国家にされ、何の罪を犯していなくても爆弾で殺される
かもしれない。アメリカ人の浪費を支えるために地球環境が取り返しがつかない
ほど悪化して、子供たちの未来が奪われてしまうかもしれない。

だから、私も日本から平和の大統領が誕生するのを後押ししたい。

それなら、と考えました。アメリカ人の友人・知人にデニスのことを知らせるの
です。今のところ平和運動をしている人ぐらいしかデニス・クシニッチのことは
知りません。日本の選挙でも、「OO市のお知り合いをご紹介ください」とハガ
キキャンペーンをやりますが、あれを日本から、世界中から、一斉にアメリカ人
に対して行うのです。メールでもハガキでも、ファックスでも方法は自由です。

大切なのは、デニスが決して金持ちではないけれど平和を求めている圧倒的多数
の世界中の人々のサポートを受けて出馬し、それが話題になり、彼の政策やスピ
ーチがメディアに取り上げられること。現時点では数ある有力民主党候補の中か
ら彼が指名される可能性はほとんどありません。でも、またブッシュ大統領が再
選されるのを黙って見ているのは、私はいやです。はじめから諦めていたら何も
起こりません。

私やあなたを含む平和運動に関わってきた全世界の人々が「アメリカに平和の大
統領を誕生させよう」と願い、行動することで、ひっくり返すことができるかも
しれないのです。

一人一人の力は小さくとも、それを合わせれば奇跡は起きる。夢は実現する。

彼が当選しなくても、彼が民主党で指名を受ければ、あるいは健闘するだけでも、
彼のメッセージや政策やビジョンがアメリカの主要メディアで取り上げられ、
「この(贅沢な)暮らしを守るには戦争(人殺し)も仕方ない」とシニカルに考
える大多数のアメリカ人に大きな影響を与えるでしょう。

デニスのスピーチは、心を打ちます。
彼ほど、全世界の人々の平和や公正さを願い、実行しようとしている大統領候補
は、アメリカにはいなかったと思います。これまでは「アメリカだけがよければ
いい」という人が大統領になってきましたからね。

それに、日本の政策だって永田町じゃなくてホワイトハウスで決められているで
はないですか! 9・11以降、日本政府は永田町ではなくて、ワシントンDC
にあるかのようです。だからこそ、「アメリカに平和の大統領を」キャンペーン。

ここにかける価値があるのです。平和を望む全世界の市民の少しずつの応援で、
それを実現させましょう。

デニス・クシニッチのホームページはこちら:
http://www.kucinich.us/
彼のスピーチはこちら:
http://www.kucinich.us/speeches.htm

彼のスピーチからの短い引用:
"If governments and their leaders, bound by hierarchy and patriarchy,
wedded to military might for legitimacy, fail to grasp the implications
of an emerging world consciousness for cooperation, for peace and for
sustainability, they may become irrelevant.

As citizen-activists the world over merge, they can become an irresistible
force to create peace and protect the planet. From here will come a new
movement to abolish nuclear weapons and all weapons of mass destruction.
From here will come the demand for sustainable communities, for new systems
of energy, transportation and commerce. From here comes the future rushing
in on us."

- Dennis Kucinich

●日本からどれぐらいの人が、何人のアメリカ人にデニス・クシニッチのことを
 伝えたかを集計して発表しますので、私にメールかファックスでお知らせくだ
 さい。
mailto:yumik@awa.or.jp
FAX:0470-97-1215

●アメリカ人の友人・知人への伝え方は自由ですが、少なくともデニスのホーム
 ページだけはお伝えください。
”Please take a look at Dennis Kucinich's website.
http://www.kucinich.us/
I think he will be a wonderful leader of the USA and the world.”とか、
 彼のスピーチをコピーして送るのもいいでしょう。

この件に関する取材・問合せ:
きくちゆみ(0470−97−1011)へお願いします。

愛と感謝をこめて
YES!PEACEのゆみより

●以下の記事の英文が必要な方は、 mailto:yumik@awa.or.jp まで
====================================

「平和省の夢/デニス・クシニッチ下院議員の勇気ある発言」
OPEN-J BOOMERANG 03.01.14号

以下は、オハイオ州選出下院議員デニス・クシニッチのスピーチ。彼のような人
がアメリカの大統領になったら、どんな世界が可能でしょうか。
以下は、彼が1月5日にクリーブランド州でした演説からの抜粋。「平和省」設
立の提唱者で、バーバラ・リー議員らも賛同しています。ぜひ会ってみたいです。
日本にも来ないかしら。
____________________________________

デニス・クシニッチ下院議員の演説(訳・森田玄)

私が描くアメリカとは、単独行動主義の代わりに世界調和を求める国であります。
最初に攻撃するのではなく、最初に手を差し伸べる国。世界のひとびとの重荷を
軽くするために努力する国。援助を乞われたら、爆弾ではなくパンを、ミサイル
ではなく医療援助を、核物質ではなく食料を分配するのがアメリカなのです。

アメリカには世界での役割があります。それは世界の国々と協力して世界各国の
平和を達成することです。それは、不拡散条約の約束をもとに戻し、率先して核
兵器全廃に向うことです。国際秩序を確保する手助けをすること。

国際条約を補強し、順守すること。生物化学兵器と地雷の管理と最終的には撤廃
を保証すること。炭素排出削減のため世界各国と協力して地球の気候を保護する
ことです。

アメリカは世界を守る助けをできます。世界を救う助けができます。しかし、世
界を管理することはできないし、私たちもそれを望むべきではありません。

しかし私たちの政府はアメリカのパワーを支配するために使おうとしています。

その国家安全保障の方針では、アメリカは世界のどこでも好きに攻撃でき、最初
に核兵器を使えるとしています。

我が国は今やイラクへの戦争を国をあげて行うとしています。
イラクはアメリカに対していかなる敵対行為をしていませんイラクは9月11日
のテロ攻撃には責任がありません。9月11日テロ攻撃でイラクとアルカイダを
結び付ける信用できる証拠は何もありません。炭疽菌事件にイラクは責任があり
ません。イラクが使用可能な大量破壊兵器を保有しているという証拠を国連は未
だ確認していません。イラクがアメリカを攻撃できる能力があるという証拠は何
もありません。CIAによれば、イラクはアメリカを攻撃する意志はないが、も
し攻撃されれば反撃すると言っています。

それでは何故、我が国は30万人もの我が若い男女をバグダッドやバスラの市街
戦に送り込もうとしているのでしょうか。なぜ我が国は、イラク破壊のために2
000億ドル以上の、汗水たらして私たちが稼いだ税金を注ぎ込もうとしている
のでしょう。

なぜ我が国は、歴史上かつてないほど強力な軍事力でイラク国民を攻撃し、彼ら
の家やビルを破壊し、水道や送電施設を壊滅し、彼らの食料や医療品の補給を絶
とうとしているのでしょう。

その答えは、石油経済、兵器輸出の利益、歪んだ帝国建設主義を抜きには考えら
れません。

イラクとの戦争は間違っています。しかしもし、イラクとの戦争に突入すれば、
私たちはこの国で平和の種を蒔き始めなければなりません。私たちは立ち上がり、
声を上げ、仲間をつくり、デモに参加し、戦争反対を要求し、戦争を肯定する政
府を止めさせるよう求めなければいけません。

私たちがこの戦争に反対することは緊急な問題です。

それは国家の優先事項を無視するでしょう。社会保障制度を危うくするでしょう。
医療制度を危うくするでしょう。老人への医療補助を危うくするでしょう。アメ
リカがすべての人に仕事や健康医療補助、教育を与えることを危うくするでしょ
う。戦争について政府に批判的なことは非愛国的だと信じる人たちがいます。そ
の人たちは政治的には経済問題を論じた方が利口だと思っています。

しかし、戦争を国家予算から分けて、戦争を経済から分けて、戦争を国民の生活
必需品を供給する能力と分けて考えられるでしょうか。
 
私たちは質問する必要があります:
*イラクの無実の人々の健康と生活を破壊するのに何千億ドルも使うのに、なぜ
アメリカ国民全員に健康医療補助をできないのか。
*アメリカはサダムフセインを引きずり下ろすのに何千億ドルも使うのに、なぜ
自分の国民の退職保険を保護する金がないのか。
*イラクのユ−フラテス川の橋を爆破する金をアメリカにはあるのに、なぜここ
クリーブランドのクヤホガ川に橋を建設する金がないのか。

アメリカがとるべき道は繁栄を導くような平和です。それは経済システムが健全
で、基本的な生活環境や人間の価値を保障するような平和構造を理解することで
す。

これが平和省の夢です。それによって、アメリカが私たちの社会で非暴力を基本
的原則にする第一歩を歩むことができるのです。マーティン・ルーサー・キング
牧師の仕事を現実にすることができるのです。そして戦争自体を過去の物にでき
るのです。

この平和希求と平和創造の倫理によって私たちは宇宙から兵器を降ろし地球に新
しい可能性溢れる天国を創造する仕事を始められるのです。平和と繁栄が新生ア
メリカの2つの柱になるべきです。それが国家の目的として我が国民の経済と社
会の安定をもたらし、そして他の国々の経済と社会の発展をもたらすのです。

この国民の目的を確認することはフランクリン・ルーズベルトとニュー・ディー
ル、リンドン・ジョンソンと偉大なる社会、ジョン・F・ケネディとニュー・フ
ロンティアの夢でした。これは今後も私たちの夢であり続けるでしょう。そして、
どのような暗いときになっても、私たちはアメリカの目的の灯りをさらに高く掲
げ続けるべきです。それがワシントンやジェファーソン、アダムズからリンカー
ンを経て今日までの時代を通して訴えている私たちの使命なのです。

私たち国民は、9月11日の暗黒日やそれに対する政府の対策にもかかわらず、
常により高い使命感を持って来ました。それは危機の時も平和の時も、民主主義
への探究と、自由と公正への探究を維持する使命感です。そのより高い使命感を
私たちは感じることができます。そのより高い使命感が私たちの遺産です。フラ
ンシス・スコット・キーの言葉がいまだに響いています: 
『自由の土地と勇気あるものたちの家の上に、星条旗は未だはためいているだろ
うか?』

この中で彼は自由と勇気との結びつきを祝福しています。民主主義の中に生きる
には勇気が必要だ、と。テロリストに立ち向かい、基本的自由を守るには勇気が
必要です。世界の兵器廃絶に向って進むには勇気が必要です。一方でそれが曲げ
られ破壊をもたらしています。世界の独裁者に対して、彼らを爆弾で黙らせたい
という誘惑を抑えて交渉するには忍耐が必要です。大きな力を持ちながら世界で
それを優しく使うには知恵が必要です。そして生存を賭けて、厳しい生活環境や
抑圧的な政府のもとで自己のつましい生活を送ろうとしている世界の人々の苦し
い状況を理解するには、思いやりが必要です。

みなさん。これはあなたの政府です。その運命をどのように描くのかあなた方に
は発言する権利があります。その権利は私たちの独立宣言から導かれています。

それは自己統治を基本的な権利としました。政府はワシントンDCだけで起きるの
ではありません。それは何千という市、町、村で起きるプロセスの結果です。そ
れはまた、私たちの心に起きるプロセスでもあり、それが国土への愛やお互いの
愛によって生まれるのです。

私がこれらの希望や夢を遂行できるのはみなさんの愛からです。それを勇気を持
って将来に向けてやっていくつもりです。

ありがとうございました。

Prayer For America
Dennis Kucinich

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (6) ―――TUP コーナー「民主主義を返してくれ」サイード他
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★平和のための緊急翻訳チーム Translators United for Peace
(TUP) の新着セレクション。全文を載せると長くなりすぎるため、
今回から題名と“さわり”だけで、バックナンバーURLを示しま
す。他のMLなどで egroups に加入している人ならすぐ読めます。
加入していない人は「ユーザー登録」をどうぞ。
http://www.egroups.co.jp/local/guide/guide2.html

★「TUP速報」はメールマガジンとして配信しています。できた
てホヤホヤの訳稿が読めるので、ぜひ購読を!
→ http://www.egroups.co.jp/group/TUP-Bulletin

★引きつづき翻訳・サイト制作などの協力者もつのります。
 記事は日刊ベリタなどにも転載されるようになりました。
http://www.nikkanberita.com/

★しかし、しばらく紹介しなかったら凄い数だなァ……
 どれもおもろいでっせ〜!

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

●台頭する第二のスーパーパワーの美しい表情
 by ジェームズ・F・ムーア
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/47
(インターネットと社会のためのバークマン・センター/3月31日)

●米アルケータ市、愛国法に反撃する大胆な市条例を制定
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/48
(San Francisco Chronicle, 2003.4.13)

●パンタ笛吹の帝国現地レポート(9)
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/53
(コロラド州ボールダーより/4月21日)

●緊急医薬品の運搬さまたげる官僚主義
 ――クリスチャン・エイドからの現地報告
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/54
(Guardian Unlimited, 2003.4.17)

●「2004 年大統領選挙への取り組みを」
 ――賢明な女性が賢明な言葉で呼びかける
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/55
(by 93歳の米国人平和活動家ドリス・ハドック/2003.4.8)

●アメリカは『第四帝国』になってしまうの?
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/56
(by 元米空軍兵士インディラ・ライ・チョードリー/2003.4.13)

●民主主義を返してくれ
 by エドワード・サイード
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/57
(The Observer, 2003.4.20)

●第二次世界大戦後のドイツ民主化はイラク侵攻の手本にならない
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/58
(Los Angels Times, 2003.4.16)

●ベルギーのNGO「第三世界の医療支援」による緊急声明と請願
 ――「占領軍にはイラクの重大な人道危機について責任がある」
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/59
(SOSイラク・ベルギー@バグダッド/4月16日)

●英国こそ毒ガスと化学兵器でイラクを支配した
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/60
(The Guardian, 2003.4.19)

●フランクス司令官、ベルギーで戦争犯罪者として起訴の可能性
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/61
(truthout.org, 2003.4.26)

●「もしもし!」で簡単につながる
〜一本の間違い電話が結んだ中東の太い絆 〜
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/64
(New Statesman/2003.4.28)

●パンタ笛吹の帝国現地レポート(10)
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/65
(コロラド州ボールダーより/5月1日)

●イラクはイラク国民のもの?
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/66
(The Guardian, 2003.4.30)

●女性はどこ?
 サダムが去って男の支配が強まりそうなイラク社会
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/67
(The Guardian, 2003.4.25)

●オスカル・ロメロ賞授賞式基調スピーチ
『平和と公正を称える』――スーザン・ソンタグ
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/68
(ZNet, 2003.4.27)

●英国軍の方が、実はまし
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/69
(New Statesman, 2003.4.28)

●だれがメディアを所有するかを心配する理由
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/70
(MoveOn.org, 2003.5.2)

●帰還兵士の健康検査問題
 ――独立系サイトの意見広告でペンタゴンが方針転換!?
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/71
(TomPain.com, 2003.4.30)

●『ダライ・ラマ法王、戦争一般とイラク紛争を語る』
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/72
(大祈願祭法話@インド・ダラムサラ/3月11日)

●アフガニスタンの首都で、初の反米デモ
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/73
(CommonDreams.org, 2003.5.6)

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

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 購読は無料です。

●オンラインで購読登録したのに二重に届くという方はご一報くだ
さい。melma! のオンライン登録だと購読者がわからないようになっ
ているので、ぼくのアドレス帳からも直接お送りしてしまう場合が
あります。
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星川 淳(作家・翻訳家/屋久島環境政策研究所)
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 http://www.01.246.ne.jp/~aoyama/table-contents1.html

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