amanakuni Home Page | なまえのない新聞ハーブ&アロマテラピー | 八丈島の部屋

HOT NEWS

★ 星川 淳@屋久島発 インナーネットソース #41 [03.03.26] ★

>>> 目次
(1) 脂を盗む者
(2) そんな思いが戦争を呼ぶんだ!
(3) 英国から見える残虐
(4) アメリカの本音「日本は完全に米政府の支配下」
(5) ピース・テント「悪法おだぶつ村」
(6) TUP コーナー「イラクのカトリック尼僧からブッシュへ」他

★世界中の人たちがイラク問題で爆発的に発信しはじめました。
 街々を埋めた1500万人のデモンストレーションが、ネットで
も熱く飛び交っています。ご紹介したいものがみるみるたまってし
まうので、どんどん行きます。前号の酷い写真、非難轟々を浴びる
覚悟で紹介しましたが、いまのところ許していただけたようです。

★トマホークは1発7000万円、バンカーバスターは2000万
円弱。報道ではもう2000発使われたそうですから、500億円
は超えたでしょうか。IAEAの年間通常予算(査察活動だけでな
く全体の予算)の約2年分、日本がイラクに対して1998年まで
の間に行なってきた経済援助の累計総額600億円に近づいていま
す。この数字だけでも、大量破壊兵器をなくすには武力侵攻より査
察のほうがずっと効果的なのがわかります。査察は人を殺さないし……
(参考:イラQウェブより http://nowariraq.jca.apc.org/

★あいかわらず、テレビを見てはアメリカ大本営発表のマスコミ報
道に腹わたが煮えくり返る思いですが、従軍報道に入った良心的な
記者からも「なんにもできない!」と悲鳴が聞こえてきます。

 ひとつどうしても気になるのは、湾岸戦争あたりから定着してき
た「空爆」という言葉。これは爆弾を落とす側の言い草ではありま
せんか。爆弾の下にいる人たちの気持ちになったら、古臭いけどやっ
ぱり「空襲」でしょう。こういう微妙な“洗脳”にも負けたくない。
(ずっと感じていたら、どこかのMLで同じ意見の方がいました。
無断転用ごめんなさい!)

★ロシアの「モスクワのこだま」ラジオによると、チェイニー米国
副大統領の娘エリザベス・チェイニーさんが人間の盾としてイラク
入りするため、ヨルダンのアンマンに到着したそうです(22日)。
 本当ならビッグニュースですね。
 娘もネオコンには愛想が尽きたか?
http://www.eforum.jp/shihou/article1.html
→(ロシア語出典)http://www.echo.msk.ru/7news/index.html#det_4
Echo of Moscow Radio reported at 9:08 PM, March 22

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (1) ―――脂を盗む者
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★湾岸戦争後、家族で出していた『LIVEGreen 地球生活誌』第3号
に「ワシーチュ:脂(あぶら)を盗んだ男」という訳文を載せたこ
とがあります。筆者はラルフ・ネーダーと組んで米国「緑の党」か
ら大統領選に出馬したこともあるアメリカ先住民アニシナベ族の女
性社会活動家ウィノナ・ラ・デューク。文章は“地球の再生”に向
けた先住民文化と女性の役割を論じたものですが、結びにこんなエ
ピソードが紹介されていました。ちっとも変わっていないような……

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

 ラコタ語では白人のことを「ワシーチュ」(wasichu)といいま
す。ラコタ族の人びとがはじめて白人を見たのは、ずっと昔、ある
飢えた男が冬のさなかに野営地へやってきたときでした。その男は、
何かを盗むと逃げていきました。何を取ったのか調べてみると、驚
いたことに肉ではなく脂身の部分だったのです。ワシーチュとは
「脂身を盗む者」という意味です。これこそまさに、工業化社会の
問題を集約した言葉といえるでしょう。

Earth Island Journal, 1991 Winter より(翻訳:星川)

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (2) ―――そんな思いが戦争を呼ぶんだ!
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★バグダッドに残って、現地からの発信を続けるフリージャーナリ
スト久保田弘信さんの「イラク日記」。生身・捨て身の報告をぜひ!
http://m17n.cool.ne.jp/kubota/2003/iraq8

 許可を得て抜粋引用します。久保田さん、どうぞご無事で!

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼
(3月22日のエントリーより)

こちらが何とか生き延びた状態なのにこんなメールが来ました。こ
ちらが激しい空爆の中ようやく生き残ったのに、イラクにいないで、
ニュースだけで判断しないで、欲しい。誰も死ぬ気でなんか来てな
い。空爆の恐怖を経験していない、現地のイラク人と話していない、
そんな人たちにものを語る権利はない!

> サイトを見たところ英雄気取ってますが
> 大半の日本人の反応は「勝手に死ね」といったところです。
> ネットコミュニティーではすっかり笑いのネタにされていますよ。
> どうせ死ぬ気がくせに[原文ママ]わざわざイラクいくよりは
> 日本にいて北朝鮮のミサイルへの人間の盾してください。

北朝鮮のミサイルから日本を守る?
日本だけでいいのか?
そんな思いが戦争を呼ぶんだ。

確かにイラクの現政権は良くない。しかし一般市民には何の罪も無
い。イラクの人ももちろん日本の人も世界中どこでも命の価値は一
緒だ。日本だけ守ればいい、そういう考えが戦争を生むんだ。

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (3) ―――英国から見える残虐
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★女性冒険家として名高い高野孝子さんが“気刊”メールニュース
の最新号で、滞在中のイギリスの様子を伝えています。高野さんと
は『非戦』の本づくりでもご一緒しました。許可を得て転載します。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 高野孝子のメール「地球日記」
 2003−02
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

英国から見える残虐

 3月23日、英国の新聞の一面の写真。見下ろしている二人の英国兵士の顔が
こわばっている。何を見ているのかと、上下二つ折りになっていた新聞を広げ
た。兵士の足下には長さ二メートル足らずのざんごうが掘られ、そこに二人の
イラク兵士の遺体があった。ヘリコプターからの激しい銃撃を受け、二人とも
首から上はすでにない。薄茶色をした辺りの土に脳みそと思われる赤い塊がへ
ばりついている。体がようやく入るような細長い穴の中で二人の体はつぶれて
いた。遺体の一つと塹壕の土壁の間には、降伏の意志を示す白い旗が直立し、
音なき二人の男性の最後の意図を伝えていた。

 「銃の照準を合わせた先が一人の血の通った人間で、親も子どももいるとい
うことを考えないんですか」とテレビのインタビュー。兵士が答えた。「銃を
向けたらそれは標的。人間だと思いません」

 別の新聞の一面には泣き叫ぶ幼児の写真があった。ピンクのかわいらしい上
着に包まれているが、柔らかそうな右腕は三角巾で首からつるされ、顔の右半
分が耳まで焼けただれ腫れていた。抱きかかえている母親の表情はわからな
い。たった今見たばかりのテレビの映像では、足先からあごまで重度の火傷を
負い病院のベッドで叫んでいる赤ん坊を写していた。大人が数名、懸命に体中
に薬を塗ろうとしている。このぼうやは明日には生きてはいない。他にもぼう
ぜんとした表情の5歳の少女。家の近くで爆発したミサイルの破片が家の窓や
壁を突き破って小さな足に突き刺さった。それはせきづいにまで到達し、彼女
の左足は二度と動くことはない。頭から体から血が流れ全身血まみれのまま、
痛みに耐えながら目も開けられずにうつむいて座っている老人。頭の後ろ半分
を吹き飛ばされた少年の映像・・・。

 「戦争の本当の姿は軍事的勝利でも敗退でもない。ましてアメリカとイギリ
ス、少数のオーストラリア軍だけが行っている侵略行為を連合軍と呼ぶうその
中にもない。たとえ国際政治で認められた戦いであったとしても、結局実際の
姿はひどい苦しみなのだ」と長く紛争現場から報道しているジャーナリスト、
ロバート・フィスクが3月23日付けのインデペンデント紙に書いている。

 私が暮らす英国は、国民の多くが反対や疑問を表明する中、政治家たちの判
断でアメリカと共にイラクに武力攻撃を開始した。3月上旬には英国民の8割
が、国連決議がない戦争は指示しないとしていたが、数日前のさまざまな調査
では声はほぼ半分に割れている。「戦争は始まってしまった。英国の兵士たち
が命がけで戦うのをサポートしないわけにはいかない」という声が多い。もち
ろんブレアの議論に納得し賛同している人たちも少なくない。英国からは4万
5千人の兵士がこの戦争のために派遣された。18歳になったばかりの青年を
始め圧倒的に若い人たちが多い。バグダットを空爆し続けているB52もイギリ
スから出ていく。イラクの人たちは、B52が飛び立ったというニュースをアラ
ブの放送局アルジェジーラで聞き、それから6時間後の空爆を計算する。自分
たちの頭上に爆弾が落とされるかもしれない恐怖の中に彼らは今暮らしてい
る。

 バグダッドに住む17歳の少女の日記が新聞に載っていた。部屋の壁には
ディカプリオの写真や楽しげなカードが張ってある。映画や音楽の話が好き
な、隣にでも住んでいそうな当たり前の少女だ。もうじき英語の試験だ、いい
成績を取らないと、と彼女は心配している。親友が家族ごとダマスカスへ非難
するというので抱きあって別れを泣いた。二度と会えないかもしれない。「ブ
レアとブッシュはどうしてこんなことをするの、私たちが彼らに何をしたの?
私たちは平和が欲しい。戦争ではない」。掲載されていた日記の最後の22日
にはこう書いてあった。「今日も眠れなかった。午前2時にベッドに入ったけ
れど、怖くて、そしてものすごく疲れていた。遠くでまた爆発音がした。そし
て今度はまたすぐ近くで。昨晩、お母さんと思い切って部屋を出て台所の窓か
ら外を見てみた。空はただ赤かった。赤くて赤くて、ひたすら真っ赤だった。
私たちの美しい国が。どうして彼らはこんなことをするの?」

 テレビからイラクの人たちの生の声を聞くことはなかなかできない。新聞も
部外者の目だ。かつニュースで伝えられることは当然各国や各社の操作が入っ
ている。人々はどんな気持ちで何を見ているのか。インターネットから一般市
民の目線の情報が伝わってきた。誰も本当の正体を知らないけれど、バクダッ
ド近郊に暮らす29歳の男性サラムがインターネットで日々をつづっている。バ
グダッドの様子や市民の暮らしに私たちをぐっと近づけてくれる。
 「今日(23日)父と弟が街の様子を見に行った。彼らに言わせると兵器は
確かにかなり正確にあたっているらしい。でもミサイルや爆弾が炸裂するとき
にあたり一帯を潰してしまう。アルサラム宮殿(シャハフ情報相がジャーナリ
ストを連れってった所だ)の近くの家々の窓は全部割れていて、ドアも吹き飛
び、一つの家は屋根まで崩れていた。でもこれが二次的被害ってやつで、それ
ならいいんだっけ?」。
 英語だが、URLはhttp://www.dear_raed.blogspot.com

 ブレアやブッシュが言うほど、イラクの人たちはこの戦争によって「解放」
されるのを待ち焦がれているのだろうか?サラムはバクダッドの美しい建物が
火に包まれるのを映像で見て「むなしくて涙が出た」と書いている。17歳の少
女の日記からもこれで一生が終わりかもしれないという気が狂うような恐怖が
伝わってくる。新聞の報道でも「ここは自分たちの国だ」というメッセージが
多い。「サダムを追放するという話を聞いて喜んだ」というクルド人でさえ、
アメリカ攻撃によって伯父を亡くし「サダムが自分たちを攻撃したときには理
由があった。自分たちが政権に反乱して立ち上がりイラクの兵士を殺したから
だ。けれど自分たちはアメリカに何もしていない。爆撃で死んだ自分のおじさ
んはとてもいい人だった。誰を傷つけたこともない。アメリカはなぜこんなこ
とをするのだ」と怒りを抑えられずにいた。

 こうしている間にも、安全な水を断たれて人々は死んでいく。人口の6割が
頼っている食料援助が入らずに飢えていく。人々は仕事ができず、育てた作物
が腐っていく。赤十字も国連事務総長も、イラン南部の都市が「人道的大惨事
の一歩手前にある」と警告している。それすら力づくで解決しようとしている
米英は、国民が彼らを歓迎することを前提にしている。サラムは白旗をあげて
ひざまずくイラン兵の映像を見ながら、そうするほうが彼らのためなのはわかっ
ているけれど、何か心の奥の方で苦いものがわきあがると書いている。イラク
の国家主義、民族結束はよく知られている。米英はこうした爆撃の後に本当に
イラクの人々の心を得ることができるのだろうか。サダムがいなくなっても、
自分の足がまひし顔には火傷のあとが残り、大切な子どもを亡くしても、その
人は幸せだとにっこり笑うだろうか。それが「少数」なら「成功」なのだろうか。
誰のための「成功」なのか。

 アフガニスタンが復興したとはお世辞にもいえない。道端では殺人、レイプが
レポートされている。爆撃はまだ続いている。この後本当に世界は安全になるの
か。少なくとも今は、この紛争によって中東は極めて不安定になっている。エジ
ンバラにも武装した警官が数を増した。これは安全なのか、危険の印か。

 ラジオでは英国人ジャーナリストがバクダッドの街に出た時の様子が報道さ
れていた。人々がとにかく暖かく楽しいという。「英国人の自分にどうしてこ
んなに親切にしてくれるの」と聞くと、その初老の男性は「君たちも独裁者の
下で生きているんだろう。我々の国を攻撃することも君にはどうしようにもな
いに違いない」とにっこり笑ったという。人口6000万人の国で100万人
以上が抗議の行進をした後でもそれをまともに考慮しない現英国政権を民主政
治を呼ぶのかどうかわからない。ブレアはこれを「リーダーとしてなすべきむ
ずかしい決断」と言った。

 テレビ画面に映されるバクダッド空爆の生中継に私は戸惑う。9.11の映像と
重なる。ウム・カッサールの銃撃戦のライブ、発射した爆弾が命中して歓声を
上げるアメリカ海兵隊員。イラクの戦車に爆撃して猛烈な煙があがった映像を
見ながら「これが成功した爆撃の例です」と言うアナウンサーに吐き気がした。
戦車には人間が乗っているのだ。兵士たちの誰一人として死にたくないだろう。
自分たちで望んだ戦争ではない。少なくともイラクの人たちにとっては侵略者
に対する自己防衛だ。安全な場所に自分の身を置きテレビの画像を見ながら、
あの炸裂の中の苦しみを想像できないアナウンサーの人間性が恐ろしかった。
爆破された戦車の中にいた人と、その人につながる人々の苦しみを「成功した
爆撃」というセリフで引き換えにできるものだろうか。

 戦争になったら数万人の犠牲者が出るのではという記者からの質問を受けて、
ペンタゴンはせいぜい一万から一万5千人だと答えた。それだけ殺してもよい
という前提だ。9.11で死んだ人間の数は2801人だ、もし数が問題なのだとした
ら。イラク市民一万人の命は価値がないのだろうか。水や食料が断たれたり、薬
が切れたり病院に行けないなどの間接的犠牲者のことも忘れてはならない。軍
事的に圧倒的に有利にありながら、降伏の旗を上げている兵士たちまで惨めに
死んでいることも。

 22日青空の下、私が暮らすエジンバラ市の反戦集会に出かけてみた。驚い
た。小さな子どもなら自分の意志ではないだろうが、12,3歳の子どもたちが
たくさんいた。自分たちで作ったバナーを持ったり、Tシャツにメッセージを
書いたりしてあった。8歳くらいの少女が「爆撃を止めよう」というビラを私
にくれた。英国では過去1ヶ月、子どもたちが昼に学校を抜けて反戦デモを行
う動きがどんどん大きくなっている。阻止しようとする学校もあれば、無断欠
席扱いだが意見の表明の自由は認めるという態度の所もある。もちろん遊びで
加わる子どももいるだろうが、多くはまじめに考え、この戦争は間違っている
と主張する。学校では授業中に今回の戦争をテーマにさまざまな角度から議論
をしているらしい。小学2年生の授業でブレアに意見書を書いたところもある。
子どもたちの中でデモクラシーとは何かをまともに考えるきっかけになって
いるに違いない。

 エジンバラのデモではムスリムもカトリックもいた。パキスタン人も中東や
アフリカ出身の人たちも東洋系も。パレスチナの旗を持っている人が目立っ
た。英国政府はもっとも肝心な問題に向かっていないという不満が人々の中に
ある。広場いっぱいに集まった数は数千人。在エジンバラのイラク人、クルド
人らもマイクを持って訴えた。イラクに家族が暮らしている。彼らは恐怖に脅
えている。電話で毎日泣いている。爆撃を戦争を、このテロをやめて、と。ド
ラムや笛などの鳴り物と一緒に行進が始まった。いったいどこにいたのだろう、
どんどんと人数が膨らんでいった。途中、道を歩いている人たちと会話がある。
「この国の兵隊さんが命をかけてるのよ、そんなばかなことしないで応援しな
いと」「その人たちがこの無用な戦争で犬死にしないうちに戻ってきてもらい
ましょう」などとやりとりがある。
 「ブッシュ、ブレア、CIA、今日は何人子どもを殺したの?」とラップ調に
歌いながら行進する。他にも「ジョージ・ブッシュ、知ってるよ。あんたの父
ちゃんも殺人者だったね」「これがデモクラシーってやつらしいよ、デモクラ
シーってのはこんな感じがするもんだよ、」。
 歌いながら平和に行進は続きアメリカ領事館、スコットランド政府首相官邸
などにアピールした。平和的とは言っても主要な道路が封鎖されるので大きな
交通妨害ではあった。6歳くらいの少年があどけない口調で「ブッシュ、ブッ
シュ、テロリスト」と他に合わせて歌っているのを聞きながら、アメリカや英
国が将来にわたって支払うコストを軽く見てはならないと思った。

 警察発表では4-5000人のデモだったというが、1.5キロの道路を埋め尽くし
ていた様子からすると一万人近くはいたのではないだろうか。人口比でいうと
東京でなら40万人のスケールとなる。同じ日に英国のあちこちでデモがあ
り、全体では20万人以上が反戦を訴えて外を歩いたそうだ。ブレアは国民の
団結を求める演説をしたが、イラクが英国にとって直接かつ緊急の脅威だとい
う説明に納得していない人たちは多い。しかも査察団長があと何ヶ月か時間が
あれば自分たちの仕事を完遂できるという見通しを持っていたのに。武力行使
の目的は大量破壊兵器を取り除くことだったはずが、いつのまにかサダム追放
になっている。いつのまにか「多少、人が死んでも」今の政権が転覆したほう
がイラクの人のためにいいという話になっている。首を傾げる人は多いが、英
国は野党である保守党が戦争支持で、逆に与党の内部が割れている状態なの
で、国民は党への投票という形では自分の意見を反映できなくなってしまっ
た。

 今やほぼ半数の国民が戦争支持という数字と、現地から自信たっぷりに繰り
返される勝利の報道で、政府は何とかこのまま乗りきりたいという姿勢だ。し
かし私が参加したデモでは、人数は以前よりも少ないにせよ人々の意志とエネ
ルギーは衰えていなかった。しかも数日前に外務大臣付きの法律顧問が辞任し
た。彼女は30年間も政府の顧問をしており、公のコメントはないが、イラク
に戦争をしかけることが合法だという立場にくみすことができなかったからと
されている。英国にはイスラム教徒が数十万人いるとされる。イラク人や中東
出身者も多い。歴史的なつながりも深い。戦争が長引くほどこの行為に疑いを
深める人たちが増えるだろう。英国兵士が死んだりケガをすればそれだけ、国
民も苦しむだろう。もともとイラクの人たちを憎んでいるわけではないし、と
てつもなく脅威であるはずのサダム・フセインも英国に対して何かしたことが
あるわけではないのだから。

 最後に一つだけ紹介したい。「体験を通して平和を考える教育者のネットワー
ク」というものがある。これもインターネットのつながりだ。そこにアメリカ
人が爆撃開始前に書きこんだQ&Aの幾つか抜粋する。

15. Q: 9.11のテロ攻撃とイラクとの間に立証された関係はあるか?
  A: ノー
16. Q: 湾岸戦争時の推定市民犠牲者数は?
  A: 35000人
17. Q: 湾岸戦争時にイラクの攻撃によって起きた西側での犠牲者数は?
  A: 0人
18. Q: 敗退するイラク兵のうち何人が、アメリカの戦車によって生き埋め
にされたか? 
 A: 6,000人
19. Q: 湾岸戦争の後、イラクとクェートに残された劣化ウランの量は?
  A: 40トン
20. Q: 国連によると、1991年から94年の間のイラク人のガン発生率はどれ
だけ上昇したか?
  A: 700%
21. Q: 1991年にアメリカはイラクの軍事力の何割を破壊したと宣言したか?
  A: 80%
22. Q: イラクが戦争阻止や自己防衛以外の目的で武器を使用する計画を
持っていた証拠はあるか?
 A: ノー
23. Q: イラクは10年前よりも世界平和にとって脅威を与えているか?
A: ノー
24. Q: イラクに攻撃した場合にペンタゴンが予測している市民の死亡者は
何名か?
  A: 10,000人
25. Q: そのうち何割が子どもか?
 A: 50% 以上

 まだまだ続く。これも英語だけれどURLは:
 http://www.wilderdom.com/PeaceExperientialEducation.htm

 本当はこのメールでは、英国にいて入ってくる情報を、イラク情勢が気にな
っているだろう人たちにかいつまんで紹介しようとだけ考えていた。
 けれど、白旗を上げながら頭を吹き飛ばされて死んでいるイラク兵の写真を
見た時に、やはりこの戦争は間違っているとはっきり声を上げたいと思った。
日本の報道でも使われているかもしれないが、その写真を掲載した新聞のイメ
ージをたまたまあと数日ウェッブで見ることができる。本物の新聞ほど詳細が
見えないので怖くはないと思う。http://www.scotlandonsunday.com/ 
画面右わきのコラムの一番上をクリックしたら大きくなる。

 「重要だと思うことに対して沈黙する日に、我々の人生は終息に向かう」と
言ったのはマーチン・ルーサー・キングだった。

        英国エジンバラにて  3月25日 高野孝子

*デモの様子はQuickTimeを使って以下でご覧いただけます。ADSLやcableTV経由
でネット接続している必要があります。
 rtsp://www.ecoclub.org:554/edin_demo.mp4
*ウェッブでは写真入りで見ていただけます。www.ecoclub.org

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (4) ―――アメリカの本音「日本は完全に米政府の支配下」
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★国会議員発行メールマガジン公式統合メルマガ「EzVOICE」に、
こんな興味深い編集後記が(3月24日付 NO.126 より抜粋)……
http://www.ezvoice.org/

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

  愚  言            EZVOICE 代表 後藤善孝

アメリカ人の友人(NY在住)より久々にコンタクト。米政府の重
要な地位にある高官との会食でその高官(氏名伏せる)は「日本は
所詮、臆病者であり、日本がいかなる態度でイラク問題に臨み、そ
れを説明しても表向きは聞いているふりをするが時間の無駄。これ
は大統領も同じ認識である。寧ろいま、戦略上は韓国がより重要で
ある。だから、日本よりも先に韓国に攻撃開始時間をより高い地位
にあるものが韓国大統領に伝えた」といい、更に、「(米国)政府
内部にある日本の核武装論も空理ではない。日本は完全に米政府の
支配下にあり、コントロールできるからアメリカにはリスクはない」
と本音トークをしたとのことである。

ことの真偽はともかく、これを知ると日本政府、就中、外務省(外
相)が国会で説明できない、或いは、説明の整合性がみられないの
は当然のことであると妙な感慨を持った。

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (5) ―――ピース・テント「悪法おだぶつ村」
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★非戦チームメイト&パレスチナ子どものキャンペーン理事の大河
内さんからのお知らせ。大河内さんは僧侶で、お仲間のお寺のイベ
ントとのこと。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

【〈反戦と表現の自由〉大爆発! ピース・テント 悪法おだぶつ村】

■日時 3月27日(木)〜30日(日)

■場所 浄土宗「光源寺」(通称:駒込大観音)
   ・東京都文京区向丘2-38-22
   ・地下鉄南北線本駒込駅下車徒歩4分
   ・地下鉄千代田線千駄木駅下車徒歩8分

光源寺の地図
http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.43.15.654&el=139.45.34.358&fi=1&la=1

■呼びかけ 個人情報保護法案拒否!共同アピールの会
http://bustersjapan.org/

■主催 悪法おだぶつ村実行委員会

■賛同団体(3月23日現在)
 日本出版労働組合連合会
 出版流通対策協議会
 沖縄県マスコミ労働組合協議会
 ユニオン出版ネットワーク
 月刊「創」
 命どぅ宝ネットワーク
 琉球センター・どぅたっち

 ※募集中=一口1000円
 郵便局口座番号
 00190−8−(右詰め)561285
 共同アピールの会

■料金
ブックレット『個人情報保護新法案を拒否する!』
(1000円)をご購入いただきますと、
期間中、テント内の出入りが自由となります。

■テント提供
 野戦の月・独火星
http://www.gws.ne.jp/home/ii/yasen/index.html

■趣旨
 戦争が始まった。
 巨大な〈アメリカ帝国〉が、かつてみずからが裏で操っていた
独裁小国イラクに襲いかかっている。
 たくさんの人間が死に、傷ついていく。
 気にくわなければ、圧倒的な軍事力で片をつける
       ――ブッシュ政権のこの横暴に、私たちは反対する。
 小泉政権はアメリカの戦争政策を支持する、と言明した。
 私たちは〈帝国〉の〈パシリ〉となった小泉政権の無分別を強く
批判する。

 電子テクノロジーを駆使して一人ひとりの人間を監視し、強制
力を背景に危機を管理し、治安を維持する――
 この勢いが、日本でも強まっている。
 その手はじめが「個人情報保護法案」と「住基ネット」だ。
 個人情報保護(修正)新法案は言う。「あなたには、行政機関
にあるあなた自身の個人情報を管理する権利はない」
「行政機関を監視する第三者機関は設置しない」
「民間の個人とNPOと企業は、他人の個人情報をある程度使っ
ていれば、誰もが個人情報取扱事業者である」
「あなたは、主務大臣(警察)の助言・勧告・命令に従わなけれ
ばならない」
「従わなければ、懲役6カ月か罰金30万円に処す」
 これは、政府と行政が、住基ネットを中心に個々人の個人情
報を一方的に管理・監視するということだ。
 これは、政府と行政が、パソコンやケータイを使って個人情報
を扱っている個々人を監視・監督するということでもある。
 こんな法律ができてしまえば、表現の自由はなくなってしまう。
 民主主義は息絶える。

 グローバルな規模で、力ずくの無法がまかり通っている。
 この国でも、力ずくの悪法が国会を通ろうとしている。
 ふたつは、ひとつだ。
 一方が他方を規定し、他方が一方を補強する〈政治文化〉と
なって、世界と日本を覆い尽くそうとしている。
 私たちはこの現実を拒否する。
 私たちはこの現実を押し返したい。

 では、具体的に、私たちは何をするか。
▼駒込大観音に巨大ドームテント+屋台を設置
▼個人情報保護(修正)新法案の廃棄を求めるハンスト
▼ブッシュ政権と小泉政権を徹底批判する大討論会
▼反戦と戦争即時停止を求める徹夜ティーチイン
▼北朝鮮問題を独自に考え抜く〈在日〉たちをまじえた論戦
▼住基ネットの危険を読み解き、引導を渡すシンポジウム
▼マスメディアの意地と臆病をえぐり出す記者・編集者全開無修正トーク
▼反戦と表現の自由を語り、歌い上げる各種のイベント
 などなど、である。

■プログラム

●3月27日(木)
14:00〜15:30
 【個人情報保護新法案を拒否する!記者会見】

15:30
 【個人情報保護法案の廃案を求めるハンスト突入】
 ・48時間予定

19:00〜22:00
 【イラク「人間の盾」になりそこねた面々大集合!】
 ・平野悠(ロフトプラスワン席亭)、木村三浩(一水会)、
鈴木邦男(評論家)、塩見孝也(評論家)、パンタ(ミュージシャン)、
雨宮処凛(作家)、沢口友美(反戦ストリッパー)

●3月28日(金)
14:00〜17:00
 【編集者の学校〜メディアはどこまで闘えるか?】
 ・元木昌彦、『世界』『フライデー』『オブラ』『サンデー毎日』
編集長+吉田司(作家)、井家上隆幸(エッセイスト)ほか

19:00〜22:00
 【討論会〜ブッシュ・小泉・悪法の墓場はどこだ!】
 ・金子勝(慶大教授)、アンドリュー・デウィット(立大助教授) 、
設楽清嗣(管理職ユニオン)、吉岡忍(作家)

●3月29日(土)
12:00〜14:00
 【春爛漫祈りと怒りで胸騒ぐ/句会歌会の宴】
 
14:30〜18:00
 【住基ネットおだぶつ会議】
 ・マッドアマノ(パロディスト)、斎藤貴男(ジャーナリスト)、
佐藤文明(戸籍研究家)ほか

18:30〜19:00
 【火吹き男、世界の闇を照らす】
 ・BOMBO BOMBO G.

19:00〜22:00
 【討論会〜朝鮮半島を火薬庫にするな!】
 ・姜尚中、崔洋一、梁石日ほか

22:00〜翌朝
 【イラク攻撃反対!私たちに何ができるか?
             朝まで、反戦ティーチイン】
 ・司会/星野ゆか、海南友子、岡本俊之(Chance!pono2)
 ・深夜映画上映(秘密)

●3月30日(日)
12:00〜14:00
 【この現実をひっくり返す映像の力】映画上映
 ・『悪法の枢軸を撃て!』監督:小金澤ナイフ
  〜「個人情報保護法案拒否!共同アピールの会」ドキュメント〜

14:00〜15:30
 【「法の支配」がこの現実を支配するために】
 ・梓澤和幸、五十嵐二葉、海渡雄一、内田雅敏、山口貴士(全員弁護士)

15:30〜16:30
 【路上の風が吹く“美しき天然”の世界】 大道芸・音楽
 ・亀ちゃんのお一人ぼっちサーカス(亀田雪人)
 ・大熊ワタル/フローティング・ヂンタ・オーケストラ

16:30〜18:00
 【インターネットが危ないって本当ですか?】
 ・山本夜羽、宮本春九堂、ほか

18:00〜18:30
 【総括=<反戦と表現の自由>大爆発!ピーステント 悪法おだぶつ村】

18:30〜19:30
 【演劇、大反戦を叫ぶ】芝居
 ・月蝕歌劇団「ドラマチックライブ/ネオ・ファウスト地獄編より」
  演出:高取英、音楽:J・A・シーザー

19:40〜21:30
 【おだぶつ村テント大爆発コンサート】
 ・ATOM 
 ・三上寛
 ・寿
 ・TETSUYA/AND SUN SUI CHIE

皆さま、お誘いあわせのうえ、お越しください!

2003年3月
個人情報保護法案拒否!共同アピールの会
http://bustersjapan.org/

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
>>> (6) ―――TUP コーナー「イラクのカトリック尼僧からブッシュへ」他
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★平和のための緊急翻訳チーム Translators United for Peace
(TUP) の新作セレクション。もうすぐ「速報」のメルマガ配信態勢
が整いますが、とりあえずDM配信希望は菅原秀さんまで。
→ schu@io.ocn.ne.jp

★引きつづき翻訳・サイト制作などの協力者もつのります。
 記事は日刊ベリタなどにも転載されるようになりました。
http://www.nikkanberita.com/

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

------------------------------------------------------------------
> イラクのカトリック尼僧によるブッシュ大統領とアメリカ国民への手紙
------------------------------------------------------------------
2003年 3月14日

キリストの愛と平和はあなたとともに

この手紙は、アメリカ大統領ではなく、一人の人間としてのブッシュ大統領とア
メリカ国民のみなさんへ宛てたものです。クリスチャンとして、みなさんは愛と
憐れみの心をお持ちのことと思います。明るい未来もなければまともな生活も送
れずにいる子どもたち、老人、若者を気の毒にお思いになるでしょう。私たちイ
ラク在住のドミニコ会の修道士・修道女は、イラクの人々とともにその苦しみを
分かち合っています。過去23年に2つの悲惨な戦争を経験したイラクは、非常
に困難な状況にあります。もし、ブッシュ大統領が新たな武力攻撃を開始すれば、
大惨事をもたらします。イラクの人々を被っている危険は、みなさんにも感じて
いただけるものと思います。だからこそ、世界中で何百もの人々がデモを行い、
手紙を書き、ブッシュ大統領に武力攻撃をしないよう圧力をかけようとしている
のです。

ブッシュ大統領は動物の権利を擁護しています。私たちは動物以下でしょうか。
大統領は、イラクの人々の人権を守ろうとしているのだと言っています。新しい
イラク政権を樹立したいのです。米国民や周辺国の人々に対しては、攻撃の対象
は軍部と兵器だけだと言っています。民間人には何の危害も与えないと約束もし
ています。人々には花をまこうとでもいうのでしょうか。大統領が使おうとして
いる大量破壊兵器は、文化にも、国土にも歴史にも壊滅的な打撃を与え、老若男
女罪もない何千人もの人々を殺すことになるのです。

イラクにいらしたことのある一部の方はご存じかと思いますが、軍のキャンプは
民間の人々の家のすぐ近くにあります。私どもの修道院は2箇所、軍のキャンプ
の始まるあたりと、キャンプ地の終わる部分にあります。そう考えると、爆弾で
死ぬのは兵士でしょうか、一般の人々でしょうか。人々は恐怖と混乱、そしてこ
の上ない不安の中で生活しています。苦しみのタネは軍による戦争だけではあり
ません。ブッシュ大統領が始めた非人道的な脅しという一般の人々に対して仕掛
けた別の戦いからくる異常な心理状態にも苦しめられているのです。私たちは、
いつくるかも知れない即死という事態をじっと待たされているのですから。明日
の運命をも知れない今、私たちは毎日、今日命があることを神に感謝しています。
新たな戦争の悪夢は、いつでも、どこでも、私たちにとりついて離れることはあ
りません。

神は自由な人生を、貴重な贈り物として私たちにくださいました。ブッシュ大統
領は、なぜそれを取り上げ、自由を奪おうとするのでしょうか。小さなこどもた
ちも、こうした脅威に耐えかね、緊張状態に耐えられず、絶望している今の状態
は、とても想像がつかないでしょう。子どもたちが、「いつ戦争になるの」と聞
いてくるのです。

あなたは騙されているのです。そして、私たちはといえば、アメリカのメディア
という、最大のうそつきにつかまってしまったのです。ここにいる子どもたち、
女性、そして人々は栄養失調と飢餓で死んでいきます。こうした飢餓は非人道的
な制裁措置によって引き起こされたのです。制裁措置が原因で亡くなった人は、
すでに150万人にのぼります。その大半が女性と子どもです。

アメリカの若者たちは、この一瞬にも死ぬかもしれないという状況になったこと
がありますか。もしそんなことになったら、爆発してしまうのではないでしょう
か?

なぜアメリカ人には平和に安全に、繁栄のなかで暮らす権利があるのでしょう。
アメリカ人の命は、イラクのような他の国の人々の命より価値があるのでしょう
か。

3月15日(土)、大学生たちは互いにさよならと手を振り会って、戦争の準備
に散っていきました。勉強どころではありません。学生たちは失望していますし、
一番希望から遠いものしか彼らの希望はないのですから、仕方がありません。
2日前まで、安全と平和を夢見ることも出来ましたが、暴力と苦しみと恐怖に囲
まれている今となっては、もうその言葉の意味も分からなくなってしまいました。
最後に、私たちの湾岸戦争でのキズはまだ癒えていないことをお伝えしたいと思
います。もっとひどいであろう新たな戦争に、どうやって耐えればいいのでしょ
う。

この戦争が直接的にもたらす結果も悲惨なものですが、後に残す災禍も非常に悲
惨です。罪のない人々が空爆の犠牲になるだけでなく、汚染された飲料水や環境
汚染、劣化ウラン、医薬品や医療品の不足、電力の不足に苦しむのもまた、こう
した罪のない人々です。

慈悲の心と人類愛を持っておられるすべての人々が、祈りの場で、教室で、そし
て神の言葉を伝えるすべての場で、イラクの人々の苦しみと不安のために祈って
くださいますように。イラクの人々の苦しみの現実を、人々に伝えてください。
イラクの子どもたちの叫びに耳を傾け、戦争阻止への努力をいままで以上になさっ
てください。そうすることで、イラクの子どもたちの激しい苦痛をとりさり、夜
中眠っているさなかに子どもたちがあげる「ほら、爆弾を落としにきた、殺され
ちゃう」という叫びを沈めることができるのです。

こんなことが起こるのは、公平なことでしょうか。巨大な黒い金の海の上に浮い
ているのは、私たちの犯した犯罪でしょうか。私たちの死以外の代価はなんなの
でしょう。なぜ、私たちは明るい未来やふつうの生活を夢見てはいけないのでしょ
う。

ぜひとも、戦争がおこらないように祈ってください。愛と祈りは奇跡を起こすこ
ともあるでしょう。神の祝福がみなさんの上にありますように

イラク在住ドミニコ修道会
連絡先
シスター・ベス・マーフィー 
事務所電話番号 217.787.0481
携帯電話217.34.6413

(翻訳 佐光 紀子)

------------------------------
> パンタ笛吹の帝国現地レポート
------------------------------

コロラド州ボルダーから最近のメディア報道の様子をご報告します。

多くの家の玄関には、星条旗が掲げられ、リベラルなはずの地元新聞にも「砂漠にい
る我らの息子や娘たち、米軍をサポートしよう!」という全面広告が掲載されていま
す。

開戦前までは戦争反対の活動をしていた地元選出の民主党上院議員、ウダール氏は、
「今は挙国一致で我が軍を支えるとき」と、賛成派に廻りました。

テレビ画面には、戦争ゲームに勝利する大本営発表のニュースばかりが流され、アメ
リカの良心とされていた公共放送・PBSまでが、この戦争の善悪はすでに棚に上
げ、戦況報告に専念しています。

つい先日、NBCテレビにチェニー副大統領が出演していて、
「私はサダム・フセインがアルカイダに生物化学兵器を供給したと信じているし、実
際、イラクはすでに核兵器を再編成している・・・」
と言ったのにはビックリしました。

皆さんもご存じのように、米英の諜報機関でさえ、「サダムとアルカイダの関係はな
いし、ナンセンスだ」と表明していますし、IAEAのエルバラダイ委員長は国連安
保理ではっきりと「イラクに核兵器はないし、それを作ろうとする動きもない」と明
言しているのにです。

もっとひどいのはラジオの方で、ほとんどのトークショー番組はテキサスの保守派ラ
ジオ・クリヤーチャンネルに牛耳られており、聞くに耐えない戦争プロパガンダに終
始しているような気がします。

僕らのような聴取者がスポンサーで、オルタナティブなニュースを流すことで定評が
あったNPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)は、ゲストにブッシュ政権の官僚
や軍の元大将ばかりを招待している始末で、今ではペンタゴンお抱えラジオ・NPR
(ナショナル・ペンタゴン・ラジオ)と平和活動家から呼ばれています。

タイムマガジンの3月24日号は、ブッシュ戦争支持の声にあふれ、
「イエス!私はこの戦争に大賛成です。米軍があの中近東のひどい国々にいる間に、
イスラム原理主義者たちを叩きのめしてほしいです。そして、石油利権を没収して、
それを9/11同時テロの弁償にあて、この戦争経費もぜんぶ賠償してもらってくだ
さい」
・・・というふうな読者の手紙ばかり載せています。

昨日のワシントンポストでは、驚いたことに、「あほうどりの国連をゴミ箱に捨てよ
う」というチャールス・クロータマーの以下のような論評が掲載されていました。

(ワシントン)ミスター大統領、もう国連には戻らないでくれ。あなたは大きな代価
を払って、大いなる勇気を持って、国連から歩み去ったのだから、もうあそこには戻
らないでくれ。・・・世論調査では、米国民の75%が国連のイラク危機での対応を
認めていないんだから。(引用終わり)

多くのアメリカ人は、フットボールやバスケットの熱狂的なファンで、ひいきのチー
ムが勝つためには一致団結してなりふりかまわず応援する、という態度を子供のころ
から刷り込まれています。

いざ戦争が始まると、アメリカ全体がひいきのチームになり、この戦争ゲームがどれ
だけ一般市民を殺戮しようが見ようとしないで、アメリカが勝つために熱烈な愛国者
に変身するような気がします。

話は変わりますが、今日(3月24日)の朝日新聞に、「小泉首相が、(国連内でこ
の戦争の)正当性に対する解釈が違って(安保理が)もめたが、私は一連の決議が武
力行使の根拠になりうると思っている、と強調した」とありました。

テキサス州オースチンの論客、モリー・アイヴィン女史は、デイリーカメラなどの新
聞論評で、ブッシュ政権がイラク侵略の合法性の元にしている国連決議1441につ
いてこう喝破しています。(抄訳)

国連決議1441を自動的な戦争容認と解釈するか、あくまでも武器査察を履行する
ためのものと解釈するかの違いが米英と独仏露で別れている。
なぜアラブ国であるシリアまでが国連決議1441に賛成したのか?その真意を探る
には、全会一致で賛成されるにいたった議論をひもとくのが最良の方法である。

国連決議1441の投票が行われたまさにその日、アメリカの国連大使、ジョン・メ
グロポンテ氏は安保理でこう発言した。

「この決議そのものは(戦争の)自動承認のためにあるのではない。この決議は2段
階のプロセスをへるものだ。だからこそ、この決議が戦争容認に繋がるのではないか
という一部の国々の懸念を払拭するものである。

もしイラクが武器査察に従わなかったら、もしくは大量破壊兵器が存在すると判明し
たら、それらの問題は、新たにこの安保理にかけられ、善後策が決定されるだろう。
安保理は、いかなる行動(戦争)が始まる前にも、この問題について協議する機会を
得るだろうから」

・・・さあ、これですべては明確である。
だからこそ、安保理の国々が今、にがにがしく感じているわけだ。人を騙す連中と
は、誰ももうつきあいたくはないからである。(引用終わり)

最後に、アメリカの良心を代表する論客の一人、「イラク戦争」(合同出版・星川淳
訳)の著者、ウィリアム・リバース・ピットによる3月21日の論評、Now, I Am the
Terrorist から、その一部を紹介します。
アメリカに23年住んでいる僕の気持ちも、これに近いものです。

---------------------------------------------------------------------------
・・・9月11日、テレビ画面に繰り広げられる大虐殺を見ながら、私は恐怖に包ま
れ呆然としていた。あの日、すべてのアメリカ人と同じように、私はテロリストの被
害者だった。

今日、もっとひどい大量虐殺が繰り広げられるのを前にして、私は恐怖に包まれ呆然
としている。

ここからは遠い遠い街に、何百という大規模ミサイルが雨のように降り注ぎ、年寄り
や赤ちゃんや病人や無実の人々を、見境なしに殺している。

私の政府がこれをしていて、
私の国がこれをしていて、
私の指導者がこれをしている。

今日、私もテロリストなのだ。

そして、あなたもまた。

(抄訳・パンタ笛吹)
---------------------------------------------------------------------------
http://www.Creators.com/opinion_show.cfm?columnsName=sfr
http://www.dailycamera.com
http://www2.asahi.com/special/iraqattack/TKY200303240236.html
http://www.Creators.com/opinion_show.cfm?columnsName=miv
http://truthout.org/docs_03/032303A.shtml

 ニュースを見ているだけでは、バスラで6人の市民が死亡とか、ティグリスで5人が
死亡とか流れるだけで、全体が見えにくいようです。

 イラク・ボディーカウントでは、ニュース情報をベースにして、この戦争での一般市
民の死者数を数えています。先ほどまでのところ、少なくとも140人、多くて214
人が殺されているという数字が出ています。この数字、刻々と増えるのが悲しい限りで
す。
http://www.iraqbodycount.net/bodycount.htm

 また、イラク戦争を客観的に知る大切な情報源の一つだったイエ
ロータイムスが、
「不適切なアメリカ兵捕虜の写真を掲載した」として、シャットダウンされました。
 以下のサイトに行ってみて、センサーシップの怖さがをじわじわと感じるのは僕だけ
でしょうか。
http://www.yellowtimes.org/article.php?sid=1204

 ラムズフェルド国防長官は、アメリカ兵のPOW(戦争捕虜)の映像を流したイラク
放送を、「ジュネーブ協定違反」と激しく非難しました。
 その同じ国防長官が、「グアンタナモ湾に拘留されているタリバン兵捕虜について
は、ジュネーブ協定は適用されない」と公言しているのですから、二枚舌もいいところ
ですね。
http://www.malaysiakini.com/letters/200303240034099.php

 イギリスの新聞の中でも、特にミラー紙は、戦場のありのままを現場から伝えている
ようです。今日(24日)掲載ニュースには、以下のような記事がありました。
----------------------------------------------------------------------
 ・・・バグダッドの爆弾攻撃を見て結論づけられるのは、「この戦争は新型兵器の実
験場であり、アメリカの威力を世界中に見せつけるための悲惨なショーだ」ということ
だ。
 このショーの目的は、「もしアメリカにたてつく国が出てきたら、容赦なくイラクの
ような目にあわせるぞ」という警告を敵対国に発することである。(引用終わり)
----------------------------------------------------------------------
(注・イラク人犠牲者の写真が含まれています)
http://www.mirror.co.uk/news/allnews/page.cfm?objectid
=12770628&method=full&amp;siteid=50143

http://www.mirror.co.uk/news/allnews/page.cfm?objectid
=12770623&method=full&amp;siteid=50143

最後は、少し軽い話題を集めてみました。
でも、全部ジョークではなく、マジなのが怖いです。

☆ブッシュ大統領☆

「大統領は多忙で本を読むヒマはあまりないんですが・・・」とファーストレディーは
前置きして、
「今、主人が読んでいる本は、モサドを主役としたスパイスリラーとコンクァラー(征
服者)という題名の戦争の本です」と言った。

☆チェニー副大統領☆

「あなたはなぜベトナム戦争に行かなかったのですか?」と聞かれたチェニー副大統領
は、
「あの時は、他にもっと大事なやることがあったんだ」と答えた。

☆ラムズフェルド国防長官☆

雑誌記者がラムズフェルド国防長官の執務室でインタビューを行った。
ふと見ると、机の上に「座右の銘」が飾られていた。そこには、
「戦争は考えられる最も高貴なスポーツである」
と書かれていた。

☆リチャード・パール(ネオコンのグル)☆

サダム・フセインを掃討する作戦の難しさについて質問されたリチャード・パールは、
「そんなの簡単、ケーキ・ウォークだよ」
(注、ケーキ・ウォーク・・・かっこよく歩いたものに賞としてケーキを与える余興)

パンタ笛吹

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●気刊「星川 淳@屋久島発 インナーネットソース」購読申込は
http://innernetsource.hp.infoseek.co.jp/>からどうぞ。
 購読は無料です。

●オンラインで購読登録したのに二重に届くという方はご一報くだ
さい。melma! のオンライン登録だと購読者がわからないようになっ
ているので、ぼくのアドレス帳からも直接お送りしてしまう場合が
あります。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

星川 淳(作家・翻訳家/屋久島環境政策研究所)
stariver@ruby.ocn.ne.jp

★スコット・リッター招聘実行委員会
 New!「イラク問題・全国会議員アンケート結果公表」他
 http://www.ribbon-project.jp/ritter.html
★気刊メールマガジン「星川 淳@屋久島発 インナーネットソース」
(「有事法案ではなく無事法案を!」署名サイトも兼ねています)
 http://innernetsource.hp.infoseek.co.jp/
★新刊……元国連査察官スコット・リッターの証言
『イラク戦争――ブッシュ政権が隠したい事実』(合同出版)\1,200
★web論説「正当性なき米国のイラク攻撃」青山貞一(環境総研)
 http://www.01.246.ne.jp/~aoyama/table-contents1.html

HOT NEWS

amanakuni Home Page