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★★ SHAKE! ベイエリア通信 ★★ No.10 4/1/2003

毎朝10分間、戦禍の中にいる子供たちとおとなたち、兵士たちに想いをはせよう。
この侵略戦争を止めるために、毎日ひとつ、何かをしよう。

イラクの被害者状況を伝えるウェブサイト
www.iraqbodycount.net

「コロンバイン高校の生徒たちは、問題解決に暴力を使ってはいけないことを、身をもって学んだ。だが、いまアメリカは、自分の子どもたちに、自分の気に入らない奴は、殺していいんだよ、と身をもって教えるているではないか。悲しいよ。」(マイケル・ムーア、3/27、ニューヨークでのスピーチから)

 「アメリカの先制攻撃を認めることは、法に従う国の集合である世界を、アメリカ大統領の独断以外の法をもたない世界に置き換えようとする、非常に危険な第一歩だ。」(2002年秋、ゴア前副大統領)

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 ★ 世界は今も戦争に反対!もちろんベイエリアも!!
 ★ 「正気を求める退職諜報機関員たち(Veteran Intelligence Professionals for Sanity)」
 ★ 「衝撃と恐怖(Shock & Awe)」戦略 広島、長崎がモデル!?
 ★ あと何十年分の石油のために何人殺す?/ 風砂子デアンジェリス

 ★ デモ報告/ 米山麻以子、円道まさみ、まさよバイエ、美佳ハロウ
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 ★ 世界は今も戦争に反対!もちろんベイエリアも!!

 ☆ ブッシュ大統領のイラク攻撃が始まる前後、アメリカ各地とベイエリアでは、時計の針を追うように、数え切れないデモンストレーションが続いた。その中で、私たちが直接参加したり、目撃したイベントだけでも、ながいリストだ。疲れを見せながらも、あくことなく、行動を続ける人々は、行動を続けることで、お互いにエネルギーをあたえ、はげましあう。歴史始まって以来といわれる、早急で広範でグローバルな反戦のネットワークは、決して爆弾で破壊されることはない。

 ☆ サンフランシスコでは、攻撃開始直後の3月20日と21日両日の直接行動で、2000人が逮捕された。これは、当市始まって以来の逮捕者数だという。直接行動は、連邦政府のオフィスを始め、株取引所、破壊後のイラク再建の契約をすでにアメリカ政府と結んでいる、ベクテル建設やハリバートン*など、戦争で大利益をあげる企業のオフィスなどに集中、高速道路を封鎖した。
(*チェイニー副大統領の巣で、今も年間100万ドルをチェイニーに献金しているといわれる、巨大企業。モンタナモ・ベイや、中近東のアメリカ基地の管理をまかされ、すでに開戦前巨額の利益をあげている。)

 ☆ 3/14には、 攻撃開始を予測した緊急行動週間の初日、と銘打って、サンフランシスコの株取り引き会社、パシフィック・エクスチェンジの前に、数百人が集まって入り口を閉鎖し、80人が逮捕された。逮捕者のひとり、ウォレン・ラングリーは、当社のもと所長で、「私は、体制を代表してここにいる。いま、体制内にありながら、戦争に反対する人がたくさんいる。次の一歩を踏み出すために、いまこそ、自己の良心を表明すべき時だ。」と語った。

 ☆ 3/15の国際デモには、サンフランシスコとニューヨークで各10万人、世界中では100万人が参加した。

 ☆ 3/19、ブッシュがフセインの出国に与えた48時間の期限が切れる夕方5時、サンフランシスコの中心街やオークランドでブッシュへの抗議行動。
 
☆ 3/20 
○ サンフランシスコで、数万人のデモ。開戦と同時に、警官たちがかなりアグレッシブにデモ隊を取り囲む場面もあり、この日だけで、1400人が逮捕された。
○ カリフォルニア大学バークレー校で、5000人以上が抗議集会。
○ 夕方、バークレー市議会主催の集会デモ。
○ バークレー高校で100人の生徒が、Die In (ダイ・イン)
バークレー高校では、先生たちが、反戦の日を組織し、授業を、戦争についての討論に切り替えたり、平和活動家を招いて話をさせたり、直接行動の実践として、生徒がダイ・インに加わることを奨励した。ダイ・インとは、犠牲者に扮して、人々の意識を呼び起こす。
「自分が信じることのためには、ときにはなにかを犠牲にしても行動するという自信を生徒に与える、という意味で大切なことです。これは、教科書から学ぶどんなことよりも大切なことだと思う。」と、ウェイン・アウ先生は語った。
○ バークレーだけでなく、ベイエリア全体で同じ動きがあり、クラスをデモ参加に変えた先生もいる。オークランドでは、800人の高校生がストリートを行進した。

★ 「正気を求める退職諜報機関員たち(Veteran Intelligence Professionals for Sanity)」

CIAや軍部情報機関などの退職者や良心的辞職者の間で、「正気を求める退職諜報機関員」が2ヶ月前に結成され、現在25人が参加している。創立者のひとりで、27年CIAに勤め、レーガン時代にトップの国防スタッフに報告をしたレイ・マクガバンは、「諜報機関の役割は、真実を伝えることであり、政府に売春行為をすることではない。」と語り、現役の機関員たちに、内部告発をよびかけているという。
内部告発の先輩には、ベトナム戦争時代、職員をしていたペンタゴンのオフィスの窓から、道をおおうデモンストレーションを見て眼を開かれ、秘密書類を公開して、投獄されたダニエル・エルズバーグがいる。それ以来、彼は、アメリカの反戦運動の指導者として、活動し続けた。最近、自叙伝「秘密」を出版した彼は、3月27日、ホワイトハウスの前で、他の64人とともに逮捕された。
http://www.democracynow.org

★ 「衝撃と恐怖(Shock & Awe)」戦略 広島、長崎がモデル!?

 爆撃開始後のデモで、「衝撃と恐怖」をもじった、プラカードがたくさん眼についた。たとえば「衝撃と恥じ(Shock & Shame)」「ショックと恐怖を感じるよ。(I feel shock and awe)」とか。
 いまのイラク攻撃が、「Shock & Awe」というコンセプトを基本にしているということは、つい最近、インディペンデント・ラジオKPFAで、初めて聞いた。
 冷戦時代の退役軍人たちが、アメリカの軍事戦略を再検討して、書かれたという、「衝撃と恐怖−急速な支配の確立」が、1996年に防衛大学から出版されたが、ほとんど注目されなかった。
 今年の一月になって、CBSがこれをとりあげ、イラク戦争の戦略が、これに基づいていることを認めた。国防相の役人が、「バグダッドのどこにも安全な場所はない、ということだ。」という「衝撃と恐怖」作戦は、一日300個のミサイルを投下して、イラクを「肉体的、感情的そして心理的に」粉砕することを目標としているという。
 しかも、そのモデルは、広島、長崎の原爆投下だということ。
 「国家を完全封鎖して、下部構造を徹底的に破壊し、有用な情報機関と通商機関をすばやくコントロールをすれば、広島長崎に落とされた原爆が日本人に与えたと同じような衝撃を、その国民に与えるだろう。」という一章で、その本が始まっているという。
http://www.democracynow.org
http://www.notinournames.net

 3月20日のクリスチャン・サイエンス・モニター紙で、著者のハーレン・ウルマンは、広島・長崎の原爆投下について、「死に瀕していた社会を、立ち直らせたではないか。」といっている。
 これは、まさに原爆を投下した側の見解で、落とされた側の人間の存在は、完全に無視されている。これこそ、今のアメリカ政府とそれを取り囲むネオコンを動かしているコンセプトだ。

★ 何十年分の石油のために何人殺す?/ 風砂子デアンジェリス

 イラクで、パレスティナで、アフガニスタンで、戦火にさらされている人々に対する悲しみと、戦争を止められないすまなさと、こういう暴力を平然と行使する人々(なんだろうね?)に対する怒りで、気持ちが鬱いでしまう今だからこそ、日々の戦況に心を奪われてしまうことなく、この戦争が何なのか、自分は何を信じ、何をすべきか、考え続けつづけなければいけないね。

 ブッシュ・ブレァの錦の御旗、イラクの大量殺戮兵器保有は、国連査察団がそれを否定し、アメリカが証拠として示した、イラクのナイジェからのウラン買い付けや、パウエル国務長官の国連証言などが、信憑性のないものであることが証明された。それでも、アメリカは御旗をおろさず、査察団の査察延期要求と、国際市民の反戦の声を蹴散らして、これもアメリカ史上はじめて、といわれる先制攻撃を始めてしまった。今度は、「イラクの政権交代、イラク国民の解放」を御旗に加えてね。でも、アメリカが見せびらかすデモクラシイでは、一国の政権交代は、その国の国民によって決められる」べきで、フセインがいくら悪者だから、といって、国連ならともかく、アメリカがそれをやる合法性は、どこにもない。

 それにしても、ブッシュ政権は、なぜそうまでして戦争をしたいのか?

 最近出版された「パーティは終わった(Party's Over)」の著者、リチャード・ハィンバーグの講演がサンフランシスコで行われ、それを聞きにいった友人が、わたしの知らなかった話を聞かせくれ、彼の記事のコピーをくれた。


世界の石油取り引きには、ドルだけが使われていたが、2000年11月に、イラクが、石油の取り引きに使う通貨を、ドルからユーロ貨幣に変えた。そして金融専門家の予測とは反対に、イラクの経済がここ数年来上昇を始めた。いま、ベネズエラやイランなども、それを見習おうとしている、という。
 リチャード・ハィンバーグによれば、もし、OPEC全体が、ユーロを使うことにでもなれば、すでに、企業スキャンダルなどで、落ち込んだアメリカの経済にとっては大打撃だという。

 無敵のドルと軍事力が、アメリカ帝国の主要な柱で、クリントン政権は、ドルの力で世界を制覇するグローバリゼーションを進めて来たが、いま、ドルのスーパー・パワーが脅威にさらされたので、軍事力で対抗し、帝国のパワーを見せると同時に、石油生産地帯への軍事基地を増やして、OPEC への影響力を保とうしている。ことに、第一の補給国、サウディ・アラビアへの牽制は、犠牲にできない、という。

 経済については、きわめておおざっぱなとらえかたしかできず、詳しいことは、無知に等しい私だが、これで、全体図のいままで見えなかったことも、見えてくるような気がした。

 イラクの大量殺戮兵器でなく、ユーロ貨幣への転換が、脅威だったのか。脅威を与えているのは、フセインではなく、ユーロなのか。ブッシュ・ブレアの近親関係も納得がいく。もっとも、EU参加国も、アメリカに巨額の投資をしているから、ドルの極端な値下がりは、望まない。巨額のアメリカ国債をもつ日本が、ブッシュを支持するのも、ただ、北戦に対する恐怖だけではないんだろうね。国際政治の裏側で、どんな取り引きがされているのか、誰にもわからない。

 リチャード・ハィンバーグの講演で、「イラク外務大臣が、攻撃開始前夜に、パウエルのオフィスに電話を入れ、ドル使用に戻ることと、アメリカによる油田管理を申し出たが、電話に応対した秘書官は、すでに開戦は決まっている、と、これを受け付けなかった。」と話したという。


それにしても、世界の石油埋蔵量は、1910年がピークで、あとはガタオチ、せいぜい30年から50年分しかないんだよ。石油を燃料とする経済も、それだけしか続かないんだよ。
これは、誰にも変えられない。その石油のために、戦争をして貴重な資源を浪費し、無数の人を殺し、自然を破壊してしまっていいんだろうか?それよりも、石油や軍事力に頼らない世界を、今から作りはじめようよ。


「いま、わたしたちに残されたのは、最後の獲物を争って、残虐で無益な競争を続けるか、あるいは、英雄的な協力によって、ラディカルな省エネを行い、石油にたよらない社会体制を作って行くか、のどちらかに必要な資源だけです。もし、私たちの子孫が幸運ならば、それぞれの地域社会が、太陽エネルギーの恩恵を受けながら、無駄と虚飾のない生活をする世界に生きることができるでしょう。」(ハィンバーグ)

★ デモ報告

☆ 緊急行動/ 米山麻以子

 3月19日、とうとうイラクへの攻撃が始まってしまった。しかし、ベイエリアの人たちは悲しみと無力感に浸ってはいない。前々から攻撃が始まった場合は、サンフランシスコのダウンタウンに午後5時に集合、次の日は仕事や学校を休んでそれぞれの場で緊急行動、その週の土曜日には大集会が組織されていた。その他にも、様々な所で様々なやりかたで反戦活動が行われている。「始まってしまったのなら、一人でも多くの犠牲者をださないためにも、一刻も早くこの戦争をやめさせよう。」それが皆の合言葉だ。
 19日の5時、仕事帰りに集会所に行くと、プラカード持った人々が集まっていた。しかしその直前のデモにはまだあふれていた希望が、ブッシュが攻撃を始めてしまったことに対する怒りになっていたことは確かだ。
 20日、朝起きてまずテレビをつけると、十代らしいかわいい女の子が逮捕されているのが写っていた。今回はいつものように楽しいデモとは確かに違うことが予想された。私も仕事場の上司にプロテストに行くので休むことを伝え、早速ダウンタウンへと向かった。私が着いたときには、メインストリートはすでに車は通れない状況になっていた。午後12時にある一角でPeople Of Color〈有色人種〉の人達が集まってデモをしようという動きがあったのでそれに参加した。フィリピン系アメリカ人のグループAPICAWが中心となって、100人くらいが集まった。まずはチャントの紙と、「逮捕された場合の対処のしかた」という紙をもらった。ちょっとドキドキし始めた。皆でかたまって、ところどころ通行止めや警官によって封鎖されているストリートを、歌いながら歩き始めた。歩道にいる人々は全体的に友好的で、笑顔やピースサインを送ってくれた。一度はマーケットストリートに戻ってくると、そこには大勢のプロテスター達が集まっていて、警官とにらみあいをしていた。目の前で男の人が逮捕されていた。私達はそれからも道を封鎖しつつダウンタウンの道路を歩き続けた。
 このマーチは私自身にとってもとても意義深いものとなった。10万人、20万人の人々と一緒にデモ行進をするのも素晴らしいが、このように100人弱で歩くのは、「私」という存在が一段と大きくなる。初めはいざというときに隠れることもできないので、何とも心細かったし、落ち着かなかった。警官を見るとドキドキした。でも、心の中で「恐いのは当たり前、ドキドキするのは当たり前。でも私は今、この国でマイノリティーといわれる人々と一緒にこの大きなサンフランシスコのダウンタウンの道路を歩いているのだ。」一歩一歩がとても力強く、私の胸に響いてきた。
 2時間近く歩きまわったあと、大きなデモ行進の流れに合流した。私達はマーケットストリート、そしてヴァンネス・ストリートというメインストリートを封鎖していった。時には両脇の舗道を大量の警官が一緒に歩くなどスリリングな場面もあった。
 デモでは同じように仕事や学校を休んできた友達に会った。ビルからは働いている人々が外に出てきてこの行進を見ている。窓から覗いている人達もいる。
私達はそんな人達に向かってピースサインを送り、「一緒に歩こうよ、今日は仕事はなしだよ」などと言っていた。ふと、周りを見ると、確かに歩き始めた当初は若い学生やヒッピー系の人達が大半だったが、スーツを来た人や働いている感じの人達が多くデモに混じり始めていた。結局、この日は1400人位が逮捕されたという。
 22日は、私は当初の予定を変更し、急遽シビックセンターで行われる大集会に参加することに決めた。待ち合わせの12時にNorth Berkeleyの駅に行くと、みんなちょっと疲れ気味な顔で現れた。無理もない。
 シビック・センターに着いてみると、集会は始まっていて、人々が続々と、黙々と集まってくる。もはや「デモに行って何の意味がある?」という疑問はなく、「デモに行かなきゃ!」という確信のみがあるような気がした。
広場の人々がダウンタウンに向けてマーチを始めた。結局、マーチはダウンタウンに行って、そこから再びシビック・センターに戻ってくるというルートをとった。私は家に帰るころには朝の疲れなどふっとんで、この人々のエネルギーにすっかり充電されていた。

☆ これからが正念場/ 円道まさみ

 「フセインと息子達に48時間を与える」。ブッシュ大統領は17日の夜、ホワイハウスからイラクに対して”最後通告”を与えた。そして”時間切れ”と同時に、世界一の軍事力を誇る大国は、国際世論を無視し、脅しと無法の殺戮を開始した。

 「ブッシュよ、48時間以内にホワイトハウスから出ていけ」。48時間通告が切れたとき、サンフランシスコの中心街は反戦・平和を求める市民で埋まった。俳優のダニー・グローバーもかけつけた。辺りは反戦プラカードやポスターをもつ人、人、人だ。警備にあたっていたサンフランシスコ市警は、しぶしぶマーケットストリートの一部を歩行者専用とした。世界に広がる反戦世論を無視し続けることに限界を感じたアメリカの主流メディアたちも中継車を送った。
フランス生まれのフランス育ちというシエム・トウンジさんは、「国連安保理で最後までイラクへの武力行使に反対した祖国を誇りに思う」と、友人と一緒にマーケットストリートでフランス国家を歌い始めた。それを見ていた集会参加者から、「メルシー、フランセー(フランス、ありがとう)」と声がかかった。

 攻撃開始の翌日、サンフランシスコにはブッシュ政権への怒りと憤りを抱えた市民が結集した。多くは、仕事や学校を休んでやってきた人たちだ。スタンフォード大学2年生のハイビン・ニューエンさんは、「今日は授業をボイコットして集会に参加しました。明日は学校でテストがあるのですが、この戦争にストップをかけることの方が大事な勉強だと思っています。用があるから、仕事があるから、勉強があるからと沈黙しているわけにはいきません。イラクの人たちだって用がある、仕事がある、学校がある。でも爆弾は容赦なく彼らの頭上に落ちてくるのです」 その通りだと思った。私達が抱えている悲しいくらい平穏な日常の裏側で殺戮は行われているのだ。

 昨日だけで1500人以上の反戦デモ逮捕者を出したサンフランシスコ市はこの日、いつにない緊張した空気が流れていた。数千人体制の武装警官がマーケットストリートに繰り出し、まるで猛獣を退治するかのような険しい目でデモ行進する人々を斬る。
「Join us for Peace! U.S. out of the Middle East, Stop the Bombing, Stop the War !」 人々は訴える。途中、デモ主催者と当局の間で行進順路についてくい違いがあったらしく、いきなり警官隊がマーケットストリートをブロックした。反対方向からは1万人以上の市民が行進して来る。 「What's going on? Can we go? (どうなっているんだ、進んでいいの?)」。行進の最前列にいる人々がそわそわし始めた。デモ行進は警官隊のギリギリ目の前で止まった。
「This is our street ! Move ! Move! (私達のストリートだ。(警察は)動け)」「People united
will never be defeated (連帯した市民は決して滅びない)」市民の大合唱が始まった。アメリカ市民の歴史的な闘いを目の前に、トマホークや核兵器では倒せない民衆の力を感じる。「これこそがアメリカン・デモクラシーだ」そう思った。

 アメリカ反戦・平和の闘いはこれからが正念場だ。何としてでも、何があっても、ブッシュ政権の暴走を止めなければいけない。いつもエネルギッシュに満ち溢れているアメリカ反戦集会だが、集会に参加する一人一人がいつも元気なわけではない。彼らも人間だ。希望を失いかけることもある。ただ私達が忘れてはいけないのは、希望というのは行動の中から生み出されるということ。「楽観とは行動であり、悲観とは妄想である」という言葉がある。小さなことでいい。私達ができることを続けよう。その中から希望が芽生える。自分達の活動が人道にそったものならが、どんな少数から始めた活動でも、必ず一緒に立ち上がってくれる人が現われる。世界最強の軍備をもってアメリカが攻撃するイラクでは、実に国民の50%が15歳未満の子どもである。イラクの子どもたちに課せられたあまりにも過酷な現実に、今こそ世界市民が立ち上がらなくてはいけない。

☆ 反戦デモからアカデミーまで/ まさよバイエ

 3月22日にサンフランシスコでANSWER主催のデモに参加しました。
爆撃後、行きどうりのない怒りと悲しみで落ち込んでいたのですが、やるべき事はし続けてゆかねばいけない義務感みたいなものと、連帯を確かめたい気持ちから、友人と市議会前に集まりました。第一印象は確かに数が少ないという思いでしたが、その構成の広範囲さにさすがサンフランシスコと感心しました。
 親の肩車に載った幼児から、白髪頭のシニアまで、あらゆる世代が参加しています。キリスト教信者から、無宗教者、ユダヤ人、アラブ人、宗教を超え、人種を超えて集まれるのは、この戦争が全人類を脅かし、人間性を否定するもっとも恐怖な侵略戦争でしかあり得ないことを皆がわかっているのです。
 芝生に腰を下ろし、いろいろな立場から反戦に関わっている方たちの力強い呼びかけを聞きました。後ろにいる男性は「French Wine is Fine」と語呂合わせのカードを置いて、フランスワインを飲んでいました。そうかと思うとよれよれの上着を着たホームレスの男性が皆の間をぬって、物乞いをしてまわっていました。1ヶ月の戦争予算にあげている750億ドルは、フセインを倒すことに使うのなら同意され、ホームレスの人々の住居を建てるのに予算がないとは、まともな常識では考えられないことです。税金を取り立てるアンクル・サム、つまりアメリカ政府が本当のテロリストだとあるラッパーが叫び、皆から拍手を浴びていました。ああどこからかマリファナの匂いも漂っています。
 本当はイスラエル製品をボイコットするレインボー食料品屋まで支援のデモに行くはずでしたが、長い行進後又、市議会に戻りました。交通止めにならなかったので、動けないでじっとデモが通るのを待っている車がたくさんありましたが、ピースサインを示したり、ブーブー鳴らして支援してくれるのです。
 最近のデモの中で若者達の比率が一番高かったのではないかと思います。途中飛び跳ねて警察と小突き合いになるグループもいますが、それはホンの一部です。いつの世もメディアは派手なことに目を向けるものです。
 日曜日のアカデミー賞で、アメリカの銃文化を暴露したドキュメンタリー映画「ボーリング・コロンバイン」の監督であるマイケル・ムーア氏が受賞のスピーチで、ブッシュ大統領に対し、ディキシー・チックとローマ法王に嫌われたらもうおしまいだぜ、ブッシュよ、恥を知れ恥じを、と叫びました。半総立ちの会場をみると、ハリウッドも捨てたものではないなと思いました。

☆ 小さなプラカード/ 美佳ハロウ

 戦争が始まってから、なるべくテレビは見ないようにしている。あの爆発の下にいる人々、特に子供達の心を思う時、涙がでてくるのだ。最新式なテクノロ ジーを駆使して戦略を流しているテレビの特番はまるでゲームのようだ。
 私が一日中つけているのはKPFA(バークレーの市民ラジオ)である。このラジオから伝えられる現地の状況は緊迫している。イラクに残っているジャー ナリストが、市民と一緒に防空壕から携帯電話で話している。アクティビストの女性は今の状況を聞かれ、「凄まじい爆弾の中にいて、考えられない。」と 言っている。電話は時々途切れたり、切れたりして彼女たちの無事を祈らずにはいられない。
 22日土曜日にサンフランシスコで行なわれた緊急デモンストレーションに家族で参加した。遅れて行った私たちは市内を行進する事はできなかったが、シ ビックセンターではまだラリーが続いていて、芝生に座ってそれを聞いていた。6歳の息子は小さなプラカードを作った。彼は「NO WAR ONLY PEACE」という言葉を選び、沢山の色をつかって書き上げた。私はそれにリボンを通し、彼は照れくさそうに首からかけて町を歩いた。沢山の人たちが写 真を撮ったり、褒めてくれて、少し嬉しそうな彼に、こうして自分の思いを発信していく事の大事さを感じて欲しいと思う。
 毎日一つでも私にできる事をしていこう。この戦争を長引かせてはいけない。イラクの子供達の心を恐怖で凍らせるような事を誰が正義と呼べるのか。

★ お知らせ
これまでもShake!の活動をサポートしてくださっているクレヨンハウス出版の月刊誌「ク−ヨン」に、毎月、ベイエリアから「平和の風」を送るエッセ
イが掲載されています。どうぞご愛読ください。
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「SHAKE!ベイエリア通信」の転送を歓迎しますが、ウェブサイトや印刷物に転載の場合、また今後の通信が要らない方
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SHAKE! スタッフ:風砂子デアンジェリス、美佳ハロウ、米山麻以子
アドバイザー:村川治彦、まさよバイエ
連絡先住所: INOCHI/ SHAKE PO Box 2589, Berkeley, CA 94702
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