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★★SHAKE! -ベイエリア通信-★★  No. 6 11/4/2002

「いま、止めよう、イラク戦争」
10月26日大行動レポート、他


10月26日のデモはすごかった。
メディアがベトナム戦争以来と呼び、主催者が10万人と発表した数の威力だけではない。「9/11」以来1年あまり、次々と打ち出されたブッシュの戦争 政策に対して、疲れもせずにあくことなく、行動してきた人々の、ゆるぎない確信と決意が、静かな火のように燃えていた。今までに費やした時間とエネルギ ーは、無駄ではなかった。火は確実に広がっていた。
何よりも目立つのが、若い世代の参加と世代間の結びつき。ティーンエージャーのグループがいっぱいいた。20人ほどのスピーカーの最年少者は12歳の中 学生、最年長者は92歳のバークレー副市長で、ふたりとも同様に力強いメッセージを送っていた。
人の社会は森。様々な種類の古木と若木が、共生繁茂する森ほど美しく、生命力と喜びにあふれるものはない。
スピーカーの一人が言った。
「今日ここに集まった人々の輪。これこそがアメリカなのだ。」と。
そう、これこそわたしのアメリカ。わたしの森。だとしたら、それを守り続け、育て続けることが、ジャクソン牧師のいう、ムーブメント(運動)にほかなら ない。
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=目次=
★「いま、止めよう、イラク戦争」ー10月26日大行動
★ 10万人集会、スピーチ抜粋集
★風ちゃんの大豆知識
★ 森住 卓さん「湾岸戦争の子供達」

執筆編集: Shake! スタッフ(風砂子デアンジェリス、美佳ハロウ、米山麻以子)
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★ 「いま、止めよう、イラク戦争」ー10月26日大行動

* デモ参加者のため、地下鉄の改札口全開!
晴れあがったその日、shake!の仲間や家族たちが待ち合わせた、サンフランシスコ行きの地下鉄「北バークレー」駅には、思い思いのプラカードを手に した切符を買う人々の長蛇の列ができていた。早くサンフランシスコに行ってデモに参加しこの熱い思いをぶちまけたい気持ちを押さえつつ、もどかしそうに 切符を買う順番を待っていたが、列はなかなか動かない。そのうちに、誰かが「改札口を開けて、みんなタダで入れちゃえよ!」と叫ぶと、「そうだ、そう だ」と声があがる。冗談かと思って笑っていたら、なんと、長蛇の列が素早く動き始めた。駅の係員が、本当に改札口を開け放ったのだ!
「やった!」「さすがバークレー!」と、歓声をあげ、係員に「サンキュー!」と手を振りながら、人々は地下のプラットフォームに殺到した。このバークレ ーという街が、私たちに「いってらっしゃい、頑張ってきてね!」と声援を送ってくれているようで、さらに元気づいた。いつもより長い10輛編成の電車 も、デモに行く人で一杯になった。

*ドラムの響きとプラカードの波
サンフランシスコのダウンタウンについた時は、もう行進が始まっていた。1マ
イルほど市中をデモ行進して、シティ・ホール前の広場で大集会がもたれることになっていた。それにしてもすごい人!日頃車で埋まっている大通りが、思い 思いの反戦に対するメッセージを掲げているあらゆる人種、あらゆる国籍、あらゆる風貌の人たちで埋まり、混然一体になって行進している。白髪のお年寄り から赤ちゃん、こども。(オウムや犬も参加していた!)ピース・マークの形に焼いた大きなパンを、棒の先につけてかかげているグループは、バークレーの 70年代からの老舗、コレクティブ営業(社員が公平に働き利益を分ける経営形態)の「チーズボード」の一団。
ハロウィーンが近いからだろうか? 至る所にブッシュがいる。
ゴム製のマスクのブッシュは「もうアラスカはいいや、それよりイラクの石油を掘ろうぜ」とか、「おれは、ヒトラーみたいなことなんかしてないよ。」なん てプラカードを掲げて、薄ら笑いを浮かべながらうろうろしている。デモ隊の人々は笑いながら罵声を飛ばしていた。
韓国の若者達の一団が、伝統的な太鼓を叩いている。ドンドンドン、リズムに乗って、踊りながら歩いているひともたくさんいる。
「NO MORE WAR!」誰かのかけ声が、当たりを揺さぶり、プラカードがゆれ動く。

―眼に着いたプラカードー

No more war for oil(石油の為の戦争反対)
War is terror(戦争こそテロリズム)
Drop Bush not Bomb(爆弾ではなくブッシュを落とせ)
HANDS OFF IRAQ HANDS OFF THE WORLD((アメリカは)イラクからも世界からも手を引け)
Regime change begins at home(政権交代はまずアメリカから)
Act now to stop the war and racism(今こそ戦争と人種差別をとめよう)
Not in our names(戦争に私たちの名前を使うな)

そんななかで、沿道の人垣から発した一言に私たちは振り返った。「私たちはサダム・フセインを倒さなくてはならないんだ。」聞き慣れた言葉だったが、今 のこの大きな流れの中ではその声はかき消されてしまった。

*シビックセンターでの合同集会
デモ隊の最初の列が到着してから、三時間後に、やっと最後の集団がシティ・ホールに到着。デモ隊以外にも、次々にやってくる人々で、広場はぎっしりと埋 まった。中央舞台では、色々な活動家が戦争に対する、アメリカの政策に対する、それぞれの思いを話している。ぎっしりと隙間のない程混み合う人々の間で も、人びとはリラックスした面持ちで自分の考えを話している。
ロスアンジェルスから、6台のバスを連ねてやってきた、アメリカ先住民五ヶ国連合の少女たちの一人は15歳。父親がAIM(アメリカ・インディアン・ム ーブメントの活動家だったので、社会問題への関心は、自然に育てられた、という。三人の子供を連れてきた父親は、「子供達にとって、アメリカの民主主義 の経過を知る上で、こういうデモに参加することはとても重要だ。」と言っていた。参加者のひとり、susan Chacinは、「アメリカ人全体が、ブッシュの戦争政策の後押しをしているのではないこと、戦争に反対しているのが、みじめな少数者ではないことを、 世界に知ってほ しいと思って、この集会に参加しました。アメリカは、自分の都合で様々な独裁政権を支持しています。アメリカが欲しいのは、石油の利権であって、イラク の脅威が問題なのではありません。」画家のMathewは、「この8月にワイオミングにいた時、共和党絶対多数の街で、デモンストレーションをみて驚い た。妻の家族は、フランス人ですが、今度戦争が始まったら第三次世界大戦にならないか、みんな非常に心配している。」会場にいた4人の女子大学生 は、「メディアは信用できない。ここに来て、平和のための団結を体験できて良かった。」

沢山並ぶ色々な団体のブースにはTシャツやステッカー、バッチなんかが売られている。後で行き会った知り合いが「デモ用にTシャツを買ったのよ。」と冗 談めかして言っていた。私もデモ用バッチくらい買うんだった。
舞台裏の近くのコンクリートの道に座り込んだ。ひと休みしながらスピーチを聞いていると、わあーっと人々が立ち上がった。「バーバラ・リーに違いな い!」バーバラ・リーは遠くからでもそのパワーが伝わってくるような、端切れのいい簡潔な言葉で群集をぐんぐん引き付ける。「2004年にはかならず政 権を変更しましょう!」みんなが大きく答える。
日本から保坂展人衆議院議員が来米していて、彼も壇上にあがった。日本の議員がこういう場所でそして英語で自らの意見を言うのを聞くのは今回の一連の集 会では初めての事だ。彼はとっても力強く堂々と私たちの声を代弁してくれた。市民一人一人の反対の声が唯一の手段だというのはほんとうに同感。彼のスピ ーチに大きな歓声が沸き上がっていた。
若者達は太鼓に合わせていつまでも踊っていた。数日前に飛行機事故で亡くなったPaul Wellstoneを惜しむ千羽鶴が揺れる。湾岸戦争後、イラクで生まれた奇形児の写真を刷り込んだTシャツが石畳に広げられている。 

サンフランシスコのこの日のデモでは10万人が参加したと言われている。同じ日にワシントンDC20万人.、シアトル1万人、ニューメキシコのタオス市 では住民の約半分の3000人がラムズフェルド国防長官の家に抗議の行進、ミネソタでは1万人が反戦、そしてpaulwellstone議員追悼の集会 を行なった。デモンストレーションは全米にとどまらず、ローマ、ベルリン、そして東京など、世界各地でも実施された。 ちなみにこの日の夜の地元ニュースのトップは野球のワールドシリーズ、サンフランシスコジャイアンツとアナハイムエンジェルスの試合を延々を流してい た。メディアがベトナム戦争以来最大と言ったこの日のデモの様子は1、2分程度紹介されただけであった。KPFA によると、ニューヨークタイムスはワシントンDC でのデモの参加者を”数千人”と伝え、その記事も数行しかないものだった。これにたくさんの人々が抗議し、数日後、デモの人数を20万人とする小さな訂 正文を載せた。人々の声がここでも力を発揮した。「これこそアメリカなのだ」

★ 10万人集会、スピーチ抜粋集

*サモラ・ペンドゥラフス(12歳、バークレー、キング中学女子学生)
「テレビでは、暴力のニュースや番組ばかりで、見たくもありません。イラクやパレスティナの子たちも、わたしたちアメリカの子供と同じです。平和な生活 がなによりも大切です。戦争をしないでください。」

* バーバラ・リー(下院議院)
「今日ここに集まった皆さんこそ、アメリカの民主主義を守る真の愛国者です。いまや少数派ではなく、声高い多数派である皆さんの声を必ずワシントンに届 けます。「9/11」直後、議会でブッシュの対テロ爆撃に反対したのは、わたし一人でしたが、一年後のいま、150人もの議員が、イラク攻撃を規制する 代替案に賛同し、ブッシュにショックを与えました。選挙民の皆さんの声や、たゆまざる行動の結果です。希望を失わず、大統領や議員たちにあなたの声を届 け、街に出て、行動に参加し続けましょう。そして、二年後の総選挙では、かならず政権を変更しましょう。」

*ロン.コビック(ベトナム帰還兵)
「今始まった、イラク戦争へのこの抵抗は、ベトナム反戦運動以上に大きな力になるかもしれない。アメリカ民主主義にルネッサンスをもたらす可能性さえあ る。それを成し遂げるのは、われわれひとりひとりの力だ。あなた自身の存在を過小評価してはならない。」

* ハテム・バジアン(カリフルニア大学バークレー校の講師)
「これが偽善でなくてなんだろうか?イラクとイランに大量殺戮兵器を売ったのは、アメリカだったことを忘れてはいけない。ここバークレー大学で日本に落 とされた原爆の開発も行われた。」

*ヘレン・カルディコット
「予算は、戦争でなく、健康保険や教育に使われなければならない。」

* バーバラ・ルビン (中近東子ども同盟)
「パレスティナの独立を平和運動の背後においてはならない。もしイラク戦争が始まれば、シャロン首相は、その陰で、パレスティナ人を彼ら自身の土地から 追い出すという、この30年間やろうとしてきたことを、やってしまうだろう。」

*ラミス・ラフィーディ(パレスティナ解放同盟)
「中東は確かに民主的変革を必要としているが、それは、国民の中からうまれなければならない。外から政権変革を強いる権利は誰にもない。」

*J.C.ジャクソン牧師(ワシントン集会でのスピーチ)
「現実から眼をそらしてはいけない。この二年間に、アメリカでは200万の職が失われ、株価は下落、失業と貧困は増加の一途だ。(11月五日には、希望 に一票を入れよう。政権交代が必要なのは、この国だ。)
しかし、いま、新しい平和運動が始まった。ここにこれだけ多くの若者が集まったのは、すばらしいことだ。若者が動く時、世界が動く。アメリカの人権運動 は、1960年に、小さな若者たちのグループから始まった。キング牧師が、始めて公衆の前で、スピーチをしたのは、彼が26歳の時だった。「危機の時 は、チャンスの時でもある。」と。それ以来、人種差別、性差別、信仰の差別など大きな成果をあげてきた。しかし、そこで止まってはならな い。Movement (運動)は、止まることなく、動き続けなければならない。だからこそ、movement なのだ。」

★ 風ちゃんの大豆知識
戦争と日本の石油企業
デモのプラカードで一番多いのが、「石油のために血をながすな」というような、ブッシュの戦争政策と石油企業の利益の結びつきを示すものです。反戦デモ などには行かないような人々のあいだにも、そんなメールが飛び交っています。
26日のデモでスピーチをした保坂展人議員との懇談会の時、日本ではそうした認識はあまりない、とのことでした。日本のブッシュ政策支持、戦争協力は、 ただ、小泉首相の「金魚の糞」政策なのでしょうか?そうでもなさそう。三菱や日本スティールが、チェイニー副大統領の出身企業であるハリバートンと結着 して、トクメニスタンから中国を通って、日本にパイプラインを引こうとしています。
こうした事情に詳しい友人のローレンが、「日本の戦争協力は、そのための投資なのよ。」と言っていました。
中近東の石油支配は、日本の企業にとっても要です。いつものことながら、戦争を止めるためには、その根源を突き止める必要がありますね。日本からの情報 を歓迎します。

★ 森住 卓さんの写真集「湾岸戦争の子供達」
*バークレーから始まる写真展

1998年以来数回にわたってイラクを訪れ、湾岸戦争で米英が使用した劣化ウラン弾の遺産に苦しむイラクのこどもたちの写真を取り続けたフォトジャーナ リスト、森住卓さんの写真展をアメリカでやろうというプロジェクトが、8月末にベイエリアで始まった。言い出しっぺは、サンフランシスコに住む一児のお 母さんである川嶋京子さんと、平和活動家の円道まさみさん。
アフガニスタンや、パレスティナへの攻撃が、一息入れたと思ったのもつかの間、ブッシュがイラク戦争を押し進めようとする中で、森住さんの写真を見た京 子さんは、この写真をどうしてもアメリカの人々に見せ、アメリカが攻撃しようとしているイラクとは、いったい誰なのかを知ってほしい、と思った。その熱 い思いを共有するベイエリアの活動家や、「戦争に反対する日米ネットワーク」のメンバーが参加して、短期間にもかかわらず、成果をあげている。
「湾岸戦争の子供達」写真集は、様々なイベントや集会で、400部以上が飛ぶように売れ、最初の展覧会が、新装されたばかりのバークレー市立図書館 で、11月いっぱい展示される。プロジェクトのニュースは、口伝え、メール伝えで広がり、今他の州の約10都市からも、展覧会や勉強会の問い合わせが 入っている。
アメリカの進歩的なイベントはすべてバークレーから始まる、とは、60年代以来の定評。この写真展も、バークレーを皮切りに、イラクについての情報など ほとんどないアメリカの国中に送りたいと、関係者の皆が願っている。

*やっつけイベント・スライド・ショー
イラク戦争を始めさせてはいけない、一度始まってしまったらそれを止めるのは難しい。湾岸戦争では、47日間という短い期間に、第二次世界大戦で使われ た量に匹敵する爆弾が落とされた、というイラク。日本の1,2倍という小さな国土に再び爆撃したら、結果はどうなるのだろう。だからこそ今、何とかしな くては。そんな思いを抱きつつ、では何をしたらいいのかよくわからなかった。
そんなとき、京子さんの呼びかけメールが舞い込んできた。
「緊急ミーティング!森住卓さんが、10月26日の取材で、数日間ベイエリアに来られることになりました。これを機会に、スライド・ショーをやっていた だきたいと思います。そのためのボランティア募集」
彼が到着する1週間前に行われたそのミーティングには、これまでの仲間たちが10人くらいと、バークレー市の環境委員会に勤める核科学者で、日本にも2 回行ったことがある、ローレン・モートさんが集まった。風砂子さんが、英語のメール・リストにプロジェクトのニュースを送信した2分後に、ローレンさん から電話があり、全面的に協力させて、と言ってきたそうだ。
ちょうどその日に、バークレー図書館からの展示の確約が入ってこともあり、みんな勢いづいて森住さんの滞在中スケジュールを、思いつくまま勝手に組ん だ。到着の木曜日の夜から始まって、バークレー、オークランド、サンフランシスコと、連日連夜の強行スケジュール。「これってまるで強制労働だね。森住 さん、大丈夫かな?」誰かが心配気に言うと、風砂子さんがすかさず「彼は何歳なの?」と聞く。「たぶん50歳くらいかな。」と、京子さん。すると風砂子 さんが「若い若い、大丈夫よ、そのくらい。」とあっけらかん。それにローレンが追い討ちをかけて、「アクティビストは寝なくていいのよ」と言い放つ。ウ へ〜!ともかく、これが私達のやっつけイベントの始まりだった。
それから、1週間、日米ネットワークのみほちゃんが全体をしきりつつ、皆それぞれに忙しい中で、誰が何を担当しているのかもはっきりしないまま、あわた だしく準備が進んでいった。木曜日のレセプション当日、会場で準備をしながらも、「彼、イラクの入国スタンプ一杯のパスポートで、入国審査にひっからな いかな?」と心配する始末。しかし、イラクの入国スタンプの隣りにアメリカ入国のスタンプを押してもらい、簡単に入国できた森住さんが現れた。幸先いい ぞ!
参加者の出足は宣伝不足や平日の夜とあって今一つだったが、ベイエリアに住む、アフガニスタンの詩人シャヒ・サダトも駆けつけてくれ、ボランティアのゆ うこちゃんのお手製料理をいただきながら、アットホームな集まりになった。初めてお会いする森住さんの印象は、「なんかおとなしくてやさしそうな人だ な」というものだった。たぶん時差などで疲れていたのだろうが、その静けさの中からも沸沸と沸いている熱いものは感じた。
翌日のスライドショーで、はじめて森住さんの語りとともにスライドを見た。ひとつひとつの写真のうらにあるストーリーを聞きながら見るスライドは、写真 集とはまた違う、圧倒的なパワーで訴えてきた。湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾がもたらしている自然や大地に及ぼしている影響、そしてそこで暮らしてい る人々の生活に及ぼしている被害。特に湾岸戦争前と後では、ガンの発生率は80倍にもなっていて、今後この数字はのびていく可能性があるという。多くの 子供達や産まれてくる赤ん坊たちが
スライドに写っている子どもたちの多くはすでに亡くなっている。何度も眼をつぶりたくなったが、森住さんが彼らと正面から向き合い、彼らの精一杯あらわ している彼らの存在を受け止めているように、私もイラクの現実を眼に焼き付けた。
しかし何よりもわたしの心を打ったのは、この苦しい状況とは裏腹に、子供達がみせているすばらしい笑顔だった。

サンフランシスコで行われた26日の大集会では、私は前日見たイラクの子どもたちのことを思いつつ、「NO WAR!!」と叫んで行進した。集会の会場で見た森住さんは、頭にバンダナをして年季の入ったカメラを首からぶら下げ、会場の熱気と興奮をカメラに収め ようと走り回っていた。写真家の森住さんの真の姿を見たような気がした。
会場にテーブルを出しておいた写真集は完売。さまざまな地方からデモに参加していたアメリカ人が、引きもきらず足をとめ、釘づけになって写真を見てい た。多くの人たちが、こういうことをしてくれてありがとう、と言ってくれた。みんなの思いはひとつだった。「こんなことを繰り返してはならない、何とし てでもこの戦争を始めさせてはならない」
最終日の月曜日はサンフランシスコ大学とサンフランシスコ州立大学にて、学生を相手にスライドショー。宣伝をしてくれた学生達の成果もあり、会場には入 りきれないほどの学生が集まり、森住さんの写真と語りを熱心に見聞きし質問する姿は、まさしく感動的で、アメリカの希望を感じた。

「9/11」以来、私は何度となく、いまこの時にバークレーにいることの意味を思ってきた。今回、アメリカがイラクに攻撃しようとしているときに、日本 人の写真家が写したイラクの子供たちの写真を、アメリカに広げるということ。 とても忙しいこの1,2週間だったが、このイベントに関わることで確実に 今自分が生きている意味みたいなものを感じた。そしていつも思うことだが、この仲間達のすばらしさ。「やろう!」という呼びかけに「やるぞー!」と答え てくれる仲間達。ベイエリアに来てから何度となくこのようなイベントを企画してきたが、この腰の軽さとノリの良さが何ともいえずいい!そして何よりも楽 しいんだよね。どんなに暗い内容がテーマでも、みんなで楽しく笑ってやることで希望を感じる。そう、私達ひとりひとりの中にある希望の灯を消してはなら ないのだ。あのイラクの子供たちの笑顔のように。

お願い:「湾岸戦争の子供達」写真展米国実行委員会では、額縁の費用などを含めて、多額の赤字を抱えており、皆様からのご寄付をお願いしていますので、 よろしく御協力ください。御寄付は、郵便振り替えで、「湾岸戦争の子供達」写真展?米国実行委員会 (振り替え番号:00160-1-566790)に お送りください。
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お知らせ:
月刊誌「Cooyonクーヨン」(クレヨンハウス出版)12月号に、Shake!のスタッフが、「9/11」被害者の遺族をインタビューした記事が掲載 されています。是非ご覧くださいね。
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お詫び:
前回こちらのコンピューターの調子が悪く、「Shake!5号」を受け取っていない方や、文字化けを起こして読めなかった方が多数いらっしゃいました。 再送を御希望の方は編集部まで御一報ください。もう一度送らせていただきます。
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