平成11年9月15日(水祝)13:30〜
国立オリンピック記念青少年総合センター・セミナーホールにて開催
さて、この度、アメリカ先住民イロコイ族に伝わる口承史を初めて文章にした「
一万年の旅路」の著者、ポーラ・アンダーウッド女史を招き、イベントを開催します。
この口承史は我々と同じモンゴロイドの仲間である一族が、アジアを旅立ち、ロ
シアとアラスカをつなぐ水没寸前のベーリング陸橋をわたり、現在のアメリカ五大湖付近に定住するまでの壮大な旅の物語を伝えたものです。
石器時代をも含む太古からの出来事が、歴史的“実録”として詳細に語り継がれ
た物語はまた、一族が、その過程で厳しい自然環境、天変地異、異民族との出会いなどの様々な苦難を乗り越えながら学んできた数々の知恵の積み重ねでもあります。そのエピソードのひとつひとつが含蓄をもち、マニュアルやハウツーものには決して生み出すことができない、力強さをもっているのが特徴です。
新しい世紀を目前に、大きな曲がり角に来ている我々人類という“一族”にとっ
て、この物語はたくさんの示唆や知恵はもちろんのこと、「自分たちもこの局面を乗り越えていくことができるんだ」という勇気を与えてくれるものと思います。
今回、この口承史の伝承者であるポーラさんをお招きし、太古の知恵を現代に活
かし、未来を見据えた私たちの行動や選択とはなにかを、共に考えていきたいと存じます。
◆本件に関するお問い合せ先◆
1万年の旅路プロジェクト事務局/Be-Nature School
担当/森 エ03-5453-0603
◆「未来へつづく知恵の道」実施概要◆
■タイトル:「未来へつづく知恵の道〜ネイティブアメリカンの語り継いだ物語に
学ぶ」
■出演:ポーラ・アンダーウッド、星川淳
■日時:1999年9月15日(水祝) 12:30開場 13:30開演(17:00終了予定)
■会場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟4階 セミナーホール(417室)
住所/東京都渋谷区代々木神園町3番1号(小田急線参宮橋駅徒歩約8分)
■定員:300名(全席自由)
■料金:前売り¥3000 当日¥3500
■主催:1万年の旅路プロジェクト
■後援:(社)日本環境教育フォーラム
■協賛:翔泳社
■申込・問い合わせ:1万年の旅路プロジェクト事務局/Be-Nature School 電話:
03-5453-0603
■内容:アメリカ先住民イロコイ族に伝わる口承史を初めて文章に記した「一万年
の旅路」の著者、ポーラ・アンダーウッドが来日します。はるか一万年以上前にユーラシアを旅立ち、アメリカ大陸に定住するまでの歴史が詳細に綴られたこの実録は、一族が語り継いできた大いなる知恵の物語でもあります。
それほど遠い過去に遡る口承史はどのように語り継がれたのか……。
そこに込められた知恵から現代の私たちはなにを学ぶことができるのか……。
環太平洋を巡るモンゴロイドの足跡をたどるうちにポーラさんと出会った屋久島在
住の作家・翻訳家、星川淳氏を交え、同じモンゴロイドとして日本人とアメリカ先住民が一万年前=縄文の太古までの記憶をふりかえり、未来へ向けての確かな選択を、ともに考えていきます。(逐次通訳付き)
■構成:
1部・星川淳/スライド&トーク「モンゴロイドの大いなる旅とポーラ・アンダーウ
ッド」
2部・ポーラ・アンダーウッド/講演「語り継いだ知恵の物語」
<休憩>
3部・ポーラ・アンダーウッド×星川淳/対談「未来へつづく知恵の道」
※3部の導入時に関野吉晴氏とポーラ・アンダーウッドの対談ビデオ(フジテレビ「
グレートジャーニー」用に北米で収録されたが、番組では放映されなかったもの)のミニ上映も予定しています。
■出演者プロフィール
●ポーラ・アンダーウッド(Paula Underwood)
1932年、ロサンジェルス生まれ。
幼少期より父からアメリカ北東部の先住民に伝わった長大な口承史を学び、思春期
までに正式な継承者となる。大学で国際情勢論を専攻したあと、首都ワシントンで
30年以上、海外援助、核軍縮、女性の地位向上、先住民の教育・文化振興などをテ
ーマとする議会及びNGO活動にかかわる。42歳で口承史の英訳出版という役目に戻り
、現在までに3冊の著書と多数の記事を発表している。
また、古代の知恵を現在に適応させた、PIP(the Past Is Prologue Learning
Way)を開発。合衆国教育省から認定され、全米の学校や大学の教育現場で活用され
ている。アメリカでは新しい学びの方法を伝えるワークショップを主催するほか、
多くの国際組織や企業で顧問やコンサルテーションを担当している。
●星川淳
1952年 東京生まれ。作家、翻訳家。
著書に「星の航海師」「環太平洋インナーネット紀行」「ベーリンジアの記憶」「
屋久島の時間」「地球生活」、ポーラ・アンダーウッドとの共著「小さな国の大い
なる知恵」、訳書にポーラ・アンダーウッド「一万年の旅路」「知恵の三つ編み」
、J・ラヴロック「ガイアの時代」、他多数。
インドとアメリカで精神世界やカウンターカルチャーを体験したうえ、屋久島に移
住し“半農半著”の生活を続けて17年。内なる自然と外なる自然の蘇生をテーマに
環境問題などに取り組む。小説「ベーリンジアの記憶」をきっかけにモンゴロイド
の足跡をたどる取材の過程で、実録としてのベーリンジア(ベーリング陸橋)越え
を書き記した「一万年の旅路」(原題・The walking people)と出会い、ポーラ・アンダーウッドとの交流を深める。
◆参考資料/ポーラ・アンダーウッドの著作◆
『一万年の旅路』
ポーラ・アンダーウッド著/星川淳訳 翔泳社刊 ¥2500
いまから一万数千年前、大規模な天変地異をきっかけに朝鮮半島北部と思われるユ
ーラシア大陸の海岸を出発し、氷河期の終わりとともに水没寸前のベーリンジア(
ベーリング陸橋)をこえて北米大陸に渡り、アラスカ内陸部から太平洋岸へでてロ
ッキー山脈沿いを南下、コロラド高原で東に進路を取り北米大陸を横断。さらに大
西洋岸から最終的に現在の五大湖周辺の森林地帯に移り定住した一万年に渡る壮大
な一族の旅の物語が“実録”として語り継がれてきた。
この旅の途中に起こったさまざまな出来事が目の前で繰り広げられるかのように詳
細に語られ、その一つ一つが冒険物語であると同時に、一族の学んだ「知恵」の物
語として構成されているのが特徴。彼らは旅の途中で出会ったさまざまな他部族か
ら、自分たちが体験してきた失敗から、そして動物や植物などの自然そのものから
学び、学ぶ民として生きていく。
そして「子どもの子どもの子どもたちがより大きな理解と恩恵を受けられるように
」常に次の世代を心に留めながら、大人・子ども・男・女の分け隔て無く意見を取
り入れる意思決定をし「一人では不可能なことも大勢なら可能になるかもしれない
」と考え、「一つの道でもなく、またもう一つの別な道でもなく、そのあいだの釣
り合い・・」を求め平和的な解決とバランス感覚を大事にしていく。平和な時も争
いの時も、一族は常にそこから学ぶことだけは忘れなかった。
物語は北米大陸五大湖の畔にすむ現在のイロコイ連邦に繋がる5部族が平和的共存を
獲得していく過程で、さらなる物語りを予感させつつ幕を引いている。
『知恵の三つ編み』
ポーラ・アンダーウッド著/星川淳訳 徳間書店刊 ¥1,700
先祖からの膨大な口承史を受け継ぎ、さらにそれを現代にふさわしい形でオープン
にする役目を担わされたポーラ・アンダーウッドが最初に英語で世に問うたのが
1983年初版の「狼の代弁はだれがする」。一族が住まいを移す場所を決めるとき、
狼の代弁者をその協議に加えなかったことを発端とするこの物語は、静かながら大
きな反響を呼び、環境教育テキストとして注目された。
さらに教師用の副読本「知恵の三つ編み---学びを促す人々の手引き」と続編の「白
い冬と黄金の夏」「多くの輪・多くの道」が著作として生み出された。現在全米の
多くの学校や企業で使われるこれらの著作を著者の了解のもとに、一巻にまとめて
翻訳出版したものが「知恵の三つ編み」。
『小さな国の大いなる知恵』ヤ新刊!!
ポーラ・アンダーウッド/星川淳 共著 翔泳社刊 予価¥1,900(99/7下旬発刊予定)
アメリカ合州国の中にいまも憲法で認めらたネイティヴ・アメリカンの独立国があ
る。FBIさえ踏み込めないというこの「イロコイ連邦」は、アメリカの自由と民主主
義の知られざる故郷といえる。なぜなら、イロコイの人々は「アメリカ建国の父祖
」といわれる人々に多大な影響を与えてきたからだ。ポーラ・アンダーウッドの家
系に代々語り伝えられてきたオナイダ族のチーフ、スケナンドアとベンジャミン・
フランクリンの友情を伝える口承の物語を中心に、当時の新聞記事などのさまざま
な裏付け資料、星川氏のイロコイ連邦取材の旅などから、アメリカ建国の裏側に秘
められたもう一つの歴史の姿が浮かび上がる。
ポーラ・アンダーウッド講演報告
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