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島日記

2001年5月

虹のように 

★新聞制作の追い込みに入ってパソコンに向かってると、外が騒がしい。子供達がにぎやかに「虹だ虹だ」と叫んでいる。雨の多く変わりやすい天気の八丈島で虹は珍しくないが、気晴らしにと思ってベランダからのぞいてみるとそれは見事な虹が出ていた。町営住宅の前にある駐車場の先は断崖になっていて、その下は藍ヶ江という小さな港になっているのだが、虹はその港の方から立ち上がっているようだった。あわててデジカメで2枚撮ったが、外に出て虹の根元を確かめる暇もなく、みるみる虹は消えてしまい、鮮やかな虹色の印象だけが残った。★思えば東京から八丈に移り住んだのは9年前のことになる。この6月末か7月には神戸の実家に引っ越すことが決まり、八丈での暮らしもあと1,2ヶ月ほど。今となっては9年の歳月も虹のようにあっという間に過ぎたような気がする。長年あこがれた末のはじめての田舎暮らしだったが、住んでいる土地・環境によって感じ方や考え方が変化するのを自分で観察できたのはおもしろい体験だった。振り返ると都会にいたころは自分の居場所にしっかり根付いていない根無し草のような暮らし方だったのもわかった。★また一方、島では楽しいことばかりではなく、トラブルに見舞われたり息苦しい想いも経験して、なぜ島の若者達が都会に出て行きたがるのかもわかったような気がする。でもそんな苦い思いを味わってもやっぱり八丈にはまたいつか戻ってきたいと思っている。★これからまた都会暮らしとなるわけだが、一度田舎の味を知ったからには、同じようでも前とは何かちがってくるのかもしれない。名前のない新聞の内容も、自分の暮らし方の変化とともに変わってきたと思うので、これからまた変化していくのだろうか。自分でもちょっと楽しみだ。★というわけで、島日記もそろそろ終わりを迎えるが、新聞自体は神戸からも出し続けていくつもりなので、今後もどうぞよろしく!〈ア〉

  編集室のベランダから見た虹

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