2003年12月21日 
徳島〜長野 今年の歌い納め


昨夜は徳島は神山で、雪の降る中、例年地元恒例のクリスマスの集まりに友人の万里ちゃんが「愛のコンサート」を織りこんでくれ1時間程歌った。クリスマスソングを神山のみなさんと一緒に歌い、ケーキやチキンを食べ、プレゼント交換して、後はしっとりと歌とお話を聴いていただきました。いつも思うことだけれど、まったく違う人生を生きてきているのに、どの地方の方々の心にもしっくりと深く歌が溶けていく瞬間がある。目には見えないけれど、普遍的な宇宙の調べが自分を含めて会場全体を包んでるのを感じられる時があるんだよね。12月17日の赤穂の普門寺、観音様の手の平コンサートの時は、柔かな光が体を包んでいるのを感じました。連れのギタリスト、下村さんもこの夜のライブで「心を集中させると、指先に目があることに気がついたんだよ。目に見えない存在がそばにいるような気がして何度もまわりを見たんだよ。」とライブの感想を述べていました。そう、普門寺は千手観音の祭られているお寺。
 歌うことは自分の中心に触れることでもあり、宇宙や人々の心と触れることでもある。でも、それは日常の暮らしがあって成り立っていることでもあり、今、長野の過疎の村へ帰り、子ども達と会えるのが楽しみなのです。

昨夜は、12月12日、京都から始まった今回のツアー9日間、11回のライブの最終ライブでソロライブでした。旅の道連れ、ギタリスト&ゲストの下村さんは18日の早朝、赤穂の普門寺から帰路に。面白いもので、道連れがいなくなると新たな道連れが現れたりするのです。
 普門寺からは、鳥取から赤穂まで娘さんを連れてコンサートに来てくれた清水真理子さんの車で西明石へ。寝不足が溜まっていたので車では眠らせてもらった。まだ、4〜5回しか会ってないけれど真理子さんと会うと安心してくつろいでいる。そういう存在が、既に日本中にいる。ほんとにありがたい。移動と2晩のコンサート、宿を共にして彼等の雰囲気が今も残っている。海沿いの下道を走って、真理子さんが興味を持った魚市場で一緒に買い物し、昼ご飯を食べた時の風景。海を眺めていた娘さんの横顔、何気ない場面の中にエッセンスが残ってるんだよね。

 徳島では、今年の2月に出会ったばかりの宮城万里子さん、連れあいのひささんコンビが待っていてくれた。企画から会場作り、照明や音響、物品の展示や販売、宿泊から送り迎えまで全部丸ごと受けいれて仕切ってくれる彼等の存在は暖かく家族みたい。スタッフの真人さんにも今回、随分お世話になった。
 19日、鳴門のコンサート会場は2月に万里ちゃんの主催で初めてコンサートした とこちゃんのスペース。この夜は愛を食する、愛を聴くという食事も楽しめる企画で、きよさんという人がカレーを作ってくれるとのことだったけれど、顔を合わせてみたら、長野の我が家の近くで通りすがりに道を尋ねたことのある男性だった。「春には、また高遠に遊びに行きます」と言うからこの世は狭い。出会いは、さりげなく次の出会いを繋ぐ。

ライブは1回、1回に集中し、心を込めて歌った。ひとりの時は素のままのわたし。下村さんのサポートがある時は、彼の存在が、わたしのツアーの流れや場、願いに添うことができるように、気を使うことになった。人と共同で大切な仕事を成し遂げていくには心できちんと出会っている必要がある。今まで生きてきたシーンや音楽へのアプローチも当然違うので、ささやかだが気になることが現れてくる。コンサートツアーは音楽だけではなく、生き方の交換と出会いの場でもあるから、そういう意味で彼にはご修行の旅となったかもしれない。

今は伊那へ向かう高速バスに乗っている。明日1日休んで、あさってから子どもたちと4週間、タイへ行ってきます。バンコク〜チェンマイ〜パイ〜ジャム島〜夢を織る家 という旅程です。ライブはパイと夢を織る家で。

1年に1度は、こどもたちと一緒に 日本を出て、世界を旅したいなと思っています。自分も子どもも楽しめ、お互いの素のまま、体験を分かち合える時間を作りたい。こんなに自由にしたいようにさせてもらってる母親も少ないかもしれない。わたしが、彼等にしてあげられるのは、世界が広いことを共に体験すること、そして、広い世界の中で自分の心の中心から湧きあがる自分の道を選択できるように、ありのままのわたしで彼等と繋がり、見守っていくことだと思ってます。

ツアーも楽しかったけれど、子どもたちと旅に出られるのもとても嬉しい。昨夜はアマチ(長男)が崖から落ちて、助けに行く夢を見ました。心が掴みにくくなっている彼の存在と、溶けあうことができたらいいなと思っています。

しばらく留守をしますが、来年1月末には帰ってきます。みなさん元気でね。素敵な新年を迎えてください。
 
2月の始めには 東京、水戸でライブの予定。また、関西へも出る予定です。また、どこかで出会いましょう。ひとつひとつの出会いが確実に大切な、なにかを運んできています。来年は いっそう素敵な年になるでしょう。それでは、名残惜しいけれどまたね。


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