2002年7月4日
   岡山



 
7月1日から、3日間、施設でのコンサートが続いた。きょうはオフ。この4日間は施設に勤める上原さんの家に宿泊させていただいていて、彼らは昼間は共働きで、こども3人も学校に行くため、わたしたち家族は家族だけでマイペースの日常を過ごさせていただいている。

きのう歌った施設でいただいたバットとグローブを持って、散歩に出た。カリフォルニアでもオーストラリアでも暑い日は湖を見つけると車を止めて、泳いでたが、たくさんのあおさぎのいる池を「泳げそうもないなあ。」横目で見ながらとつぶやくカズの声に「どうして泳げないの?」と屈託のない八星の声。

ほんと、日本の川も海も、ましてや池ではよっぽど田舎に行かないかぎりきれいじゃないんだよね。人間が込み合って生きるスペースでは、よっぽど意識的に暮らしていかないと環境を健全に保つことは難しい。

しかし、ここは、それでものんびりとしている。小道に草や野の花に交じっておいしそうな青じそ。うぐいすの鳴き声。そして誰もいない公園でカズとこども達は野球をしている。

誰というわけではないがこの数日間に出会った施設の老人やこども達の熱いまなざしがわたしの中にある。余生を施設でおくる老人や、施設で人生の大半を過ごす障害者の方々が、それでも限りのない広がりをもつ心を抱いていることを施設で歌うたびに感じる。
コンサートに出てこられない方々のために施設でも歌う機会を増やしていこうかな。