2001年3月5日  

 



日本に着いて、8日目の朝。東京は東小金井の妹の針灸診療用の小さな部屋。両側に子供達に挟まれてひとつの布団で3人で眠った。和生は今ごろ花巻。友人から車を買うことになり、このところ日本とカリフォルニアを同じ時期に行き来している直人と一緒に車を受け取りに出かけた。
 
アメリカを発つ直前、八星が風邪で高熱を出し心配したが、日本に着くないなや千葉の友人の家で、わたしも数日寝込んでしまった。3月2日はツアーの初日、東京は武蔵小金井のリバースにて。リバースはひろさんというユニークな歯医者さんが提供してくださっているフリースペースで、この場所では素敵な絵をcdジャケットに描いてくれた優明さんと偶然出会ったりしている。今回は、前回のお客さんだった佐久間さんが主催。ゲストやスタッフ、縁の濃い友人が混じる30人以上の、いい感じの集まりになった。この日はわたしはなんと声が出なかった。風邪で声がかれてしまい、オクターブ下げたらかすかに出る状態。和生が歌い、わたしはバイオリンの伴奏に専念した。実は翌日のあきる野市のコンサートではさらに具合が悪く、頭がくらくらする始末。和生は喜んでたくさん歌い、話もしてくれたけど、わたしとしては集まってくださったみなさんに申し訳なかったな。個人的にはがらがら声で、きてくださった方々とお話しました。

あきる野市では場所を提供してくださったのは自宅をトンボだまなどの工房やヨガ、瞑想などのワークショップに公開している飯田さん。実は前回のツアーでもコンサートをさせていただいた上にトンボだまつくりを教わったのだが、今回はヒーリングをしていただき、ヨガの初歩を習いました。ヒーリングはとてもシンプルで固まってしまっている体を解きほぐし、体の自己治癒力を高めるためのもので、最後に手のひらでわたしの体の悪いところを探してくれました。やっぱり、肺が”イヤーな、感じがする”とのことでしたが、手のひらを当ててしばらくしても通りの悪さはかわらず”まだ、治る時期ではないかもしれないね。症状が出きらない内に直すとよくないんですよ”と言われるのを聞いて、ほんとにそうだなあ、とかえって腹が座りました。歌い手としてはコンサートで歌えないほど情けないことはない。声さえ出れば!と直すことばかりに神経をめぐらせていたのだけれど、すべては自然の流れに沿って起きているこの風邪ともうまくつきあってゆきましょう!という気になりました。とはいえ、ヒーリング以降、体が回復にむかって声も出つつあります。やっぱり早く歌いたい。わたしは歌うことがほんとに好きです。