太陽近縁に暗黒天体が再び出現 (2015.10.18)

 今年7月、NASAの太陽観測衛星SOHOが撮影した驚くべき映像が公開された。
 そこには太陽面を通過していく黒色の巨大な球体が写っている。それだけではない。物体が太陽面を通過していく際に、透過現象が起きているのだ。つまり、物体を通して太陽が透けて見えているのである。SOHOが捉えたこの物体は、いったい何なのか?
 実は、この物体は「金星」で、その金星が太陽面を通過していく現象、「日面通過」という極めて珍しい天体現象だ、との説が飛んだ。だが、はたしてそうなのか?
 金星の日面通過とは、金星が太陽面を黒い円形のシルエットとして通過していくように見える天体現象である。この現象は、金星が公転しながら太陽と地球のちょうど間に入ることで起こる。ちなみに日面通過が起きる周期は、122 年、8年、105 年、8年となっている。
 直近の金星の日面通過は、2012年6月5日、6日で、21世紀ではこの時が最後のはずなのである。それ以前は2004年6月8日、さらに遡ると、1882年12月と1874年12月だった。周期を考えると、次に起こるには、2117年12月10〜11日、そして2125年12月8日となっている。つまり、今回出現したこの黒色物体は、金星ではないということになる。
 そもそも金星がこのように透けて見えることはありえない。とはいえ、いかにも金星の太陽面通過を彷彿とさせるこの黒色の球体―。金星ではないとしたら、その正体は何なのか。

 実は今年5月31日にも、太陽近縁に同様の黒色物体が出現している。CME(コロナ質量放射)を観測していたSOHOが撮った画像のプロミネンスの中に、黒色の球形物体が出現している様子が写っている。
 黒色の球形物体といえば、2012年3月11日に太陽近縁に出現したそれを、以前の「宇宙NEWS〜」のレポートでも報告した。黒色球体というが、はっきり言ってこれは一つの天体、不規則に太陽を周回し、時には異常に接近する未知の遊星であろう。
 21世紀に入るまでは、木星の影に隠れて、ほとんど動かなかったらしいその天体は、最近、なぜかその動きを異常なほどに活発化させているように見える。特徴的なのは、度々の太陽への超接近だ。そして、透けて見えるのは、この天体が地殻を持った固体ではなく、黒いプラズマ―ブラック・プラズマの塊であるからだろう。地球上でも球電現象でブラック・プラズマの塊が観測されており、宇宙にそのようにブラック・プラズマの塊である天体が存在してもけっしておかしくはない。

 この黒色球体を天体ではなく、一種のUFOであるということを唱える人もいる。
 あの矢追純一氏も、そのようなことを言っているようだ。太陽面が透けて見えるこの黒色球体は、何かに操作されているUFOなのだろうか。
 以前のレポートで、私はこの黒色球体―天体を、仮称ラジャ・サンとも呼んだが、それはチャネリングを通じた偽情報で、実際にそのような天体は存在しないという指摘もある。それでも、それを何と呼ぶかは別にして、その存在しないはずの天体―物体が、確かにこうして捉えられているのだ。どう見てもカメラのミスやバグでありえない、このくっきりと写った黒色球体は、UFOというより、やはり天体であると考える方がふさわしい。
 天体であると考えることを躊躇わせるのは、それは惑星や彗星を含めた通常の天体とはあまりにも異なる、重力の法則を外れて、それ自身が意思を持っているかのように、自由勝手で、予測のつかない動きを示しているように見えることだ。そんな動きをする天体は従来の科学の常識からは、想定すらできないものだった。
 この暗黒天体は、木星とほぼ同じ大きさを持っているらしい。仮にそれがブラック・プラズマの塊の天体であるとして、2012年以来、こうしてしばしば太陽に異常接近しているのは何故だろう。その時、竜巻のように太陽との間にフィラメントが延び、あたかもエネルギーを注入、あるいは吸収したような動きを見せる。いったい何が起きているのか。

 太陽からの光を反射しない、通常は全く観測不能のこの暗黒天体は、見るからに不気味さを感じさせずにおかない。私自身も、この太陽系にこんな天体が存在していたのかと、あらためて驚愕した。そんな天体が存在するとしても、太陽とそれとの間で起きている現象で、地球には関係ないと済ましていられることだろうか。仮にそれが地球軌道に接近したら、大いに影響を被るだろうが、恐ろしいのは、よほど接近して影響が出始めるまで、その天体はほとんど観測不能であるということだ。今後も、この暗黒天体の動向には要注意である―。

                                      *写真は『ムー』2005年10月号より転載


 

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