UFOと“神の火”

 前世紀に人類が手にした“神の火”―核エネルギー。放射性物質という魔の力を内包したそのエネルギーは、生命を絶やす兵器となり、あるいは暴走の脅威と背中合わせのテクノロジーとして、地球文明に根を下ろしている。そして、その巨大なエネルギーは、地球外から“ある物”を呼び寄せている。世界中の核施設、原子力発電所を監視するように、UFOが飛来しているのだ。UFOは、何を目的に、あるいは意図をもって人類の核技術に近づくのか? 彼らは、“神の火”の真の脅威と危険性、そしてその起源や由来を、我々に伝えようとしているのだろうか―。

原発事故の現場に現れるUFO

 2011年3月11日、M9の東日本大震災が東北太平洋沿岸で発生。同時に福島第1原発で3基の原子炉がメルトダウンする大事故が発生。放射性物質の大量放出という未曾有の原子力災害へと発展していった。アメリカのCNNや各ニュースサイトでは、1号機と3号機の爆発の鮮明な映像を流し、東電と日本政府が事故当初に隠蔽した「メルトダウンが起こった」という事実を報じた。
 その後、国内でも、放射性物質放出のニュースが連日報道されたが、この時、多くのニュース映像でも“ある物”が映り込んでいた。未確認飛行物体、すなわちUFOだ。
 まずは3月12日。CNNのニュース中継で、1号機原子炉近くに接近し、一瞬で消え去っていくUFOが写り込み、次いで3月18日には、3号機原子炉に放水を開始した映像に黒色のUFOが下方からジグザグに動き回り、上方へと去っていく様子が撮られている。
 そして3月26日には、原発施設のある空の一角に白色の球形UFOが群れをなして出現。浮遊しながら移動していく光景が撮られている。これは海外ニュースで放映されたが、なぜか国内では放映されなかった。

 UFOの出現はさらに続き、4月12日午後4時頃のライヴカメラに、白色の葉巻型UFOが右から左へとゆっくり移動していく光景が捉えられた。さらに6月13日、そのライヴカメラが、19時から22時頃までの間、原発上空で発光するUFOを捉えている。
 現在も原発上空の飛行には制限があるが、当時は自衛隊機など、ごく限られた航空機しか近づくことができなかったはずだ。しかもその形状は、世界のどの国の航空機にも似ていない。
 もちろん、UFOに関して政府や公的機関からの発表はない。報道されないことが疑問視されたのも含め、一部のUFO研究者からは、UFOと原発との間に浅からぬ因縁を指摘する声も挙がっている。不可解なのが、UFOの行動パターンだ。映像を見る限り、UFOは明らかに原発を目的対象とするように現れている。しかも、定点観測をしているかのようなパターンでだ。

 実は、あのチェルノブイリ原発事故でも、UFOが出現していた。1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発で起きた核暴走―爆発事故。この際、関係者の間で火球のようなUFOを見たという証言が数多くあったのだ。出現したUFOは黄銅に似た色で、崩壊し燃え盛る4号炉の300m圏内で目撃されている。最初の爆発から3時間後のことだ。
 目撃者の証言では、この時UFOは4号炉の上空を3分間にわたって滞空しながら、二筋の赤い光線を原子炉に照射し、その後、UFOはゆっくりと北西へ向けて、飛び去っていったという。
 UFO出現直前の放射線レベルは毎時3000ミリレントゲンだったが、赤い光が照射された後は毎時800ミリレントゲンになったという。この事故で“核爆発”という最悪の被害が起きなかったのは、UFOの助けがあったからだとも言われている。
 福島第一原発、そしてチェルノブイリ。この二つの現場でのUFO出現実例を見るにつけ、UFOが核施設にことさら関心を抱いていることは、想像に難くない。そして、なぜか今また、世界中の原発上空やその近辺で、UFOの活動が活発化している。

原発で多発するUFO目撃事件

 近年、原子力発電所の近辺でのUFO出現の頻度が増している。この問題を追っている海外サイトの記者リーダ・アーメドの報告では、2014年だけでもフランス、ベルギー、メキシコ、アメリカにある原発施設などにUFOが出現し、その姿が動画で撮影されているのだ。
 まずは、スロベニアで起きている実例から見ていこう。クルシコ原発は、スロベニアで唯一の原発として稼働中だが、2008年以来、施設の上空や近郊でのUFOの目撃が異常とも言えるくらい多発している。
 特筆すべき事件が起きたのは2008年10月24日早朝だった。紫、赤、緑、青色に光り輝くUFOが、原発上空に出現、施設の作業員が携帯電話の動画モードで撮影に成功した。同じUFOが10月13日と16日にも撮影されており、この目撃された時間帯に、首都リュブリャナで約5分間の停電が起こったのだ。停電の原因は全く不明だったことから「UFOのせいだ!」と、大騒ぎになった。

 その後も、同原発上空にUFOが現れ続けている。2013年1月26日夜、原発の上空を舞う、2機のUFOが動画で撮影された。2機のUFOは紫と青色に光り輝きながら脈動し、対になって飛び回った。ちなみにUFOは翌2014年にも原発付近に出現し、撮影されている。明らかにこの原発が、UFOのターゲットになっていたと言っていいだろう。

 次は、マスメディアでも話題になったフランスでの事例だ。
 2014年10月、フランスでは国が所有するブレイユ、ゴルフェッシュ、カットノン、ハイエなどの原発の上空にUFOが集中して出現。大きな話題となった。時には原発付近で15機もの編隊が目撃されたという、驚くべき報告がある。当初、そのUFO目撃はグリーンピースが抗議のため飛ばしたラジコンの誤認ではないかと疑われた。だが、グリーンピースは自分たちとその編隊との関連を全面的に否定し、フランス政府もEDF(フランス電力)も何ら説明をしなかった。その正体は、核開発に反対する人々が飛ばすリモコンの類だという指摘もあるが、ハイエ原発の責任者は、それを否定。施設に飛来した物体はUFOだと明言した。
「今、我々はラジコンを見ているのではない。UFOを見ているのだ。しかし、それは施設の安全を脅かすものではない。これらのUFOは侵略とか攻撃するという意図などなく、施設に接近してしばらく滞空してから、いずこともなく飛び去っていく」
 そう語る、施設長のパスカル・ペザーニは、施設上空に現れた物体は遠隔操縦される飛行機ではなくUFOだと、あからさまに断言しているのである。その後の報告でも、同原発上空または近辺でのUFOの出現は13〜18件起きているという。

 フランスばかりではない。2014年12月末には、ベルギーのアントウェベンから11キロ離れたドゥール原発にも光り輝くUFOが飛来し、原子炉に接近したという。その直後、原子炉が緊急停止したらしいが、なぜかその詳細については一切公表されていない。

 これらとよく似た事例が、実はほかにもある。20世紀半ばから、UFOが世界中の“ある施設”に頻繁に現れているのだ。その施設とは、核ミサイルを保有する軍事基地である。原発と核ミサイルを保有する軍事基地―この二つに共通するキーワードは「核エネルギー」。だとすれば、UFOは人類が有する核エネルギーに対し、何らかのアプローチを行っている可能性がある。

 実は、UFOが核施設に対して高い興味を示す、という事実を証明する統計的証拠が存在する。アメリカ・ハンプシャー州ボウにあるサン・リバー研究所のドナルド・ジョンソン博士が、「UFOCAT2002」のデータベースを使って、第2次大戦以降に蓄積されたUFO事例の物証に関する分析を試みている。そして、その結果は驚くべき事実を示していた。
 この分析では、核施設のある164の郡と核施設がない164の郡との比較検討が行われている。人口が5万〜10万1000人程度の郡で比較すると、核施設が存在する郡ではUFOの目撃事例が100人当たり37.03件となり、この数字は核施設が存在しない郡と比較しても2.61倍も高い。また、核施設がある郡のUFO目撃事例は、核施設がない郡と比較しても3051件も多い。接近遭遇に関して言えば、平均目撃数とされる数値との差はプラス568になるのだ。

核施設を制するUFO

 こうした事実に着目し、30年に渡り、核兵器施設におけるUFOの目撃事例を追い続けた人物がいる。それは核とUFO研究の第一人者ロバート・ヘイスティングスである。
 第2次大戦後、核兵器先進国アメリカは、自らの力を誇示すべく、地球上の様々な場所で核実験を繰り返した。地上だけではない。成層圏では、2000回以上もの核実験を行い、放射能を宇宙に放出しているのだ。それと時を同じくして、加速度的に進む核武装に対して警告を発するように、核施設へのUFOの出没が相次ぐようになった。

 一般には広く知られていないが、UFOと核の関連について書かれた文書は決して少なくない。情報公開法の下、空軍、FBI、CIAの機密ファイルの内容が公表されるにつれ、アメリカ国内に点在する核兵器施設におけるUFOの活動パターンも明らかになりつつある。この種の記録には、古くには1948年に作成されたものもある。これらの事例について、実際にその場に立ち会った関係者にインタビューを行い、数多くの資料を獲得しているのがロバート・ヘイスティングス博士だ。
 ヘイスティングスは1973年以来、30年以上にわたり、空軍関係者150人に対してインタビューを行っている。その対象となったのは、元軍人あるいは退役軍人という立場であり、国家安全保障に関わるレベルでのUFO事例に直接的・間接的に関わってきた人間。しかも、事件発生当時は核ミサイルの発射から管理、そして保安部門を担当していた士官級の軍人ばかりである。

 ヘイスティングスが取材した事例は、1948年から1991年の長期に渡る。その取材期間もさることながら、その行動範囲もアメリカを中心に、イギリスやロシアの核施設まで含まれている。ヘイスティングスが取材した一連の事件に関しては、一定の共通事例がある。明るく巨大な光、あるいは正体不明の“不思議なヘリコプター”などが研究所、基地や核兵器格納施設、核ミサイルの上空に出現。ほとんどの場合、周辺の軍事基地がそれを捕捉した上で、迎撃機をスクランブル発進させ、上空の警備に当たらせているのだ。
 これらの事例報告が全てUFO現象であれば、その背後に存在する知的生命体が、核兵器および原子力に関心を抱いていることは、もはや疑いようもない。

 だが、ヘイスティングスが注目しているのは、その事実だけではない。目撃者の多くが、上空のUFOから核兵器保有庫や地下のミサイルサイロに向けて、光あるいは何らかのエネルギー波が照射されたという証言をしている。この種の光あるいはビームは地下施設に向けられたこともあり、かなりの透過性を有するものだと考えられている。
 さらに驚くことに、これによって核兵器のテレメンタリー(遠隔操作によって算出された数値)に変化が起き、管制機能が無力化するという現象まで頻発しているのだ。
 ヘイスティングはそこに着目している。UFOは単に監視するだけに留まらず、ある種の実力行使を行っていたと指摘するのだ。

 ヘイスティングスが調査した中で、同様の事件は、ロシア―旧ソ連でも起きていた。
 それは、1982年10月4日、ウクライナのベロコビチェ近隣の軍事基地で起きた。
 UFOが核ミサイル格納庫の上空で滞空しながら、強力な電磁波パルスのようなものを照射。コンピューター・セキュリティ・システムが無力化し、地下格納庫のコントロールパネルが発射準備完了のサインを示したのだ。すぐにモスクワと連絡がとられたが、当然ながら、いかなる発射も承認されていない。だが、その16秒後に、突然、正常に戻ったという。
 周知の通り、核ミサイルを発射させるには中枢機関の承認をはじめ、複数のプロセスが必要であり、複雑な暗号コードも必要である。だが、UFOはミサイルをスキャンし、何らかのシグナルを送ることで遠隔操作することができるらしい。しかも、発射状態にできるだけではなく、墜落させることもできるようだ。
 1964年、太平洋上空で米軍がミサイルテストを行った時のこと。最高時速1万マイルで飛行するダミーの核弾頭を積むミサイルに、UFOが並行飛行、弾頭に向かって光線を発射し、海洋上に墜落させているのだ。この時のシーンは映画フィルムにも撮られているという。
 こうした事件が事実であるとすれば、第三次世界大戦勃発の危機が現実に近づいた瞬間が何度もあったことになる。だが、それはUFOの操縦者自身によって回避された。
 だとすれば、彼らはいったい何をしようとしたのだろうか。
 それについて、ヘイスティングスはこう考えている。

「私は“地球への訪問者”が、ミサイルを発射することを試みているとは思いません。
 むしろ、アメリカとロシアのどちらかが、戦争時にミサイル発射を試みるならば、そのような未来に彼らが発射シークエンスを中断させることができるよう、エレクトロニクスがどのようにその条件を引き起こすかを学ぶために一時的に発射準備状態を作り出していると考えています。さらに彼らが意図すれば、核弾頭ミサイルの機能をコントロールし、それらを発射不能にできるという事実を示そうとしているのかもしれません。つまり、アメリカとロシアの両政府に、両国が核兵器を所有し、使う脅威があることは〈危険な火遊びをしているということなのだ〉ということを伝えているのです」

 彼の推測が正しければ、UFOには侵略の意図はない。だが、それでもアメリカ、そして、おそらくロシアもUFOの行動に脅威を感じたのだ。正確に言えば、厳重な核ミサイルの発射システムもいとも簡単にハッキングするテクノロジーに恐怖しただろう。

“神々”の文明を滅ぼした古代の核戦争

 インド古代神話の叙事詩『マハバーラタ』。そこには核兵器を使用したとしか考えられない、〈最終戦争〉の描写が実にリアルに描かれている。
 悲劇は、クル族の勇者アスヴァッタマが駆る飛行兵器「ヴィマーナ」が、神々すら抗えぬ武器「アグネヤ」を撃ち放ったことから始まる。対抗するパンダヴァ族が、「人間には使うな」と神々と賢者から抑止されていた殺戮兵器「ブラフマストラ」を使うのだ。それが投げつけられると、太陽が1万個集まったような白熱した光の柱が現れ、木々や水を焼き、熱線が人々を灰と化した。
 死体は見分けがつかないほど焼けただれ、生き残った者も髪の毛や爪が抜け落ちた。そして、数刻の後、全ての食物は毒で汚染された。
『マハバーラタ』は、紀元前10世紀に起きた大戦争を物語るという叙事詩だ。これが現実に起きた事象を元に書かれたと考えると、今から3000年も前に核兵器のようなものが存在し、それを使った戦争が起きていたことになる。
 それが太古に描かれた絵空事ではないと証明する物証も残されている。パキスタン南部に位置するインダス文明の都市遺跡モヘンジョ・ダロとハラッパーは、『マハバーラタ』に記述される最終戦争の中心舞台となった場所だと目されている。とりわけ、モヘンジョ・ダロ遺跡から発見された人骨群の一部からは、通常の50倍に上る放射能が検出され、市街地からは瞬間的な高熱(セ氏1000〜1500度)を浴びてガラス化した、壺やレンガの破片が大量に発見されている。
 さらに、その近傍には「ガラスになった町」と呼ばれる地域があるという。そこには砂が高熱で溶けて再固化した黒いガラス質の「テクタイト」が800メートル四方に広がっている。このテクタイトは、現時点では核実験が行われた砂漠でしか見つかっていないものだ。

 こうした遺跡は他にもある。カナンの諸都市(ソドムとゴモラ)があったとされる黒海周辺では、動物の生殖能力を失わせるほどの強力な残留放射能が、シナイ半島では宇宙空間からでしか確認できないような大規模な爆発による傷跡と大量のテクタイトが発見されている。やはり、太古の時代に核戦争が起きていたのではないか。だとすれば、『マハバーラタ』に描かれる事象は、何らかの歴史的事実から“想像”したものと考えるべきだ。
 つまり、そこに登場する神々も、飛行兵器ヴィマーナ、殺戮兵器ブラフマストラもまた、実在したと考えられる。

 古代神話に文明そのものを一瞬にして滅ぼす神々の兵器と、核の脅威を語ったとしか考えられない記述が伝えられ、核戦争の跡地としか思えない放射能汚染地帯が存在するのはなぜか。やはり、“神々の文明”を滅ぼすほどの大規模な核戦争が太古に起きていたと考えざるをえないのだ。神話や伝説で語られるような核の危機は幾度となくあった。いや、今なお続いている。彼らUFOを操る存在、すなわち神々と呼ばれる存在、もしくはその血脈を継ぐ者たちは、かつて自分たちの手で地球を穢してしまった悪しき経験があるのかもしれない。それゆえ彼らは、今また人類が自分たちと同じ轍を踏ませないために警告しているのではないか。だからこそUFOは、その危機を警告するために、世界中の核施設に姿を現し続けているのだ。

 かつて神々が築いた文明を滅ぼしたのが核だとしたら、その力を手にした時から我々は侵すべきでない領域に踏み込んでいるはずだ。そして、一度は誤った使い方をしながらも、幸運にもその脅威に気づくことができた。だが、我々が再び誤った選択をした時には、今度こそ人類そのもの、地球そのものを滅ぼしてしまうかもしれない。そうならないための選択肢はただ一つ。核開発を止めるしかない。実はヘイスティングスも、この考えに至っている。彼は唯一の被爆国である日本こそ、原発の稼働を中止し、核開発そのものを廃絶すべく世界に警鐘を鳴らす役割があると指摘する。
 UFOからの警告を受けるまでもなく、この国は原爆の投下、そして原子力発電所の壊という“核の悲劇”を、二度、三度に渡り経験しているのだ。真の意味で、過去の経験から教訓を得て、それを未来に提言できるのは、この日本をおいてほかにはない。我々日本人は、この世界を“核のない世界”へと導く役割を果たすことができるだろうか―。



 

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