「シャンバラ」の謎と地球内天体

(その二)


 

地球内天体アルザル=シャンバラ 

 バード少将は、死を目の前にして、こんな言葉を口にしている。
「あの天空の魔法の大陸、永遠の神秘の国よ」
 バード少将の証言によって、アメリカ軍は地球内部に、我々の全く知らない世界―天体が存在することを確信した。彼らは諮問委員会での記録は元より、バード少将の日記に至るまでことごとく封印し、内部地球に関する情報をトップシークレットに指定。プラズマ亜空間に存在する地球内天体のコードネームを、深い意味を込めて「アルザル」と命名したという。この地球内天体アルザルにこそ、古から伝えられる地底王国シャンバラが存在するのである―。

 バード少将らが地球内天体アルザルに侵入した際、不思議なことに通信が正常に働いていた。途中までではあったが、バードはアラスカ基地と交信している。これは亜空間が異次元ではなく、正空間とつながっている状態を示しているのかもしれない。つまり並行宇宙ではなく、「異三次元」。あたかも建物の一階と二階のように、同じ三次元空間が重なっているのだ。バード少将の飛行機が、エンストを起こさずに飛行できたのも、そこに十分な空気と適度な温度があったからにほかならない。
 しかし、地球表面と大きく異なる点が一つある。地球内天体アルザルの空には太陽がない。空自体がプラズマによって光っている。四六時中、ずっと昼間なのだ。24時間という1日のサイクルもない。当然ながら四季もない。天体の大きさと温暖な気候を考えると、雪が降ることなどない。季節風や嵐、竜巻といった気象現象も、ほとんどない。
 ある意味、地球内天体アルザルは地球上では失われた楽園なのかもしれない。イヌイットは北極の向こうに楽園があると言い、北欧の人々は極北に民族の原郷ウルティマ・トゥーレを夢想してきたが、それは事実だったのである。

 プラズマは通常、高温状態であり、とてもではないが人が触れられるものではない。
 人間をプラズマで包んだら、文字通り蒸発してしまうだろう。しかし、プラズマとは実に不思議な代物で、ある条件、ある周波数で発生させると、なんと常温となる。常温になってもプラズマの特性は失われていない。物体を包んだり、プラズマ・トンネルを発生させることが出来るのだ。
 地球内天体アルザルもまた、この特異点の状態になっているらしい。アルザルの地上は地球環境と全く同じ。太陽の代わりに上空の大気そのものが発光しており、地上を照らし出しているのだ。

 チベットの聖画タンカを見ると、シャンバラは光輝く二重の円、もしくは山々に囲まれている。これは地球の内部構造と瓜二つ。外側の円が地球の表面世界、内側の円が核に相当する。そこで生じた亜空間に存在する地球内天体アルザルこそ、タンカが示すシャンバラなのだ。また、『カーラチャクラ・タントラ』によると、シャンバラは、巨大な七つの山々に囲まれていると記されている。これは、地球上に存在する七つの大陸に対応する。
 三次元的に考えれば、地球内部からの視点である。地球内天体アルザルの位置を的確に表現している。
 クンゴ・ジグメはじめ、多くのチベット僧が、シャンバラの位置を何故か北極に求めた。ここには、目に見えない〈プラズマ・トンネル〉が、口を開けている。両極上空にはプラズマが発生しており、特殊な装置で観測すると、リング状のトンネルが形成されているのが分かる。それは地球内部の亜空間へ通じる入口ではないだろうか。従って、プラズマで包んだ物体を投げ込めば、物体はそのまま亜空間に侵入し、ついには地球内天体アルザルに至る。
 地球内天体をシャンバラと考えれば、北極はその入口と言えるだろう。実に、チベット僧は正しかったのである。

ロズウェルで墜落UFOから回収された

           エイリアンは人間だった

 少し古い話だが、1994年、ロズウェル事件に関して、大きな展開があった。
 ケビン・ランドルとドナルド・シュミット。2人のUFO研究家が事件の関係者を丹念に取材。封印され続けてきた事実を掘り起こし、一冊の本『ロズウェルに落ちたUFO』にまとめて発表した。
 彼らが取材した関係者の中でも、直接事件に関わった当事者として注目されるのが、フランク・カウフマンである。彼は元軍人で、当時、ロズウェル陸軍基地に所属。墜落UFOを回収する任務を帯びた9人の特殊部隊の一人だった。
 謎の未確認飛行物体は、7月1日の時点で、ホワイトサンズ空軍基地のレーダーに補足されていた。軍部は、ニューメキシコ州南部を飛行するUFOを追跡しながら、状況を見守っていた。が、4日(実は2日)の深夜11時20分、突如、レーダー上のUFOが眩しく輝いたかと思うと、突然、スクリーンから姿を消した。明らかに墜落だった。
 3カ所のレーダー基地から追尾していたため、墜落ポイントは、すぐに特定できた。

 翌朝、カウフマンら軍の人間が駆けつけた時、UFOは崖に頭から突っ込んでいた。
 全体に大きく歪んでいたが、その形は三角形。中央に膨らんだ胴体があり、いわゆる円盤形ではなく、三角翼の戦闘機に似ている。全体的に少し丸みを帯びており、両翼の後部は内側にカットされている。つまり三角形とはいうものの、正確に言えば五角形のような形をしていたらしい。UFOの全長は約9メートルで、幅が約5メートル。厚さが約2メートル近くあった。UFOは左側の損傷がひどく、ぱっくりと口が開いており、そこから内部が見えた。覗くと、そこには機械のようなものが見えたという。UFOの内部を調べてみると、操縦席らしき椅子に、2人のエイリアンがぐったりともたれかかっていた。
 いずれも、息絶えていた。さらに調べたところ、もう一体、エイリアンの死体が確認された。
 エイリアンの身長は、いずれも約1.5メートル。皆やせており、頭が大きい。髪の毛はなく、坊主頭。目は地球人に比べて大きめで、しっかり瞳もあった。手足の指の数は5本。見た目の印象は地球人と全く同じで、東洋人、モンゴロイド風である。ただ、肌は青みがかった灰色をしていた。また、体には金属製だが、布のような手触りのスーツを着ていたという。
 カウフマンによると、エイリアンたちは非常に安らかな死に顔をしており、感動すら覚えたという。彼らは明らかに知性を持った人類であり、いわゆるグレイなどという異星人は虚構に過ぎないと断言する。

 ランドル&シュミットが調べ上げた情報は、UFO研究家の間でも高く評価され、現在ではロズウェル事件を語る上で避けることができないものとなっている。だがしかし、元軍人であるカウフマンの情報にはフェイクが混じっている。もし、トップシークレット級の情報を漏らせば、ただでは済まない。カウフマンが退役軍人として堂々と情報を流しているのは、そこに軍の意図があると見ていい。
 まず一つ、ロズウェルにUFOが墜落したのは7月4日ではない。7月2日である。
 確かに、UFOが墜落した原因は落雷であるが、4日に嵐はなかった。UFOが墜落したのは、嵐のあった7月2日であり、軍が墜落UFOを回収したのは、7月5日である。
 回収されたエイリアンはグレイではなく、もっと人間に近いという。ここが重要だ。
 軍は、ロズウェル事件のエイリアンが、かなり人間と似ているという情報が広まっている事実に危惧を抱いていた。偽情報と混ぜて、エイリアンが人間タイプであるということをリークするのが得策だと考えたのかもしれない。

 ランドル&シュミットの『ロズウェルに落ちたUFO』が世に出た1994年。この年の1月、ニューメキシコ州選出のスティーヴン・シフ下院議員が、国防総省に対して、ロズウェル事件の解明を要請。GAO(会計検査院)に、軍がロズウェル事件を隠蔽した可能性を調査するように求めた。
 これを受け、9月にペンタゴンは緊急声明を発表。ロズウェル事件の真相は、極秘の「プロジェクト・モーグル」実験で、墜落したUFOとは、落下した軍事用モーグル気球。
 回収された異星人とは、人体へのデータを調べるため、一緒に乗せたマネキンだったと発表した。一般メディアは、これでロズウェル事件の真相が明らかになったと納得したが、全くもってなめられたものだ。『ロズウェルに落ちたUFO』で提示された事実や疑問にも、何一つ答えていなかったにも関わらず、これでけりがついたことにされてしまった。 その後は、誰もがロズウェル事件なんて忘れてしまった。

 ロズウェル事件が起こったのは1947年7月である。この時、墜落したUFOからエイリアンが発見された。地元ロズウェルでは、事件が新聞発表される前から、小人のエイリアンが回収されたという噂があった。小人である。グレイでもなく、アメリカ人の平均身長で作っているマネキンでもない。当時、当局の否定によって、UFO墜落事件そのものがもみ消された形となったが、住民の多くは納得せず、当局は「小人エイリアン」の死体を隠し持っているに違いないと囁いていた。

 ロズウェル事件で墜落UFOから回収されたエイリアンは、グレイではなく、やはり人間だった。我々地球人と同じ生物。すなわち「霊長類ヒト科ホモ・サピエンス・サピエンス」だったのだ。矢追純一氏と飛鳥昭雄氏が入手した機密文書によると、以下のことがそこに記されている。
―身長や体の特徴は、ほぼカウフマンが述べる通り。7月5日の深夜、サンアウグステン平原にやってきたロズウェル陸軍基地の部隊は、墜落UFOの機体と破片を回収すると共に、エイリアンの遺体を木箱に回収。そのまま遺体を基地の「84格納庫」へ搬送した。
 3体の遺体のうち、1体は輸送機に乗せられ、ワシントンの「アンドリュース陸軍航空基地」へ運ばれた。残る2体は、翌日、オハイオ州、後の「ライトパターソン空軍基地」へと運ばれた。そこで、最も損傷がひどかった一体をAAF(陸軍飛行場)病院に運び込み、検死を行っている。
 この時の診断によると、頭部は東洋人風の容貌であり、瞳の色は黒。アングロサクソンのように彫りは深くなく、顔は平坦。形質から、エイリアンはアジア系の人種、つまりモンゴロイドに近いと判断された。3人のうち一人は、脳外科手術の痕跡があった。部位は「視床」という脳の最深部で、現代の医療技術でも手術は非常に困難な場所であることが分かった。しかも手術は完璧に成功しており、組織が回復していた。
 血液型は3人ともO型だった。これは地球人と全く変わらない。

 また、UFO内部には高タンパクの加工食品やスープ、容器に入ったミネラル・ウォーターも発見され、独特の医薬品や日用品や生活物資も搭載されていたが、これらも地球上のものと本質的に変わりはなかった。
 彼らはみな小柄ではあったが、筋肉は丈夫で、しっかりした体躯をしていた。
 彼らの外見は、非常に若かった。大腿骨の端にある成長点と骨幹の融合度合いから判断して、1人が推定30代半ば、残る2人は共に20〜24歳ではないかと考えられるようになった。
 そして、最近になって、驚くべきことが分かってきた。保存されていたエイリアンの遺伝子を分析したところ、寿命を司る遺伝子が特殊で、地球人の10倍近く、1000歳まで生きることが可能らしいのだ。

 遺伝子鑑定の結果も、やはりモンゴロイドであることが裏付けられた。特に注目されたのが「YAP因子」と呼ばれる遺伝子であった。「YAP」とは、性染色体の一つ、Y染色体にある約300の塩基から成る遺伝子で、民族の特徴が顕著に現れることで知られる。
 なぜか、東アジアにおいては、日本人にしか見られない。隣の韓国や朝鮮、中国ではYAP因子を持った人はまだ発見されていないが、日本人には約42%の割合で、この遺伝子がある。このYAP因子には(+)と(−)の2種類があり、いわゆる縄文人タイプが(+)、弥生人タイプが(−)因子を持っているといわれる。ただし、弥生人といっても、この場合、朝鮮半島を経由してやってきた東北アジア、北アジア系の弥生人にYAP(−)因子がある。
 このことから、エイリアンは奇しくも日本人に非常に近い人種であったことが分かってきた。特にエイリアンはYAP(−)因子を持っていたことから、東北アジア系の弥生人のような容貌をしていたと思われる。アジア系の人種で、頭を丸坊主にした姿は、つい先頃の第2次大戦中の旧日本軍の兵士の姿にそっくり。墜落UFOの回収に当たった兵士たちは、中から発見されたエイリアンの姿を見て、誰もが真っ先に日本人を連想して驚愕したという。

 墜落したUFOを調べていくうち、アメリカ軍はエイリアンが日本人ではないことを徐々に悟っていく。機体や内部にあった物品に記されていた文字は、どれも日本語ではなかったのだ。どうやらエイリアンとUFOは日本から来たのではない。最終的にそう断定したのは、回収からしばらく経ってからのことだったという。

エイリアンはここ(地球)にいる

 デルタUFOに乗って、地球の上空を静かに飛び回るエイリアン。彼らは、はたしていったい何者なのか。アメリカ軍、NSAが最終的に下した結論。―それは宇宙人である。
 が、異星人ではない。異星人としてのエイリアンではなく、異邦人としてのエイリアン。我々地球人と同じく、この地球に住む宇宙人である。ただし、彼らは、この地球上のいかなる地域や国にも属していない。しかし、彼らはこの地球に住んでいて、我々の前に姿を現している。エイリアンが住む世界とは、ずばり地球内部天体アルザルである。
 ロズウェル事件で墜落したデルタUFOの機内に残された品々から、そして、バード少将の報告からアメリカ軍は遂に悟った。間違いなく、エイリアンは地球内部にいると―。

 さらに彼らは、月の地下内部に巨大な基地と都市を築いて居住している。月の表面にも、大昔の人工構造物とは別に、その活動がNASAやJAXAの観測衛星のデータからも散見される。火星地表からの探査機の写真には、上空にペンシル状の巨大UFOが捉えられ、衛星フォボスの内部に、その物体が出入りしている場面が、旧ソ連の探査機「フォボス2号」によって撮られている。かように火星にも、間違いなく同じエイリアンの活動―おそらくは地下基地が存在するようだ。さらに言えば、その痕跡は小惑星を含め、外惑星―木星、土星の衛星に至るまで認められる。内惑星の金星と水星の地表にも、巨大な人工構造物群が存在するらしい。

 かようにエイリアン―宇宙人の活動範囲と足跡は、おそらく太陽系全域に及んでいると思われる。彼らは、何百光年も離れた遠い星から、はるばる訪れているのではなくて、すでにここにいる。つまり太陽系全体に存在している。それも、最近になってからのことではなく、遙か古代から始まっていたのではないだろうか。少なくとも、古代シュメール、エジプト文明の時代以前から、太陽系規模のエイリアンの活動があったことは間違いないと思われる。ただし、その元々のルーツは、太陽系外の宇宙だったのかもしれない。

 地球内天体アルザルを本拠地にし、月、火星、太陽系の惑星群に基地を持つらしいエイリアン。そして、太陽周縁では、かなり以前から摩訶不思議な形状をした巨大UFOが、観測衛星によって頻繁に捉えられている。それは太陽から出入りしているらしい。
 一説には、太陽内部のブラックホール―スターゲイトを通って、そこに現れたとも言われるが、この巨大UFO群を操る存在とは何者なのか、地球周辺で活動するエイリアンとは同じ種族なのか、何かの関係や繋がりがあるのか、深い謎が残っている。
 おそらくは深遠な関係があるのだろう。残念ながら今の地球人の科学と意識レベルでは、太陽系全域におけるエイリアン―宇宙人の活動なんて遙か想像を超えている。
 我々は未だその世界観を持たずとも、何の支障もなく地球の中だけでやってこれたので、これまでは知らなくてもいい知識だった。いわば地球人は未だ幼年期であり、やっと小学校に上がったばかり。宇宙のことは99%、まだ何も知らない。太陽系で活動するエイリアンは高校か大学レベル以上。そのレベルのことを急激に小学校レベルの者に教えることはできないのだ。

 そして、もう一つの謎は、ロズウェルに墜落したUFOに搭乗していたエイリアンが、日本人と、遺伝子を含め、なぜ、かくも形質が似通っているかということだ。もしかしてそれは、エイリアンと日本人が、遠い祖先を共有しているということを示しているのかもしれない―。



 

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