ミステリーサークルと太陽の異変(その1)

 

 ミステリーサークルとは何か

 ミステリーサークル―これは、イギリスを中心にほぼ世界中に見られる、穀物(植物)が円形や複雑な図形に倒される不思議な現象である。ちなみに日本ではミステリーサークルの名で通っているが、これは日本独自の名称で、欧米では「クロップサークル」と呼ばれている。かなり古くから報告そのものはあったものの、世界的に注目されるようになったのは、1980年代になってからのことだった。
 発生原因としては、自然現象としてのプラズマ説、竜巻説、UFO着陸説、異星人によるメッセージ説、軍の秘密実験説、人間によるイタズラ説など、様々に議論されてきた。
 ところが、自然現象ではどうしても複雑な図形やシャープなエッジが説明できないことで、1991年に2人の老人が「製作者」として名乗り出たこともあって、ミステリーサークルは「人間によるイタズラの産物」で決着がついたと思われるようになってしまった。事実、近年では企業広告としてミステリーサークル制作を請け負う人々まで現れているほどだ。

 だが一方では、イタズラとして簡単にはかたづけられない側面も多々あることが指摘されている。たとえば、本物と考えられるサークルが作られる間際に、白や赤の発光体が飛んできて、現場で低空飛行するような動きを見せているのが確認された。
 その様子はビデオカメラで撮影されており、画像解析によって球体とは異なった複雑な形状の物体だと判定されている。つまり、風船に懐中電灯をぶら下げたようなヤラセではなく、複数の光源が合体して一つの光を形成していたのである。
 また、青白い光の柱が数秒から数分間かけてサークルを生み出す姿も目撃されているし、サークル内の土壌だけでなく、植物繊維に埋め込まれる形で、磁気を帯びた黒い微小な金属球体(ヘマタイトと磁鉄鉱の合金)が発見されることもある。他にも、高い放射線が測定され、サークル内に残されたゼリー状の物質が接近者たちの体調を悪化させるケースや、サークル内で電気機器が作動しなくなったケースなども報告されているのだ。

イタズラ説では解けない謎の数々

 こうしたことからミステリーサークルには「本物」と「偽物」があり、制作方法にしても一定のパターンがあるわけではなく、それぞれの特徴も異なっていることが分かる。
 特に問題となるのが、茎の曲げられ方だ。「本物」とされるミステリーサークルでは、植物の茎は地面から1インチほど高いところで「折れる」のではなく、細胞、分子構造さえ変化させながら、「曲げられ」ている。したがってこの場合、植物は倒れても枯れることなく、収穫も可能となる。周囲に足跡が残されていないことも注目されるが、曲げられた茎の顕微鏡分析により、偽物とは区別されるというのだ。
 不思議なことに、こうした植物は未知のエネルギーが加えられたのか、そこから採れた種を蒔けば、翌年には収穫が増加すると、サークル研究家たちは報告している。
 考えてみれば、ミステリーサークルは世界中で発生しており、人間だけでその全てを作り出すことなど物理的にも不可能なのだ。しかし、こうしてミステリーサークルを研究する人々は、アンダーグラウンドに押しやられることになったのである。

 実際のところ、1991年以降に出現したミステリーサークルの大半は、人間によって作られたものだと考えられている。事実、精緻な幾何学模様の巨大なサークルのいくつかは、それらを作った「サークルメーカー」と呼ばれる人々により作られたことが、後になって判明している。
 こうしたサークルの場合、サークルの一部で「人の手による制作」を示すような証拠が発見されるのが特徴だ。たとえば、サークルの中心部に棒を刺した跡が残っていたり、最後まで描かれていなかったり、中には事前に用意した「設計図」の段階でデザインを部分的に間違えていたりするものもある。
 サークル内に入ると、電気的・磁気的に周囲との違いが認められることもあったが、それは幾何学的な図形で規則正しく植物を倒して、重ねられて作られた一種の天然コンデンサーに、生み出された静電気が蓄えられた結果なのではないかと考えられている。

 ミステリーサークルの制作者―「サークルメーカー」についても、一時はイギリス国内だけで100人以上いたとされているが、彼らはどのサークルを制作したのか、具体的なことは一切明かさない。不法侵入と器物損壊で逮捕されてしまうこともあるからである。
 事実、逮捕された者も損害賠償で訴えられた者もいる。このように、ミステリーサークルをめぐる現状は、極めて複雑なものになっている。
 ミステリーサークルが頻繁に出現するエリアは、ストーンヘンジなどの古代遺跡が点在し、スピリチュアルな人々が集まる場でもある。そのため、人々が集団瞑想を行ったり、UFOを呼ぼうとしたり、様々な想念が発せられる場となっている。
 したがって謎の発光体は、それに応じて出現している可能性もある。また本当にこの発光体が自発的にサークルを作りだしているのか、あるいはサークルに関心のある人々の意識が発光体を呼び込んでいるのか、釈然としない面もある。

 高名な研究家のコリン・アンドリュースに至っては、ミステリーサークルの80%は人の手によるものであると主張しているが、それでも世界中で出現しているサークルの全てが人造のものとして説明するのは、やはり無理があるだろう。
 だとしたら、人造のものではない本物のミステリーサークルは、「誰」によって生み出されているのか。そして、我々に何を伝えようとしているのか。
 以下に紹介する予言的なメッセージを伝えるサークルにしても、制作者がたとえ人間だったとしても、そこに高次元の存在の意思が介入している可能性もあるだろう。

太陽の異変を暗示していたミステリーサークル

 2008年7月15日、イギリスのウィルトシャー、エイブベリー・マナーに出現した一つのサークルがある。写真のように複数の輪で構成された図形になっているが、これは我々の太陽系を意味していると解釈されてきた。太陽を中心に、9つの惑星が円を描いているからである。ただ、不可解な点もあった。その一つは、各惑星の軌道が細い線で描かれたグループと太い線で描かれたグループ、二つに別れていたことである。具体的には、水星、金星、地球、火星、一番外側の冥王星の軌道が細い線で、木星、土星、天王星、海王星の軌道は太い線となっている。
 もう一つは、冥王星の位置だけが明らかにズレていることである。どうしてそれが分かるかというと、各惑星は決まった速度で太陽の周りを回っているので、それぞれが一定のルールに則った位置関係にあるからだ。

 では、具体的な時間として、いつを示した惑星配置になっているのか。インターネットが普及した現在では、SolarSystemLive(http://www.fourmilab.ch/solar/)というウェブサイトにアクセスして年月日を入力すれば、各惑星がどのような位置で配置されているのか、いつでもどこでも、簡単に確認できるようになっている。
 それによると、サークルが示した各惑星の位置から割り出された日付は、2012年12月23日だったのだ。その時の惑星配置において、唯一、冥王星の位置だけがズレていたのである。よく知られている、マヤ暦において長周期のカレンダーが終わる頃(12月21〜23日)である。
 冥王星の位置がズレているということは、何か巨大な物理的衝撃が太陽系を襲う可能性もある。もしかすると未知の天体がやって来て、冥王星の軌道に影響を与えるということだろうか。

 それからわずか一週間後の7月22日、再び新たに太陽系の様子を示したサークルが現れた。この新しいミステリーサークルも、各惑星の配置から日付が割り出されている。
 2013年3月28日だ。ところがここで示された太陽系の状態では、2012年12月23日の太陽系よりも、さらに大きな違いが現れていた。
 注目すべきは、冥王星軌道の外側に未知の天体と思しきものが描かれていたことだ。
 ここに描かれている図を見る限り、きわめて巨大な天体であることは間違いない。
 あるいは最初のサークルで冥王星の位置がズレていたのは、この天体の影響を受けたためなのかもしれない。
 何より、最大の違いは太陽の大きさである。驚くことに水星と金星はすでに巨大化した太陽に呑み込まれ、地球もぎりぎりのところにきている。これが未来予言であるとしたら、わずか3カ月の間に太陽が急速に膨張するということになる。

だが―まさか、そんなことがありうるのだろうか。これはまるで太陽の赤色巨星化だ。
 アカデミズムでは50億年も先のことと考えられている太陽の寿命―赤色巨星化が、今年の暮れから来年の春にかけてやってくるというのだろうか。
 たとえば、2008年7月22日に出現したサークルがほのめかすように、2013年3月28日頃に冥王星軌道近くに「巨大天体」が姿を現したとしても、それが太陽の膨張―赤色巨星化を促すような影響を与えるとはとても思えない。
 仮に太陽が大膨張―赤色巨星化するといっても、その本体が金星軌道を呑み込むほどの巨大さに急激に膨張するとは考えにくく、サークルに示された太陽の大きさは、そのプラズマ領域の拡大を示しているのではないか。
 太陽の大膨張を起こさせる要因があるとしたら、それはいったい何なのか。

銀河系の中心で巨大なことが進行している

 一方、NASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡による最近の観測では、天の川銀河の中心で、すでに宇宙ジェットが観測されているという。
 宇宙ジェットとは、中心の天体(原始星、ブラックホール)から双方向に噴き出す、細く絞られたプラズマガスの噴流である。
「2010年9月のNASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡(観測衛星)から得たデータを基に、科学者は今、天の川銀河の中央が実に不思議な光で覆われていることに気づいた。その輝きの構造はどんなものか。銀河の中心部から上下2方向に放射する広がりを持つ、一対の巨大なガンマ線の泡のペアが噴出しているのが発見された。それぞれの“泡”の最長距離は、およそ2.5万光年と推測される。そして、全体としてのペアはわずか数千万年かけて形成されたものと見なされる」

 以上はNASAのホームページからの引用だが、一対の巨大なガンマ線の泡のペアが、天の川銀河の中心にあるとされるブラックホールから噴出していることが、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡による最新の分布図により明らかとなった。
 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームでは、この「泡」は、1000万年ほど前に起きた超新星爆発によるものか、あるいは10万年ほど前に、100個程度の恒星が、天の川銀河のブラックホールに引き寄せられたことによって発生した高速のジェットの噴出によるものではないかと考えているという。

 天の川銀河の中心のフェルミバブルの映像が公開されてから、米国MSNBC放送のニュース番組で、ポール・ラヴィオレッテという科学者が、それについて語った。
「銀河のスーパーウェーブ」と題する研究論文で、彼は博士号を取得している。
 この銀河系の中心部は、定期的に巨大な爆発を繰り返していて、そのつど地球にまで届く強烈なエネルギーを銀河の渦巻きを介して放射しているという。その現象を博士は「銀河のスーパーウェーブ」と呼んでいる。
 ラヴィオレッテ博士は、北極の氷河時代の氷のサンプルに、その証拠を発見している。
 その太古の氷のサンプルには、イリジウム、ニッケル、金が混ざっていた。これがはるか遠い過去に、銀河の中心で大爆発があり、引き起こされたスーパーウェーブによって、地球に激変が起きたことを物語っている証拠であると、博士はその論文に記している。

 実際にそのエネルギーが爆発する際に、宇宙塵が押し出されると彼は考えている。すると莫大な量の塵が太陽系に侵入し、太陽表面まで到達する。やがてその塵も全部太陽の熱を吸収し、溶かされてしまうが、それによって猛烈な太陽フレアが引き起こされる。
 これが周期的に起きるということから考えると、「もうすぐ近い未来に、今オンになっている銀河の中心のフェルミバブルから大きな波が、ここに到着する時期でしょう」と、彼は付け加えている。
 地球の最後の氷河期は、およそ1万〜1万4000年前に訪れたということで、現在科学者たちの見解は一致しているが、次のがそろそろ訪れる時期に入っていることは確かで、つまり、宇宙塵が太陽系に増大するはずであるとラヴィオレッテ博士は確信している。

太陽が赤色巨星化する?

 一方、この宇宙ジェット―銀河のスーパーウェーブを重要視しているのが、マケドニアのパネ・アンドフ氏だ。彼は幼い頃から神秘的な能力にすぐれ、アストラル投射(体外離脱)を得意とするコンタクティーであり、雑誌の編集も手がける人物だ。
 アンドフ氏によると、2万6000年前に銀河系の中心にある大質量のブラックホールで噴出した宇宙ジェット(のエネルギー波)が我々の太陽に到達することで、太陽の赤色巨星化が始まるという。太陽表面はセ氏6000度程度であるのに対して、宇宙ジェットのエネルギー波は数百万度もあり、しかも高度な磁気を帯びている。それが太陽に触れると、プラズマ反応を一気に加速させて、赤色巨星化が大幅に前倒しされるというのだ。

 銀河中心からのスーパーウェーブの影響もさることながら、本当に太陽が赤色巨星化すれば、猛烈な熱だけでなく、有害な電磁波、放射線が地球を襲ってくる。ただでさえ地磁気が弱まりつつある中、そのようなことが起きれば、地球の磁気圏や大気はほとんど防御フィルターとしての役目を果たせなくなる。地上の生命が生き残れる可能性はゼロに近いだろう。
 はたしてそこから逃れる具体的な方法はあるのだろうか。物理的なサバイバルを考えれば、地球を脱出するより地下深く避難する方が生き残れる可能性はあるが、それも一時のことでしかないだろう。それとも、肉体ごと並行宇宙に移動して、別次元の地球で暮らせる可能性でもあるのだろうか。
 我々が仮にその危機に直面したとして、その後の世界をリアルにイメージすることは難しい。

 参考として、もう一つ興味深いミステリーサークルを紹介しておこう。1995年6月に、イギリスのハンプシャー州ロングウッド・ウォーレンに出現したものだ。
 これもまた、明らかに太陽系を示しているが、例によって出現時期を調べてみると、こうした配置になるのは2033年8月31日となる。このサークルでは、実に驚きの「未来」が描かれている。太陽系に地球は存在せず、ただ軌道だけが描かれているのだ。この近未来には地球は太陽系から消えてしまっているということなのか。だとしたら、理由は何なのか? もしかして惑星丸ごとのアセンション―次元上昇によって、地球が別の宇宙か、別の次元にテレポートした可能性もある…。まさか、とも思うが、そんな別宇宙への移行も、ありうるのかもしれない―。



*写真は『宇宙人&2012超入門』(竹本良一&エハン・デラヴィ/5次元文庫)、『ムー』2012年5/6月号、宇宙関連サイト『IN DEEP』他より転載

 

表紙にもどる