プラズマが宇宙を支配する

○ 重力が宇宙を作り上げているのではない。宇宙はそれ自体が巨大な伝導体であり、電気の力が宇宙全体を結び合わせている。

○ 最小の粒子から巨大な銀河まで、電気回路網が自然界の全てを接続し、統合している。この電気回路網は銀河を組織し、恒星にエネルギーを供給し、惑星を誕生させ、地球の天気を支配し、生物に命を与えている。

○ こうした全体的な宇宙間を媒介するのがプラズマである。プラズマは伝導性が高く、荷電粒子が自由に動き回っている。

○ プラズマ・ユニバース―電気的宇宙では、もはやダークマター(暗黒物質)を仮定する必要はない。宇宙は固体、液体、気体を超えた第四の状態、プラズマで満ちている。

○ 人気の天体ブラックホールもその存在意義を失う。ビッグバン宇宙論によれば、銀河の中心に、非常に密度の高い見えない物質を必要とする。ブラックホールなしでは、重力方程式は銀河の中心で観測されている運動やコンパクトな高エネルギーを説明することができないからである。しかし、帯電したプラズマなら、そのような効果を容易に生じることができる。プラズマ実験とプラズマ放電のコンピューター・シミュレーションは、ブラックホールに頼ることなく銀河の構造を再現することができる。

 プラズマの挙動は、単純な電磁気学の法則に従っているに過ぎない。しかし、その結果として生じる複雑さは、研究者たちを驚愕させてやまない。プラズマは、固体にも液体にも気体にも見られない性質を示すため、「物質の根源的な状態」と呼ばれている。
 宇宙空間のプラズマは薄く広がっているため、かすかな電流の流れを測定するのは容易ではない。けれども、これらの電流は、決定的なサインを残している。それは観測された宇宙のいたるところに見られる、磁場のネットワークである。天文学者は、これらの磁場を検出しているにもかかわらず、電気的な原因については完全に無視している。しかし磁場は、電気のみによって生じるのだ。観測されている複雑な磁場は、プラズマが銀河内お
よび銀河間の空間を横切って電気エネルギーを運び、銀河や恒星、惑星などの二次構造にエネルギーを供給していることの証拠と言える。
 電気にこれだけの力がある理由は、きわめて単純である。電気的な力は、重力の10の39乗倍(10兆の10兆倍の10兆倍)も強いのである。一般に信じられているのとは逆に、自然が宇宙で「大きな仕事」をするためには、微弱な重力などには頼らないのである。


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