「風吹けば・おきつ白波たつた山・夜半にや君が・一人こゆらむ」

私が和歌と出会ったのは八丈島での定時高校生時代1994〜1998年。古文の授業で確か伊勢物語だったと思います。”筒井筒”というタイトルで、内容は井戸の周りで幼馴染として育ったカップルが結婚して暮らしていたが、夫の方に新しい彼女が出来て、ある日妻はその新しい彼女に会いに行く夫の身支度を整えて、送り出してからふと部屋の中から沖の方を見ると白波が立っていて、「私の夫は今夜半一人で山を越えて彼女に会いに行くけど、大丈夫かしら?」と他の女に会いに行く夫の身を案じた歌「風吹けば・おきつ白波たつた山・夜半にや君が・一人こゆらむ」が最初です。

その頃ちょうど22年間暮らした最愛の夫に恋人が出来てそれを肯定して受け入れている自分と、否定して拒絶している自分が毎日振り子のように揺れ動いていたときなので、その和歌が心にしみました。無条件に人を愛して行くことを真剣に受け捉えて、苦しくもあり、またその分研ぎ澄まされていた感性の頃だったと思います。
その和歌を人前で歌ったのは定時制卒業後留学したマウイのカレッジでドラマの授業を取ったときに学期末テストのパフォーマンスで英文での説明の後にアカペラで歌いました。教授が感動してくれて、おかげで成績はAをいただきました。それをきっかけにいろんな和歌を探し始め百人一首の中から4〜5首メロディが付くようになり、今に至っております。
和歌を歌うようになって自分の世界に広がりが出てきました。又女流歌人の歌を自宅で歌っていると無条件に心の中から情感がうねるようにこみ上げてきて一人ぽっちの部屋でピアノを前にしていつしか泣いていることもあります。小野小町お姉さまや、紫式部お姉さま、清少納言お姉さまたちが、とっても身近に感じられて古の女流歌人たちの心情を私の感性を通して表現できることに感謝と喜びを感じている今日この頃です。これからも自分のライフワークとしていにしえの歌人たちの歌を現代のメロディに載せて歌ってゆくつもりです。

10年ほど前にソーラーミュージック2というカセットテープをES・ISLANDというグループ名で発表いたしました。名前のない新聞でも取り上げてくれて色々な方が聞いてくださった記憶があります。私にとってあのテープが一番良かったという思いが在りましたが、今回のCDはやっとあの音楽を超えられるものが出来たと思っています。音楽的にはまったく質が違うので比較対称にはなりませんが今の自分にとってベストなものが出来たと思います。是非聞いてみてください。
私が和歌を歌いはじめた頃、色々な和歌を紹介してくれて、とても大きな力添えをしてくれた方の一人に宮崎みどりさんという方がおります。彼女はパートナーの小林清明氏と二人で古事記を現代のとても分かりやすい文章にして自費出版(”古事記のものがたり”)しておりますがその本の中に天照大神の弟”スサノオの命”がヤマタノオロチを退治して助けた女性”くしなだ姫”と結婚して出雲に新居を建てたときに歌った歌が出てきます。それが三十一文字(みそひともじ)和歌の発祥と言われているのですが最近やっとその和歌発祥といわれている歌が即興アカペラで歌えるよ
うになりました。でもきっとその歌をレコーディングすることはないと思います。風と光と美しい光景のある場所で、高揚した”スサノオの命”の心情に自分が同調したときにいつまでも即興で歌ってゆきたいと心密かに決めております。。


「やぐも立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を」

 

CD「花のいろは」

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