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● 2001.6.2●
バカワジの王、トゥーン氏がやってくる!◆インド古典音楽の夕べ

 天理市の古い集落、永原町は普段、非常に静かなところです。うだつの上がっ
た古い屋敷が立ち並ぶ細い通りを西に入ったところが、元造り酒屋、堀川さんの
家の前の広場。小宇宙のようにぽっかりと広がるスペースに立つと、明治時代に
タイムスリップしたかのような感覚に陥ります。

 その静かな広場が、いつになく賑やかになった5月3日のナーガルーパ祭り。
各地から集まった多様な人々、永原町のお年寄りや子供達、市内の「デイ
サービスみやぎ」のお年寄り達が見守る中、おいかどいちろう氏のショーで祭り
がスタート。半年前に同じ広場で踊ってくれた氏ですが、今回さらに磨きの
かかった芸に老若男女が感嘆の声をあげたのでした。言葉を介さない真剣で
温かな思いが世代を超えた一体感を与えてくれたのでしょうか、ズラリと並んだ
車椅子のお年寄り達が目を輝かせて見守る様も実に感動的でした(今回祭りを
見学したお年寄り達に、その後、生き生きとした変化が起こっているようです)。

 その後も、各々の輝きを惜しみなく見せてくれる様々なミュージシャンが登場。
贅沢な時間と場所を多くの方々と共有することができた一日でしたが、その場
にいた一人一人から自然に発せられる輝きのすばらしさは、到底、言葉で表現
することはできません。

 個性的で率直で、しかし普通に生きているこの人々が、今の社会の中で果た
している役割を思うと、本当に勇気を与えられます。誰か他の人の言葉や主義
・思想、基準・マニュアルという隠れ蓑をまとうのではなく、あるがままの自分で
存在すること。何のこだわりもなく、どのような思考・感情をも抑制せず、あるが
ままの自分を見続けること。一見、遠回りに見えるかもしれませんが、これこそ
が王道であるということを教えてくれるのです。

 戦後まもなくの頃、近畿航空隊軍医長だった沖縄出身の宮城先生を招いて、診
療所開設のため土地と建物を提供したのが、当時、村長を務めておられた堀川さ
んでした。無医村だった村のために尽くされた、堀川さん、そして宮城病院の方
々。心温まる歴史の流れの中、天理に引っ越してきた私達。

 風来坊のRupaに親切に接してくださる永原町の皆様、そして各地から度々
永原町を訪れてくださる皆様に、心より御礼申し上げます。誠にありがとう
ございます。地元のつながりと、他地域とのつながり。何らかのネットワークも
見え始めてきた今、その両方に大きな可能性を感じています…。ということで、
今後とも何卒宜しく御願い申し上げます。そして、皆様の歯に衣着せぬ本音の
ご意見を、ノンジャンルで、お待ちしております。
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        ◆◆バカワジの王、トゥーン氏がやってくる!◆◆
          ◆◆◆◆インド古典音楽の夕べ◆◆◆◆
           ◆◆◆◆2001年6月2日(土)◆◆◆◆
          ◆◆開場:夕方4時頃、開演6時半頃◆◆
       
 インド古典音楽を演奏する機会が、なぜか多いRupa。昨年7月、天竺座の二
人と一緒に回った日本全国巡礼ツアーでRupaに来てくれたシタール奏者のもっ
ちゃんから、先日、電話がありました。
 「半年間のインドでの修業が終わって、昨日帰国したんだけど、急にインドから
師匠を呼んでツアーをすることになったんで、絶対、Rupaでまたやりたい」。
聴衆との交流が忘れられない、という嬉しい話でした。もちろん、前回の神秘的
な公演は私達にとっても忘れられない体験です。ということで、4回目のインド
音楽ライヴが決定致しました。

 本当に贅沢な聴き方を知っているインドの音楽通は、音楽ホールではなく、
ホームパーティでの演奏を聴きに行くことが多いそうです。今回、インドから
来てくださるトゥーン・マハラジは、北インド古典音楽の中でも、最も古い様式を
残すドゥルパッド・スタイルの打楽器、パカワジの、数少ない著名な奏者のひとり。
有名な打楽器タブラは、まん丸な形ですが、タブラの先祖パカワジは筒状に
細長く、かなり音が響くのが特徴。チューニングのやり方も独特です。豪華4人
編成の演奏だけでなく、打楽器パカワジのソロ曲も聴けるということで、楽しみ
な濃い夕べになりそうですね。

演奏者プロフィール―――――――――――――――――

★トゥーン・マハラジ=シュリ・カント・ミシュラ(トゥーンさん)
1952年、北インドのヴァラナシ(ベナレス)出身。パンディット・アマルナー
ト・ミシュラのもとで、幼少の頃からパカワジを習う。若い頃から、故ウスタッ
ド・ジア・モヒウディン・ダガール(近年惜しまれて世を去った偉大なヴィーナ
奏者)など、ドゥルパッドの最も著明な音楽家たちの、ほぼすべてと共演。イン
ドのみならず、ヨーロッパでも活躍する、現在最も注目される存在。本名は、
シュリ・カント・ミシュラ(Shri kant Mishra)。トゥーンは、パカワジのサウンド
の呼称のひとつ。マハラージは王。「トゥーンの王様」というニックネームをも
つ。 (※非常に気さくな方ということです)

★本橋 邦久(もっちゃん)
1970年生まれ。東京在住。93年、南澤靖浩にシタールを師事。95年より、ヴァ
ラナシ在住の同氏のグル、スラワニ・ビシュワス女史に師事。以後、毎年渡印し
学ぶ。93年より、南澤氏や、バンスリのカルロス・グェラ氏のアカンパニスト
として活動。97年、京都・妙蓮寺でのコンサートを皮切りに、シタールでの演
奏活動を開始。2000年、天竺座全国巡礼ツアーに参加。

★金子 哲也(てっさん)
1971年生まれ。名古屋在住。96年、逆瀬川建治にタブラを師事。2000年1月、
渡印し、ヴァラナシの、トゥーン・マハラジ(シュリ・カント・ミシュラ)氏に師
事。パカワジを始める。

★鈴木 ユキ
1970年生まれ。名古屋在住。数年来、バンド等のヴァイオリン奏者として活動。
2000年、インド・古典スタイルのヴァイオリンをこころざし、渡印。ヴァラナ
シのサティア・プラカーシュ・モハンティ氏に師事。今回は、タンブーラを担当。

★★コンサート会費:2000円
興味のある方に是非聴いて頂きたい貴重な演奏です。経済的に困難な方には会費
もフレキシブルに対応致します。当日でも結構ですのでお気軽にご相談ください。

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☆フード&ドリンクは「わたる庵」などで。
☆当日、宿泊や出店を希望される方は事前にご連絡ください。
☆お問合せ
 〒632-0061奈良県天理市永原町437 Rupa 0743-67-0467(FAX兼)
・近鉄・JR「天理」駅からタクシー約10分
・JR桜井線「長柄(ながら)」駅下車、徒歩約15分弱
・西名阪道「郡山」・「天理」ICから車で約10分
(関西国際空港・伊丹空港から最寄り駅まで直通バス有)
☆詳しい地図(電車用・車用)をご希望の方はご連絡ください。

★3月より、『なまえのない新聞』に、連載エッセイ「なまえのある家 Rupa」を
執筆中です(第一回「Rupaの意味」、第二回「Rupaの看板アーティスト」)。講読
ご希望の方は、アマナクニ(浜田)までお問い合せください。