80.  カリフォルニアで一点突破か?

 7月16日、NHK TV 夜9時のニュース番組に登場したカリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は、州の赤字対策として大麻合法化について語った。
 残念ながら私はこのニュース番組を見ておらず、新聞(朝日)は一切これを報道していないが、ネット情報によれば、70年代にボディビルダーだった頃、マリファナを吸った体験があるというシュワルツェネッガー知事は、州議会において「マリファナを合法化し税金をかけるべきか」という提案に対して「議論すべきだと思う」とコメントした。
 現在、カリフォルニアは税収不足から深刻な財政難にあり、「歳入を増やすためのアイデアは、どんなことでも話し合うべきだ。マリファナやそのほかのドラッグを合法化している国の例を注意深く見て、その国にどんな影響が起きたかを調べるべきだろう」と合法化への議論を始めることに前向きなコメントをした。
 州議会事務局によると、医療目的の大麻使用は既に同州やネバダ州、アリゾナ州などの14州で合法化済みだが、市販解禁案は全米初という。
 提案者のアミアーノ議員(民主党)は、同州内の医療目的の大麻生産額は年間140億ドル(約1兆2600億円)に上ると指摘、「一般向けに解禁すれば年10億ドルの税収をもたらし、闇取引もなくなる」と持論を展開した。
 しかし「ドラッグ」として違法とされてきたマリファナの合法化には反対の声も多く、今後の議論は白熱しそうだ。

 以上がネット情報(シネマトゥデイと時事ドットコム)の要約です。 YAHOO!ニュース記事
 カリフォルニア州は60年代のカウンター・カルチュア運動の震源地であり、70年代中葉には、個人使用に限って少量のマリファナ所持を非犯罪化し、医療マリファナを合法化した11州のひとつ。
 もしカリフォルニア州が一点突破すれば、オレゴン、ニューヨーク、ハワイなどの先進10州も合法化に踏み切り、やがて連邦法(1937年制定)の大麻規制の破棄に至るだろう。オバマ大統領自身が若い頃は麻薬中毒を経験したと告白している以上、マリファナに対して寛容ならざるをえないだろう。
 かくて大麻を目の敵とし、地上からの絶滅を企み、莫大な予算を組んで、軍隊まで動員して「マリファナ戦争」を行ってきたアメリカ帝国が、未曾有の経済危機に見舞われ、大麻に救いを求めざるをえなくなったという痛烈な運命の皮肉。(大笑)
 アメリカが全面展開すれば、WHO(世界保健機構)の「麻薬に関する単一条約」からも大麻は除外され、インドやタイなど途上国のガンジャも復活するだろう。その時はじめてNHKが「日本でも大麻のことを考えてみるべきでしょう」などとぬかすかも。
                                  (7.26)

 


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