62. 桂川直文氏の仮釈放は不許可

 桂川直文氏より1月5日付窪田明彦氏宛、1月13日付白坂和彦氏宛の手紙によれば、仮釈放に向けての本面接が12月5日に行われたが、結局桂川氏の仮釈放は不許可になった。理由は「反省していないことと、大麻事件が社会問題になっている折柄、社会感情が仮釈放を許さない」とのこと。
 従って出所は刑期満了後の5月12日と確定した。
 かくて大麻取締法で懲役刑に処せられた受刑者には「みせしめ」として、仮釈放はありえないというところまできた。
 昨夏以来、マスコミを総動員しての大麻ラッシュは、ネット販売とホームグロウによる大麻人口の無限増殖と氾濫に手を焼いた当局が、「チェンジ」を謳うオバマ新政権の登場を前にした「いたちの最後っ屁」だと思っていたが、私の見解は甘かったようだ。大麻取締法のペテンを貫くためには「最後」など存在しないのだ。桂川氏も言っている。
 「一時のマスコミの大麻非難報道は異常でしたね。これは大麻非難翼賛体制とでも呼んでいいと思います。戦争中の翼賛体制は政府のウソを隠すことでした。天皇は神ではなかったし、大東亜戦争は侵略戦争だったのです。御用学者を動員した大麻害悪論も現行の大麻取締法が根拠のないペテンであることの証左ではないでしょうか」
 既に麻生首相は大麻取締法の「改正」を口にしているとか。はたしてそれに対して断固反対する国会議員がいるだろうか。桂川氏は言う。
 「日本の大麻自由化は、それを押しつけた大親分アメリカの変化を待たなければいけないでしょう。その意味ではオバマ新大統領には、ちょっと期待したいですね」
 本日、オバマ新政権が発足する。私もまたオバマの「チェンジ」に期待してきた。しかし国務長官にヒラリー・クリントン、国防長官にロバート・ゲーツなど、超タカ派とユダヤ・ロビーによってオバマ政権が牛耳られてしまったいま、期待は失望と警戒に変わった。ある人は「戦争屋政権」などと呼んでいる。
 それは若者も年配者も、民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ヒスパニックもアジア系も先住民も、ゲイも障がい者も、すべての米国民がユダヤ・ロビーとイスラエルが主導する対イラン戦争へ向けて「翼賛体制」を採るのではないかという危機感である。
 となればオバマ新政権は、医療大麻や産業用ヘンプについてはチェンジしても、趣味嗜好のマリファナについては、ブッシュ並みに州法よりも連邦法を重視して、「ラヴ&ピース」の声を封殺してしまうのではないのか。
                                   (09.1.20)


| HP表紙 | 麻声民語目次 |