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ウッドノート



京都市左京区一乗寺大原田町23-3

TEL.075-722-9302

叡山電鉄・一乗寺駅より歩10分

営業:12:30〜23:00/定休:火曜日



 紅葉真っ盛りの11月後半に京都へ行った。賑わう京都の都心から北に私鉄を乗り継いで30分ほど行った静かな街角にウッドノートはある。木をふんだんに使った手作りの店は落ち着いた雰囲気で、アイリッシュ音楽が流れる中、コーヒーを飲みながらゆったりくつろげそうなお店だ。
 店長兼経営者の渋谷さんがこのお店をはじめたのはかれこれ20年ほど前のことになる。それから数年たち、全国的に脱原発運動がもりあがった頃、渋谷さんも原発反対のイベントやお祭りに参加し、四国の方まで出かけたこともあった。近くには乗馬クラブというコミューンがあり、脱原発の集会を盛り上げていた岩倉獅子舞の人たちとも友達だった。
 そんな人間関係の中から、だんだんお店のメニューも変わっていった。最初のころにはあったコーラが消え、代わりにオーガニックの材料のメニューを出すようになった。今では玄米ご飯に自然酵母を使ったこだわりパンのトースト、それにオーガニックビール、オーガニックコーヒーなどがメニューに並んでいる。
 お店でかかっている音楽はアイリッシュ音楽だ。以前はブルーグラスやブルース等アメリカの音楽をかけていたが、数年前からだんだんアイリッシュの世界にはまってきたという。今ではお店で毎週セッションをしたり、教室もやっているほか、毎月のようにライブをやっているそうだ。住宅街の中で制約があるためPA無しのノーマイクで人数も3人くらいまでのバンドでやっているという。お店の隅っこにはさりげなくフィドル等の楽器が置いてあった。フィドルというと聞き慣れないかもしれないが、バイオリンと基本的に同じもので、クラシックとジャズの世界ではバイオリンと言うが、民衆レベルではフィドルと言うらしい。日本では教育上の問題でバイオリンと言う呼び方が一般化されてきたそうだ。
 ウッドノートではお店を始めた頃から、お客さんとハイキングに行ったり、3年ほど前からはよくバードウォッチングに行っているそうだ。京都は街の中でも鳥がいて、鴨川にもシベリアから鳥が来たりしている。そんなふうにお客さんとの交流はけっこうあって、「どこまでが趣味でどこまでが仕事がわからず、それだけにもうけられへん」のが悩みだそうだ。
 周りには芸術系などの大学がいくつかあるが、今の学生たちはスタバみたいなライトな店に行くことが多いようだと言う。でもメニューやBGMをはじめ、渋谷さん自身が楽しんでやっているのがそこここから伝わってくるこのお店には、暖かいものが流れているなーと感じられた。 (あ)

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