女神のドサまわり、はじまる!

女神のまつり天河レポート

植草ますみ

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 2004年11月、紅葉たけなわの奈良・天河大弁財天社で、記念すべき第1回目の「女神のまつり」が開かれた。ちょうど七五三の時期で、神社には成長の節目を祝う子どもたちが。同じように私にとっても、女性としてこの世に生を受けここまで生きてきたことを、こんなにうれしくも厳かな気持ちでお祝いしあえた目出度きイニシエーションの日となった。
 三十数名の参加者とともに、近くの川でミソギをして気合いを入れ(この土地の水のアマイこと!)、一枚の白い布を素肌に巻くハワイの古典フラにならったシンプルな衣装で能舞台に立った。背景には、長さが3m以上もある小田まゆみさん筆による女神たちの肖像が8枚も並んですごい迫力。弁財天、観音様、ククリ姫、ターラ菩薩、黒いマリア、天照大神、鬼子母神、西王母‥、生命を慈しみ称えるひとつの祈りが様々な姿をとって、私たちを見まもっていてくれた。どんなことが起こるのかよくわからないまま、ほとんどの人がとにかく直観!で全国各地から集まってそこにい た。準備は前日の午後のワークショップのみという限られた時間にもかかわらず、本番では全員があれだけ生き生きと、心をひとつにしてうたやマントラや舞いを奉納できたのは奇跡というしかない。思わぬハプニングに涙がでるほど笑ってほどけ、二次会で一緒に歌い踊ってくれた宮司さんが「天のイワトをひらいて下さりありがとう」とさえ言って下さり、胸がいっぱいになった。あまりに短い2日間だったけれど、参加した1人ひとり、参加前とは違う女神の輝きを宿す顔で各地に帰っていった。それぞれの内外両面に深い動きが生まれたようで、それらが今後どんなふうにつながって、新しい流れができていくのか楽しみでならない。
 前日の玉置神社へのお参りから、数日後の普門寺での観音様の法要まで一緒だったスタッフメンバーとの旅がまたよかった。当日初対面のスタッフもいたし、まとまった打ち合わせをする余裕もなく作り上げたお祭りなのに、さすがみんな百戦錬磨、あうんの呼吸で的確に自分のポジションをつとめ、本当に気持ちよかった。特筆すべきは、ボランティアでまつりを支えてくれた数人の男性たち。彼らにしかできないことを進んでひきうけてくれて、余計な説明はいらない。女神の心をしる男性たちにありがとう、本当に楽しかったね。
 これを皮切りに、こんな「女神のドサまわり」が各地で発生してゆくことでしょう。その時々に縁ある場所とメンバーで、規模もスタイルも様々に。私たちの中の女神をウツシマツル、花と光のジプシーです。芸能やアートは、本来とても神聖なものであり、大事な情報交換の場。マスコミにゆだねておかず、私たちの生のコニュニケーションとして取り戻したいもの。祈りの気持ちとともに、土地をひらいてつなぎ、人のこころ(魂)をひらいてつなぐ「マツリ」という場の力を、じかにわかちあいましょう。自分のところにまつりを呼びたいという方、どうぞ声をかけて下さい。
 「女神のホームページ」もひらいたので、どんどん参加して一緒に育てていってもらえると嬉しいです。掲示板に自由に書き込みもできます。どうぞよろしく!

女神のホームページ

植草ますみのHP

名前のない新聞No.128(2005年1月号)