カズからの手紙


〈その20〉

HOME

C D

PROFILE

LIVE

白いアナグマの祭り その後と シピラの環境の変化 報告


 「白いアナグマの祭り」は入笠山からのメッセージとうり2009年の第4回で一応完結しましたが、今年(2010年)はどうするのかという質問が時々あったので、「あえて祭りという型では立ち上げないけど、僕は例年のように7月の最終週末に入笠山を聖地として礼拝することは続けて行く」ということで、我が家の周辺には皆がキャンプするスペースはいくらでもあるので、一緒に来たい人は自主キャンプのつもりでどうぞ‥‥、と答えていたら、結局20人くらいの人が集い、共に祈る流れとなった。
 不思議なことに、まったくはからずしてこうなったのですが、いつもこの祭りを企画した7月の最終週末はマヤ歴の時間をはずした日と、その翌日にあたる元日が重なっています。
 今年は我が家の川向こうで皆キャンプし、近くのイワクラで時間をはずした日に祈りのセレモニーをし、翌日の元日に入笠山頂まで皆で登り、共に祈って来ました。
 山からのメッセージとしては、「この祭りは4年続けばひとつの型ができ,続いていく」ということでしたが、結局、入笠山頂からシピラの里(現在は廃村です)のイワクラへ、宮を降ろすという事が発生したのだなと後で認識しました。たぶんこの小さなヒナ型は、これからも続いていくような気がします。

 最小限のヒナ型でしたが、とてもピュアで良い祭り事だったと思います。参加者の皆様、ありがとうございました。これからも地元担当として、入笠山を聖地として祭りつづけて行こうと思います。
 ちなみに風力発電の事業計画による南アルプス最先端の入笠山の自然破壊は、あれから5年目の今も止まっています。ありがたいことです。
 僕の想いとしては、皆それぞれの人がそれぞれの暮らす場所の近くの聖地(今は街であっても、かっては日本中が聖地でした)を、それぞれに祭り、大地を人の所有物とは違う感性を持って、聖なるもの、精なるもの、正なるものとして祈るようになれば、きっと自然界とも目に見えない世界の存在とも融合していけるでしょう‥‥、ということです。
 さて環境の変化のことですが、ここシピラ、標高1200mにおいては、ほとんど蚊がいなかったのが、ここ3〜4年、水たまりにボウフラが発生して蚊が出るようになりました。虫類は環境の変化に敏感で、これも温暖化ということでしょうか。カメ虫も,標高の高い所しかいない小型のものから、温暖な地域に多い大型のものに変化しています。
 植物も、入笠山(1955m)では高山植物が鹿やイノシシの被害も含めて減っていることと、マーガレットなどの里の園芸種がはびこったりしています。鹿は天敵がいないことから全国的に増加していますが、植林された山からは充分なエサが得られないことから、人里の畑に来ることが多くなりました。猿も増えているようです。我が家では大雨でサクが壊れた所から鹿が入り、小豆や花豆、夏野菜などがほとんど食べられてしまいました。
 野生の日本ミツバチは健在で、今年も我が家の3つの巣からたくさんハチミツをいただきましたが、逆に夏場、天敵のスズメ蜂の姿がほとんど見えなくなり、心配していましたが、どっこい秋になってからけっこう出てきて、うちの蜜蜂をおそったりしています。スズメ蜂も含めて虫の世界はワンネスなので、良かったと思っています。
 肉食の虫類がいなくなると草食の虫類が増えて、やがては蜜源の植物も減るのだろうと想像できます。すべてはひとつらなりということで、次回はすべてがひとつらなりの意識で人が生きていた縄文時のことに、さらなるフォーカスをして便りしたいと思います。ではまた。 LOVE 和