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HOT NEWS

「誰か、戦争マシーンを止めて! 」

占領下のパレスチナ・ラファより

<ナブルス通信 2003.10.17>より  ラファに新たな侵攻が・・・
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マス・メディアはガザ北部で起こった米大使館車輌の爆破事件を
大々的に伝えています。しかし、その前からイスラエル軍によって
引き起こされているガザ最南端のラファでの出来事をほとんど伝え
ていません。このラファのエジプト国境沿いは絶えず銃撃と家屋破
壊にさらされてきましたが、3年間で起こった家屋破壊合計の1割が
たったの3日間でなされたように、今、破壊はとどまることのなく
エスカレートしています。ほとんど届いてこないラファ現地の声を
モハメッドと20歳のローラが伝えてきています。「誰か、イスラエ
ルの戦争マシーンを止めて!」

以下のメールはローラの手記[*1]に引き続き、16日に続けてISM
(国際連帯運動)から配信されました。最初のものは『侵攻また侵
攻』[*1]が書かれた同じ14日の遅く、次のものは16日に書かれて
います。状況はより厳しくなっています。取り急ぎ、訳しました。
どうか、読んで、できれば人に伝えてください。

ラファ、さらに侵攻が続く 
「誰か、戦争マシーンを止めて! 」
1 サラーム地区への侵攻 10月14日 
2 ブラジル地区への侵攻 10月16日
モハメッド&ローラ

(ナブルス通信2003.10.17配信)

以下の訳文は、下記に掲載。
http://www.onweb.to/palestine/siryo/laurareinvade.html
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Hay Salaam is invaded

Mohammed and Laura
14 Oct 03
Gaza

1 サラーム地区への侵攻
2003年10月14日
モハメッドとローラ
ラファ、占領下のガザ

【ラファでエスカレートしているさらなる攻撃でサラーム地区が侵
攻を受けている】

 イスラエル占領軍はヒューマンライツ・レポートがこの数日間の
最初の攻撃に対する非難を出してから数時間後、今朝早くに新しい
攻撃に乗り出した。イスラエル軍当局は今回の急襲を、この金曜か
ら始まった3日間の攻撃と一続きのものだとしている。侵攻してき
たのは、約40台の戦車と装甲兵員輸送車(APC)、5台の軍用ブル
ドーザー、そして攻撃ヘリの一団だ。占領軍は大規模な攻撃で、9
人のパレスチナ人を殺害し、1500人を家なき人々にして、月曜日に
ラファの難民キャンプ、イブナ地区を立ち去ったばかりだった。

 今回の再侵攻では、エジプト国境に沿ったところに位置するサ
ラーム地区近郊を軍はターゲットにしている。今朝の午前2時、軍
は侵攻し、0.5平方kmの土地を占拠した。高い建物を襲い、それら
をスナイパー(狙撃手)の狙撃ポイントに仕立てた。銃撃と爆発の
音がそちらの方向から聞こえてきた。

 この新しい侵攻で少なくともラファでは4人のパレスチナ人が負
傷している。ラファのアン・ナジャール病院長であるアリ・ムサ医
師によると、その中には戦車砲の破片を頭部にうけて集中治療を受
けている12歳のアメール・アブ・シャールがいる。また、戦車砲の
破片のもう一人の被害者として、背中に怪我を負い、重態の20歳の
モハメッド・バラカットもいる。18歳のアフメード・アレダウィは
顔を狙撃兵に撃たれ、16歳のメデハット・アブ・モールは肩を撃た
れた。

 ムサ医師は、イスラエル軍が道路に障害物を築き、救急車に向
かって発砲して、救急活動を妨害し、攻撃にさらされている地区に
いる負傷者に辿り着くのを難しくしていると語った。さらにひどく
重傷な患者を設備の良い病院に搬送するにも、軍がハン・ユニスと
ラファの間をいまだ道路封鎖をしているため、それを避けて時間が
かかる土の裏道を行かねばならなくなっていることを付け加えた。
ムサ医師は、医療用品や設備が不足していることも訴えている。病
院のスタッフは先週に輪をかけた24時間休みなしの緊急体制によっ
て、とてつもない過労状態にある。

 イスラエル軍はこの地区をいまだ占領していて、厳しい外出禁止
令下をしいた。そこは完璧な制圧下にあるので、中で起こっている
ことを知るのがとても難しい。しかし、携帯電話で地域住民とコン
タクトをとって、いくらかの報告が入ってきた。住人たちが言うに
は、水道と電気のネットワークは潰され、7軒の家が完全に破壊さ
れ、2軒が部分的に壊されたということだ。4つのオリーブ林は完全
にだめにされた。サラーム地区は住宅地でもあり、農業地帯でもあ
る。また、電話の主は、イスラエル軍が家々に襲撃をかけ始め、家
宅捜索し、家具を壊し、人々を逮捕し、家族たちを震え上がらせて
いることも伝えてきた。

 レイチェル・コリーが3月に自らの命を落として破壊から守ろう
としたサミール・ナスラッラー医師の家とアブ・アフムードの家
──映画 "Shebab Daiya"に登場したところだ──は占領されてい
る地域のまっただ中にある。ナスラッラー医師は家族とともに家の
中に捕らえられていて、近所に何が起きているかわからないと語っ
た。アブ・アフムードの家はまだ建っているが、激しい銃撃にさら
されている。大口径の銃弾が壁を貫通し、家族は床に伏せていなけ
ればならなかった。誰も殺されなかったのが不思議なくらいだ。ア
フムードの家族はなんとか家から脱出し、安全なところへ逃れた。

 ラファのISM(国際連帯運動)コーディネーターは現場に出か
け、サラーム地区に入っていく通りの端に人々が集まっているのに
でくわした。コーディネーターが到着したとき、大音響の爆発音が
聞こえ、すぐ後に黒い煙が攻撃されている地域から出ているのを見
て、戦車砲が発射されたことがわかった。そのとき、戦車砲はその
1回きりだったが、銃撃は断続的に続いていた。地域にはほとんど
何のレジスタンスもないようだった。

 今日、遅くなって、サラーム地区から来た40歳のパレスチナ人男
性がパレスチナ人の服を着込んだイスラエル特殊部隊に捕まった。
この男性はラファの墓地近くをその時、歩いていた。今、彼はイス
ラエル情報部の手の中にあると考えられている。

 イスラエル特殊部隊の指揮官、ギャディ・シャムニーはサラーム
地区のイスラエル軍作戦は、いわゆる「最終解決(ファイナル・ソ
リューション)」作戦と呼ばれているものの一環であると発表し
た。作戦は数日間続き、軍は国境沿いに異なった地域を攻撃目標と
して、軍隊はそこをもっと後まで占領することになると語ってい
る。イスラエル軍にはたとえ民間人の地域に深く入り込むことに
なっても作戦は続けられるようになっているという命令が伝えられ
ている。

 人権団体であるアムネスティ・インターナショナルはガザ南部の
この町での先週末の攻撃を「戦争犯罪」であると非難した。アムネ
スティはイスラエル軍の「不釣り合いな軍事力」の使用を批判し、
パレスチナでの家の破壊をやめるように求めている[*2]。

(翻訳:かねこあさみ)

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AL BRAZIL IS BEING INVADED NOW

Thursday 16th October, 2003
Mohammed and Laura
in Rafah

2 ブラジル地区への侵攻
2003年10月16日
モハメッドとローラ
ラファ、占領下のガザ

【 ブラジル地区が今、イスラエル軍に侵攻されている 】

 ラファの状況はさらに悪化してきている。真夜中に、ラファの他
の地区がイスラエル軍によって侵攻された。今回も再び、エジプト
との国境沿いにあるラファ難民キャンプのブラジル地区である。前
回のイブナとブロックJへの侵攻、そして、今行われているサラー
ム地区での軍事作戦に続くものである。

 イスラエル軍は、65台の戦車と相当数のブルドーザーと装甲車を
ともなって、同難民キャンプ内を、少なくとも400メートルは侵攻
してきている。2機のアパッチヘリコプターも配備された。パレス
チナ人の男性が1人殺害されたとの連絡を受けた。4人が負傷してい
るようだ。地元の病院は、すでにどうしようもないほど目一杯に
なっている。今、まさに危機的な瞬間を迎えつつある。

 まだ詳細ははっきりしていない。厳しい封鎖のために、その地区
で、実際に何が起きているのかということを知ろうとすることは、
とてつもなく難しいのだ。イスラエル軍のスナイパーに狙われる恐
怖から、誰もがそこに近づくことすらできない。占領された地区を
取り巻く道々には、人の姿は全く見られない。

 テル・ゾロブと呼ばれている地区の近くにある国境付近に、イス
ラエル軍の戦車が集まっているとの情報が入ってきた。ここは、イ
スラエル軍がまさに今、軍事作戦を展開しているサラーム地区とブ
ラジル地区の反対側にあたる。テル・ゾロブの住人は、今度は自分
たちが侵攻されるのではないかと怖れている。その恐怖はまた、ラ
ファのサラ・エル・ディーン地区の住民の間でも広がっている。こ
の地区もまた国境沿いにあるからだ。また、先週末にボロボロにな
るほど攻撃されたイブナ地区に、イスラエル占領軍が再侵攻しない
とは限らないのだ。

 昨晩、ブラジル地区のレイチェル・コリー保育所のそばに設置さ
れているラファの主要変圧器がイスラエル軍に撃たれ、損傷した。
そのために、真夜中の2時から、ラファ市全体で電気が止まってし
まった。

 外国メディアは、ラファのパレスチナ人が置かれている苦境を報
道していない。また各国政府は、イスラエルの軍事行動を非難して
いない。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の支援は限ら
れている。これは非常事態だ。緊急に何らかの行動がとられなけれ
ば……。みなさん、受話器をあげて、自分たちの政府に電話をかけ
てください。自分たちの国が、ここで起きていることに対して反対
する立場をとるように要求してください。誰か、イスラエルの戦争
マシーンをとめて……。

 アムネスティー・インターナショナルは、「イスラエル軍によっ
て繰返されている意図的で悪意のある家屋と民間人の所有物の破壊
は、国際人権法と国際人道法の重大な違反行為にあたる。特に、第
4ジュネーブ条約第33条と53条に違反する行為であり、戦争犯罪を
構成するものである」と語っている[*2]。

(翻訳:清末愛砂)

 
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※ 1の文章の原文は
http://www.palsolidarity.org/reports/writings/14Oct03_05_47_
45GazaMohammedandLaura.htm

【イスラエル政府、軍へ抗議を!】黙っていると、この侵攻を認め
たことになってしまいます。ここで行われていることはすべて第4
ジュネーブ条約違反であり、国際人権法上許されることではありま
せん。

「緊急呼びかけ:ラファが破壊されている」
http://palestine-heiwa.org/tmp/rafah/031015.html
(抗議先、呼びかけ文、抗議文サンプルなど、ラファ侵攻のサイト
です。どうか、広めて利用してください)

【訳注】

[*1]ローラの手記 

『鏡の向こうの焔と涙』──ラファへの侵攻が始まる 2003.10.10 
http://www.onweb.to/palestine/siryo/laurafiretears.html

『侵攻また侵攻』──ラファに戦車が戻ってきた 2003.10.14
http://www.onweb.to/palestine/siryo/laurabetween.html

[*2]アムネスティ・インターナショナルによる国際ニュース
(2003年10月13日)英語
http://web.amnesty.org/library/index/engmde150912003

 

【編集責任:ナブルス通信 <http://www.onweb.to/palestine/>】

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