amanakuni Home Page | なまえのない新聞ハーブ&アロマテラピー | 八丈島の部屋

HOT NEWS

パレスチナで今起きていること

「ハマス」はテロ組織?

下記のTV放映をたまたま見ました。日本ではパレスチナで起きていることがほんとに知られていないようです。遠い世界の話のように思えますが、ネットの普及を考えると地球は小さな星で、同じ地上で起きていることを知らないふりはできません。長文ですが、どうぞゆっくり読んでください

--------------------------------------------------------------

まずは急なお知らせです。

明日9月11日(木)TBS『ニュース23』の9,11二周年企画の中で
パレスチナについて数分間の短い特集を放送します。

先日ご紹介した、イスラエル軍により殺害された
ハマス政治部門幹部のイスマイル・アブ・シャナブ氏と
私の会話の映像も一部ご紹介しながら[*註]、パレスチナが何に
抵抗しているのか、私たちがパレスチナの問題にどう向き
合えるのかを探ります。

短い特集なのでポイントを押さえてお話しし、
次につなげていければと思っています。

またニュース番組なので、状況によっての変動もあり
確実に放送されるとは明言できないのですが
一人でも多くの方にご覧いただけるよう取り急ぎ
予告をさせていただきました。

よろしくお願いします。

森沢典子

****************************

[*註]

森沢典子さんはこの8月にミサイルで暗殺されたハマスの
政治リーダー、イスマイル・アブ・シャナブさんと、昨年の
夏に会って話をしています。

非常に貴重な内容なのですが、アブ・シャナブさんが殺されて
しまい、つい先日、その内容を森沢さんはメールで広く公開
してくれました。

そのメールをここにつけておきます。大変、長いので、インタ
ビュー部分はウェブのほうでごらんになってください。

******以下、森沢さん9.6付けメールです*****

今年に入ってロードマップ、停戦合意・・・とパレスチナ問題に
解決の兆しが見えたような気がした、そんな空気は
いつのまにかどこかへ消えていきました。

なぜでしょう?
この間何が起きたのでしょう?
下記にイスラエル人ジャーナリスト、ウリ・アブネリの記事を
参照してみます。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

8月8日、イスラエル軍兵士がナブルスでハマスの活動家を2人殺害。

―――だが、(ハマス側からの)報復は抑えられた。

12日、ハマスの自爆攻撃者がロッシュ−ハアイン(Rosh-Ha’ayin)で
イスラエル人をひとり殺害、別の自爆攻撃者がアリエル入植地で
ひとりを殺害。この自爆攻撃者はいずれもナブルスの者だった。

―――ハマスは、停戦は継続するとの声明を発表。

14日、イスラエル軍は、ヘブロンのハマス軍事部門のリーダーである
ムハンマド・セーデルを殺害。

5日後の19日、ヘブロンからやってきた自爆攻撃者がエルサレムのバ
スの中で自爆、男性・女性・子供の計20人を殺害した。

2日後の21日、イスラエル軍は、ハマスの4番目の地位にあるリーダー、
イスマイル・アブ・シャナブを暗殺した。

こうして、ようやく目的は果たされた。
パレスチナの複数の組織が停戦の破棄を宣言したのだ。
シャロンとその仲間たち(Sharon and Co.)は欣喜雀躍した。
数時間とたたないうちに、イスラエル軍は再びパレスチナの街々の
中心部に侵入し、逮捕と家屋破壊(たった1日で40軒以上)の饗宴を開始
した。
             (訳・かねこあさみ・山田和子)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

日本の報道はどうだったでしょう?

8月14日イスラエル軍が行なったヘブロンのハマス軍事部門のリーダーの
殺害までは、本当に小さな記事でした。

そして19日、突然新聞の一面にカラーで焼け焦げたバスの写真とともに
「自爆テロ」と大きな見出しが付き、エルサレムのバス爆破に
ついて報じられました。

何も知らない人は、これが事の始まりだと思うでしょう。

そして21日シャナブ氏の暗殺については、各社一面のトップ記事に
なりましたが、その見出しは「ハマス停戦破棄」でした。
イスラエル軍が空からミサイルを落とし市民を巻き込ん
だにも関わらず。

私たちは、またパレスチナ側が、せっかくの和平を破棄した・・・という
印象をもちます。そしてテロ組織の幹部なのだから、市民を
巻き込んだ超法規的な暗殺でも「しかたがない」とうような
受け止め方をしてしまいます。

なぜ多くの大手新聞社は、この形の報道の枠にはまり込んで
しまうのでしょう?

それがシャロン首相の思惑通りであることを、ウリ・アブネリは
痛烈に批判しています。(メール?参照)

けれども何の疑問ももたずに日本でニュースを拾っていくと、
ハマスは本当にただのテロ組織のような気がしてきて
しまいます。

その後アメリカは、直ちにハマスへ流れる資金の凍結を行う
大統領令を出しました。

私は震えてしまいました。
なぜならば、パレスチナ、特にガザで、どれほどハマスの支援活動に
よって生き延びている人がいたか、貧しい難民キャンプの家族の
家を泊まり歩きながら実感していたからです。

またハマスは、一部の人たちの組織・・・ではなく、パレスチナの
民衆そのものであることも。

いえ、ハマスはやはりテロ組織なのかもしれません。
政治的な理由を掲げ、市民を狙った殺戮を行うとすれば
それが後から「誤爆です」と言い訳をしようが、「やりました」と
犯行声明を出そうが、それはテロであると思います。

ならば、例えばアメリカは1960年以降ベトナム戦争だけで
200万人を越える市民を殺害、湾岸戦争、アフガン攻撃
今回のイラク攻撃だけを合わせても12000人以上の一般
市民を殺しています。(2003年8月14日四国新聞より)

ここに日本に落とされた原爆で亡くなった20万以上の人の数は
入っていません。
でもアメリカ軍への資金の凍結については、聞こえてきません。

イスラエルは、ハマスの幹部暗殺・・・という名目でもう何度
ガザの市民の上にミサイルを落としていったでしょう?

昨年夏はたった一人のハマスの幹部を狙ったとして
住宅地に1トンのミサイルが落とされ、その後破断し
住宅地を広範囲で破壊、160人以上の死傷者を出した
現場をみました。

今年の春も、ハマスの幹部が乗った車をめがけてミサイルが
撃ちこまれましたが、こういう時パレスチナの人々は現場から
逃げず救出のために集まってきます。(4月8日)

私だったらプロの救助隊に任せて避難するでしょう。
いつもパレスチナ人のこのようなとっさの動きに胸を打たれて
しまうのですが、それだけパレスチナではミサイルが落ちてくる
ことが日常化しているというのも事実です。

ところがこの日、人だかりができた同じ場所に30分後、
再びイスラエル軍はミサイルを撃ちこんだのです。

翌日私は病院に駆けつけ、この攻撃で怪我をした多くの青年、
子どもたち、泣き崩れる家族達、怒りに震える医者達に
会いました。
顔中に破片を浴びて、面影もなくなった血だらけの男性が
私のビデオカメラに向かって悔しい気持ちをぶつけ、話を
してくれましたが、その映像はCNNで流れるわけでもなく
私はあまりにも無力でした。

実は私自身も、はじめはハマスのことをただの「テロ組織」だと
思っていました。
パレスチナ支援の運動が人々の間に広がっても、
「自爆」がそれを止めてしまうことや、
自爆事件が起きる度にますますパレスチナの平和が遠のくような
気がして胸が苦しくなること、そもそも「自爆攻撃」という戦い方に
どうしても共感できず、それが起きる度にがっくりと
肩を落としていました。

自爆について現地でいろいろな方と話すうちに、パレスチナの
一般の人々と議論していてもだめだ・・・組織している本人に
会わなくては。そう思うようになりました。
また、ブッシュ大統領やシャロン首相の主張が
次々にマスコミを通じて伝えられるのだから
「ハマス」の主張も一度きちんと聞いてみたい・・・と
いう思いもありました。

それで、二度目にパレスチナを訪れた昨年夏、「ハマスって何?」
ということを聞きに、そして「自爆攻撃をやめてください」と
伝えに、地元の方の協力を得て軍事部門の最高幹部ランテイシさんと、
政治部門の最高幹部アブ・シャナブさんを訪ねて行きました。

その時はお話した後も、「二人とも戦う理由ばかり並べて!」っと
当然ハマスを支持することも、納得することもできないまま
戻ってきたものの、どうしても忘れられない言葉がありました。

シャナブさんが涙ぐんで

 「信じてほしいのですが、世界というものは弱い立場のものの声を
 けして聞こうとはしないものです。」

と言った言葉が、その後もずっと心から離れませんでした。

シャナブさんは、アメリカで学び、ガザに戻り、大学の先生として
働いていました。
パレスチナの現状にまっすぐに向き合い
医療、教育、音楽、様々な活動を展開しながらも
闘わざるを得ない状況の中で、軍事部門を作っていった
経緯をゆっくりと話しました。(全文は末尾にあります。)

その中で他にも次の言葉は印象に残っています。

 「 ハマスはテログループではありません。
  私たちは自分たちの土地で生活している「パレスチナ人」です。」

 「私たちはすべての国際社会に向かって、私たちの自由に向けての
  闘いを支援して欲しいとを懇願しています。
  自由以外に何も望んですらいません。」

 「私たちはイスラエルが占領しているから自爆をして
  いるのであって、私たちは本来そういう民族ではありません。
  私たちは平和に暮らしたいです。 自分達を教育したいです。
  自分達の社会のことに力を注ぎたいですし、貧しい人を助けたいと
  思っています。」

シャナブさんとはその後、メールや電話でのやり取りが続き
個人的にもいろいろな話を聞かせてくれるようになりました。

春にお会いした時も、ちょうどパレスチナの新しい首相アッバス氏が
ハマスとの交渉のためガザ入りした日で「これから会います」と
おっしゃっていました。

地元では、アメリカの差し出した首相・・・という印象のアッバス氏を
否定する声も多くあった中シャナブさんは「交渉します」と言っていました。
そして
「イスラエルはオスロ合意を利用してパレスチナを苦しめてきました。
それと同じ内容のロードマップを受け入れることはできません。
まずイスラエル軍の、パレスチナ自治区からの撤退なしに
どんな和平が望めるというのでしょう?私たちが望むことは
占領の終結だけです」・・・というシャナブさんの主張は
私でさえ、簡単に納得のできる当然の望みでした。

以前ハマスは48年に建国宣言をしたイスラエルの
存在そのものを認めず、すべてのイスラエル人を追い出す・・・
という「逆シオニスト」のようなイメージがありますし
実際にそういう主張を繰り返していた時代もあったと聞きます。

けれども私がお会いした昨年夏から今年の夏まで
シャナブさんは個人的にも、ハマスのスポークスマンとしても、
一貫して1967年のラインまで(現在のパレスチナ自治区から)の
イスラエル占領軍、入植地の撤退を訴え、「イスラエルは
スーパーパワーだ、私たちにはとても適わない。
現実的にイスラエルとの共存以外、道はない」と繰り返し
言っていました。(読売新聞他)

そのシャナブさんをなぜ和平合意がすすむさなかに
暗殺する必要があったのでしょう?

イスラエルが本気で和平を望むのなら、絶対に殺してはいけない
相手だったと思います。

強硬派のランテイシ氏を「暗殺失敗」の怪我にとどめ、
穏健派、まとめ役のイスマイルさんをこの時期に暗殺したことに、
イスラエルのおぞましい悪意を感じずにはいられません。

ウリ・アブネリの記事の中で、なぜ政治部門のリーダーとして
よく知られているシャナブ氏を殺す必要があったのかを
皮肉をこめて書いている部分がありました。
イスラエルのテレビで軍担当官が「なぜ殺したか」
それは「簡単だったから」と口を滑らせた・・・と。
エルサレムのテロの後、軍事部門のハマス幹部が皆
姿を隠していたのに対し、シャナブさんは普段どおり表に出ていて
狙いやすかっただけで、ただその後の「停戦破棄」をパレスチナ側から
言葉で引き出すのに利用し、しかもそれは成功してしまった・・・ということを
書いています。

日本では、シャナブさんの暗殺が、各新聞の一面トップに
出たものの、「ハマス停戦破棄」という見出しになっていたうえ
ほとんどニュースで扱われることはなく、
イスラエルの超法規的な暗殺方法に対する批判も出ず
イスラエルやアメリカの思うままにことが運ばれていくのを
指をくわえてみているような気分です。

私はイスラエルの軍事占領や壁の建設をまったく支持できないように
占領に抵抗するハマスの闘い方を全面的には支持できずにいます。
でも全面的に否定もできずにいます。
なぜなのか、ずっと考え続けています。
私自身、きっとずっと葛藤していくことでしょう。
またハマスについてすべてを知っているわけではありませんし
ハマスについて語るのは、とても慎重であるべきだと思ってきたので
これまでは控えていました。

でも今のままでは、ハマスだけが悪の根源で、それだけが
パレスチナ−イスラエル問題の原因で、それを
潰すのが自治政府の役割で、それができないのだから
イスラエル軍は何をしてもいい・・・という論理の中で
パレスチナを内部分裂させ、自治政府の代わりに
ハマスが作り上げた貧困者たちの支援の
ネットワーク―――事実上パレスチナの人々の
暮らしを支える柱の一つ―――を潰し、イスラエルの一方的な
攻撃や作戦を正当化する・・・・ということに、私たちみんなで
加担してしまいます。

ヨーロッパでは、ハマスがテロ組織であるかどうか
議論が起きているとききます。

日本のマスコミも、世論も、それが起きるほどの深い
土壌も関心もまだまだなく、とても表面的にイラク、北朝鮮
パレスチナのテロや脅威をひとくくりにし、一面的な
報道や対策ばかりが繰り返されているような印象を受けます。

だからせめて「ハマス」「テロ」について
私たちはもう少し複雑さを受け入れて議論を繰り広げ
一枚岩で語り済まそうとするアメリカやイスラエルの
論調をけん制してもいいのではないかと感じています。

昨年の夏と今年の春のインタビュー3時間分のうち
昨年の夏の分だけ日本語で文書に起こしたものを
ちょっと長いのですが下に貼り付けました。

追伸
ガザで行われたシャナブさんの葬儀には、チェックポイントの封鎖にも
関わらず、北側の人々だけで10万人を越えたと聞きました。

森沢典子

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

イスマイル・アブ・シャナブさんとの会話

N―(森沢典子)

  ハマスという名前は日本で知られていますが、自爆テロを行う組織
  というイメージが強いです。
  でもガザの地元の人々は「ハマスが私たちを助けてくれる」と
  言います。
  軍事行動以外の活動について話していただけませんか。

S―(イスマイル・アブ・シャナブ)

  はっきりさせましょう。ハマスはテログループではありません。
  アメリカは、実態を曲げようとしています。
  残念ですが日本のメディアはアメリカの影響を受けていますね。
  けれども、私たちは「アルカイダ」ではありません。
  私たちは自分たちの土地で生活している「パレスチナ人」です。

  イスラエルが私たちの土地を占領しているので、それに
  抵抗しているのです。
  外国の占領に抵抗するのは正当です。

  国際的な定義から言っても、イスラエルの戦車で、イスラエルの      
  軍隊で、イスラエル入植者によってパレスチナの領土を占領し
  すべてのパレスチナ人を支配しているイスラエル政府のほうが
  テロリストです。

(以下、抜粋)

N  パレスチナ人による自爆攻撃がなかったらシャロンが困るのでは
  ないでしょうか。
  シャロンはそれを必要としていますし、うまく利用していますね。

S 私たちは解決方法を探そうとしています。
  解決の隔たりとなっていることは、シャロンはとにかく占領を続け
  入植地を広げるつもりだというところです。

   私たちが反撃すれば 「パレスチナ人が私たちを殺すんだから
   もっと占領地を拡大しよう」と言います。
  私たちが攻撃をやめたら、今まで通りの政策を続けようと言います。

  では私たちの戦略はどんなものか。 
  イスラエルへの反撃を続けることです。

   確かに高いコストを払っています。シャロンは、さらに多くの
  パレスチナ人を殺すでしょう。
  でもシャロンは、イスラエル人に安全をもたらしていません。
  イスラエル人は、後になって彼が英雄ではなく、最悪の人物だったと
  思い起こすでしょう。

  たとえば先週、シャロンは15人のパレスチナ人の児童を殺しました。
  このガザで。
  軍事部門のリーダー・サラッシュ・ハッダを殺すというのが口実でした。
  それに対して昨日パレスチナ側が7人のイスラエル人を殺しました。
  2人のパレスチナ人に対して、1人のイスラエル人です。 
   ゲームの最後にイスラエル人は シャロンがイスラエルを
  最悪の状況へと追いやる人間だとわかるでしょう。
  そしてシャロンを止めるでしょう。 

  でも私たちが反撃せずにいたらどうでしょう?
  イスラエル人の目には、彼は英雄と写るでしょう。
   イスラエル人を守りとおし、入植地を広げ、占領政策を支え
  続けた人として。
  その意味で、イスラエル内での私たちの軍事行動は 
  パレスチナの、イスラエル原理的シオニストに対する挑戦なのです。

  (中略)

N  アメリカやイスラエルは産業や日常生活を含むパレスチナ社会の
   全体にじわじわとゆっくり プレッシャーをかけています。
   その状況が実は深刻なので、そうしたことを少しでも
   いろいろな人々に知らせたいと思っています。 
   でもそれをやろうとするたびに爆破事件が起こり邪魔されてしまう。
   あなたたち(ハマス)はイスラエル側に立っていますよ。

S   あなたの環境や社会とまったく違うのです。
   私たちは世界から切りはなされています。
   彼らはパレスチナ人がいることも認めていません。
   だから闘わなくてはならなかった。 
   私たちはここにいると証明しなくてはならなかったのです。
    そして(自爆をはじめてから)今 、世界はここにパレスチナ人が
   いることに気がつきました。

   信じてほしいのですが、世界というものは弱い立場のものの声を
   けして聞こうとはしないものです。

N  私を驚かせたことがあります
   イスラエルはアメリカ産の大きな戦車やF16なども戦闘機で
   攻撃しています。
   けれどこの小さな小さな国はけして音をあげません。
   普通の暮らしを続けようとし、ジョークを言って笑うことを
   失わないようにしています。なぜなのか・・・
   それはコミュニテイが健全だったからです。
   この状況下にもかかわらず自分達の文化を維持し続けています。
   ここで私はたくさんのパレスチナ文化を見ることができました。
   そしてそれこそが最も大きな彼らの闘い(インテイファーダ)だと知りました。
   だからそのことを書きました。
   それに対して多くの人が心を動かされ、たくさんのメッセージをくれました。
   自爆攻撃はパレスチナの闘いかたではありません。
   社会を維持し続けることそれがパレスチナの闘いでした。 

S  それがパレスチナです。私たちの暮らしの一部です。

N  自爆攻撃をすることは、それがパレスチナの心だからではなく
   イスラエルの占領が原因のはずです。

S  そうです。 私たちはイスラエルが占領しているから自爆をして
   いるのであって、私たちは本来そういう民族ではありません。
   私たちは平和に暮らしたいです。 自分達を教育したいです。
   自分達の社会のことに力を注ぎたいですし、貧しい人を助けたいと
   思っています。

N  夕べ,イスラエル軍はハンユニスの街の電気を切りました。 
   私は難民キャンプのある家に泊まっていました。
    人びとはヒステリックになるのかと思っていました。
   でも誰もそうはなりませんでした。
   ただ彼らは状況を受け止め、外にゴザを敷き、横たわり星を眺めました。
    そして歌をうたい、アッラーに祈りをささげました。
   彼らは静かに、そして楽しんで過ごそうとこころみました。
   このような状況の中でです。
   これがパレスチナ人の姿です。私はそれを外の人々に伝えたいのです。
   だから自爆をやめてください。

S   おっしゃるとおりです。
   でも私は闘わざるをえない状況を説明しているのです。
   イスラエル社会に大惨事をもたらしているのは、あななたちのリーダー
   なのだとイスラエルの人たちに伝えたいのです。
   彼らのやり方は、イスラエル市民にもパレスチナにも苦闘をもたらします。
   このような政府は止めるべきなのです。 
    止めるよう国際社会が働きかけてくれることを望みます。

N  よくわかりました。それに本当に胸が痛みます。
   私も今後パレスチナの人々が置かれている状況を
   多くの人に伝える努力をします。 
   ですから殺すことを止めるよう努めてください。

S  わかりました。約束しましょう。

 2002年8月

(翻訳協力・今村和宏、文責・森沢典子)

インタビュー全文は以下に。
http://www.onweb.to/palestine/siryo/ismail-morisawa.html


HOT NEWS

amanakuni Home Page