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水をめぐる旅日記・フィリピン

アジアのダム問題に取り組む国際ネットワーク会議から


2月16日から3月1日までフィリピンに行ってきた
ので報告する。
一昨年にタイのコンジアムで開かれたアジアのダ
ム問題NGO国際会議の後、RWESA(ルイサ:Rivers
Watch East and Southeast Asia)という国際ネッ
トワークが結成された。その第2回目の会議に出席
するためだ。開催地はフィリピンのバギオ市で、
フィリピン第2の都市であり、サンロケ・ダム建設
地の上流に位置し、反対運動の拠点となっている。
バギオ市はマニラの北350キロの山岳地にあり、標
高は1500m。熱帯の国だが山なので涼しく過ごし易
い。治安も良好で深夜の一人歩きも特に恐くなかっ
た。

第2回 RWESA会議

会議前日に、会場となるホテルに引っ越した。一
泊6000円のゴージャスなゴールデン・パイン・ホテ
ルは安宿とは大違いの快適さだった。会議への出席
者はアジア11カ国から約80名。日本からはメコン
ウオッチ・ジャパンのOさんとFさん、フレンド・
オブ・ジ・アース・ジャパン(FoE-J)のMさん、川
辺川・県民の会のNさん、水源連からはMさんと僕
が参加した。Oさんが同時通訳として参加してくれ
たので、英語が面倒になると日本語で聞き、楽を出
来て嬉しかった。
 会議の最中、日本のダム問題における強制収用撤
回要請署名の準備をノートPCで作業したり、Nさん
のPCによるプレゼンの準備を行っていたため、他国
の参加者からエンジニアだと勘違いされてしまった。
いつのまにかPCよろず相談係となってしまい、各国
のPC作業を手伝った。このため、会議での報告や
議論を落ち着いて聞けなかった。Mさんが将来の取
材に向けて詳細なメモを取っていたので、報告があ
ればうれしい。

カントリーレポート

 会議の冒頭に各国別にダム問題の状況が報告され
た。日本からの参加者はかなり周到な準備をして会
議に臨んだので,トップバッターとして報告した。内
容は、日本のダム開発全般の状況をMさんが報告し、
次に川辺川ダム問題で最近起こっている急激な動き
をNさんが報告し、最後に僕が、土地強制収用がか
かっている徳山ダム・苫田ダム・川辺川ダムについて、
強制収用の即時撤回を求める要請書への署名依頼を
水源連として行った。最終的に10を越える国から6
3名の署名が集まった。署名は,日本の水源連事務局
へ電子メールで送信され、会議開催中に小泉総理大
臣と扇国土交通大臣へ提出された。また、フィリピ
ンのメディア向け共同記者会見では、署名の内容を
述べた後,住民に深刻な影響をもたらすサンロケ・ダ
ムが日本のODA資金で建設されていることは、日本
人としても納得が出来ないことを話した。

WCDの報告書と勧告

 2002年11月にWCD(世界ダム委員会)が世界中の
ダム開発についての詳細な調査報告と、今後のダム
開発に向けての提言・勧告を発行した。WCDの11人
の委員には、ダム反対側NGOはもちろん、ダム開発
側(国際大型ダム委員会)からの委員も含まれてお
り、ダムに関わる反対・推進双方の側の委員が2年
間かけて世界の125のダム開発を詳細に検討し、約
1000のダム開発事例のデータ-を検討した後に発行
された。
 報告書には、情報公開・住民の参加・議論の機会
の保証・ダム以外の代替案の検討・ダム影響住民へ
の十分な補償などが、今後、ダム開発を勧めるため
には必要であると明確に記述されている。ダム開発
反対・ダム開発推進の双方の委員が一致して出した
報告書・勧告は、ある面妥協の産物かもしれない。
しかし、ダム開発への中立的で一致した結論が出た
という意味は重い。

戦略会議とWCD市民ガイド

 RWESA会議では、アジアにおける今後のダム開発
問題に取組む市民がWCDの報告書をどのように生か
してゆくかの戦略が練られた。IRN(インターナショ
ナル・リバーズ・ネットワーク)は、300ページに
およぶWCD報告書をコンパクトに解説し、どう利用
できるかの「市民ガイド」を作成し、国際会議当日、
参加者全員に配布した。市民ガイドは平易な英語で
書かれており、ページ数も50項と短いので読みやす
い。結論として、WCD勧告に対して、各国政府の公式
な態度表明を得る事、市民ガイドを自国の言語に翻
訳して出版する事、WCDに関するシンポジウムなど
を各国で開催しフォローアップを行う事などが決ま
った。

東南アジアのダムに投資する日本

 東南アジアの発展途上国におけるダム開発は、世
界銀行や日本の国際協力銀行(つまりODA資金)な
どからの資金によるダム開発の事例が多い。日本の
ODA資金で海外に次々とダムが建設され、その結果、
河川環境は回復不能ともいえる深刻なダメージを受
け、影響住民は生活手段を奪われ、人々は生存の危
機にさらされる。
 各国からのリポートには頻繁に日本・日本の金・日
本国際協力銀行と言う単語が出てきて、その度に恥
じ入り、うつむくしかなかった。遠くの席に座って
いたIRNのアビバ(RWESAの仕掛け人)は、顔をし
かめる僕に気付いて、苦笑いしながら慰めてくれた。
東南アジアにおけるダム建設を止めるためには、
海外からの資金提供者にダム建設がもたらす影響の
深刻さを訴え、資金援助や開発のありかたを問いた
だすなど、国際的な取り組みが重要な点となる。早
い話、日本政府に実情を知らせてODAのありかたの
見直しを迫り、環境や住民の参加などを定めた融資
のためのガイドラインを策定・実行する必要がある。

国内資本ダム(DFD)フォーラム結成

 一方で、東アジアの日本・韓国・台湾などでは、
自国のお金でダム開発が進められているため、国際
的な圧力はかかりにくい。
 これらの東アジア諸国では、東南アジア諸国とはダ
ム開発プロセスの構造や、NGOによるアプローチの
仕方も異なってくる。このため、RWESAの中に
Domestic Funded Dam (DFD:国内資本ダム)フォーラ
ムを設ける事になった。
 韓国では昨年新たに25のダム開発計画が発表さ
れ、KFEM(韓国環境運動財団)が反対運動の狼煙を
上げている。KFEMは公称15万人ものサポーター
(会費を払う会員)がおり、専従スタッフが何十人
もいる大きな組織だ。軍事政権を倒した経験を持つ
彼らの発言は、アグレッシブで超具体的だった。結
論として、DFDフォーラムの設立、DFD国際会議を今
年の年末に韓国で開催する事、会議参加者の経費や
会議の費用を捻出するため、各国で助成金の調達
(総額250万円位?)を試みる事等が決まった。
 日本の水源連事務局会議であらかじめアドバイス
を受けていたので、国際会議開催前に、参加各国の
ダム開発の事例報告、各国におけるダム開発のプロ
セス(関連法規や予備調査・環境影響アセスメント
の状況など)を調べる事など、事前に十分な準備を
行えば、有意義な会議が開催できるのではないか、
という意見を述べた。

バンゲット県議会と副知事面談

 会議の最中にCPAから依頼を受けて、FoE-JのM
さんと僕が国際会議を中座し、バンゲット県の議会
を傍聴に出かけた。サンロケ・ダムは隣の県に建設
中で、バンゲット県はダム湖の上流に位置する。こ
のため、直接的な決定権はないが、ダムの運用開始
にはバンゲット県の同意が必要という条件をJBIC
(日本国際協力銀行)がつけている。このため、同
意を行うかどうかの県議会が開催されていた。
 県議会議場には何の問題もなく日本人が入ること
が出来た。県議会の運営葉は日本よりも開かれてい
るのかもしれない。議場は傍聴するダム影響住民で
満員だったが、僕たちのために席をつめてくれた。

 この日の議題は2つあった。ひとつは、アグノ側
上流に50年以上前に出来たアンブクラオダムによ
って堆砂被害を受けている住民からの補償要求につ
いてだった。堆砂によって田畑に被害を受け、野生
の野菜や魚とり、砂金採りが出来なくなった住民が
窮状を述べ、保障を求めていた。しかし、県知事が
厳しい口調で「住民たちは木を切ったまま森を復活
させる努力を怠ってきたため堆砂問題が深刻化した。
被害は住民に責任がある」と冷たく答弁して保障を
拒否した。
 もうひとつはサンロケ・ダムへの同意についてだ
った。県議会議員の一部がマニラでお金を受け取っ
たという疑惑資料が反対派議員から提出され、疑惑
を持たれた建設推進議員が自分はお金を受け取って
いないと答弁していた。この日は結論が出ないまま
散会となった。
 散会後、議長を務めていた副知事(女性)を囲み
影響住民がサンロケ・ダムに同意しないように訴え
ていたので、僕たちもその輪の後ろに加わった。住
民との話が終わった後に20分ほど、FoE-JのMさん
と僕は副知事と会話をもった。日本におけるダムの
現状や、相模川や黒部川におけるダム堆砂の深刻な
状況をつたえたのだが、「この前の戦争で私の親戚が
日本軍に殺された」「日本のダムを止めてから改めて
出直して来れば話を聞く」と、かなり手厳しいこと
を言われてしまい、結局分かり合うことは出来なか
った。最後には握手をしてまたおいでとも言ってく
れたが。CPAや影響住民の方々が望んだ様に、資金
援助国の日本においてもダムによる被害は深刻であ
ることは伝えられたと思う。

フィールドトリップ

 3日間の会議の後、サンロケ・ダムが完成すると
被害を受けるイトゴン地域へのフィールドトリップ
に出かけた。日本チームはダンプリップ村を訪れた。
村は急峻な峡谷の底を流れるアグノ川沿いにあり、
サンロケ・ダム(建設中)のダム湖上端から5キロ
上流に位置する。村に着くと地元で取れたティラピ
アという魚の空揚げで昼食のもてなしを受けた。そ
の後、川を見に行く事になり、僕は持参した日本の
のべ竿を取り出した。すると、子供達が集まってき
てあっという間に釣り竿を取られてしまった。カー
ボン繊維製の振出竿が珍しいのだろう。子供達にミ
ミズを獲ってもらい、川へ。最初は近くでティラピ
アを狙ったが全くあたりが無い。現地の大人から対
岸の方がいいとアドバイスを受けると、子供達はす
っポンポンになり釣り竿を片手に川に飛び込んだ。
僕もパンツ一枚で川に飛び込み、100メートルほ
どの川を泳ぎ渡り、魚を狙った。しかし時間帯が悪
く、魚信は無かった。釣りに飽きた子供達は、崖に
上って川に飛び込んで遊び始めた。その姿を見てい
た各国からの参加者も泳いできて、飛び込み大会と
なった。前日の晩にフォトエコロジストのMさんが
日本の川ガキが橋の上から川に飛び込む度胸試しの
スライドを見せていてので、それに触発されての度
胸試しとなったらしい。

会議終了後の視察とCPAの協力

 今回の旅行では、RWESA会議のフィールドと
リップに他に3日間連続でアグノ川各地を個人的
に視察した。視察にはバギオ市のNGOコルディ
レラ人民連合(CPA)のスタッフの皆さんにジプ
ニーのチャーター、3つのダム訪問への同行などの
協力を頂いた。CPAはRWESAの事務局をIRNから事
務を引継ぎ、現在、RWESA活動を支えている。
フィリピンでは、コンピューターの値段が生活費
に比べて高いので、ペンティアム133MNZのノー
トPCが現役バリバリで動いている。CPAのブランチ
オフィスにはフィリピン軍と思われる泥棒が入り、
PCを丸ごと盗まれてしまった直後だったので、僕の
PCを置いていってくれと再三おねだりされたが、僕
も困るので断った。(もしこの記事をお読みの方で不
必要となったノートPCをお持ちの方は、フィリピン
やアジア各地でダム問題に取り組む現地運動体にぜ
ひ寄付していただければ幸いです。水源連事務局ま
でご連絡ください。)

アグノ川の既存ダム

 アグノ川の周囲の山肌にはほとんど木が無い。金
鉱山の坑道の支え木とするため、山の木が伐採され、
また、牛などを放牧するための焼畑が過去に行われ
たため、禿山となっている。このため雨季の豪雨が
来ると多量の土砂が川に流れ込む事になる。
 アグノ川の上流には、50年以上前に建設された
2つの発電ダムがすでに存在している。ビンガダム
の上流には多量の土砂が堆積し、川底を押し上げて
いる現場を見、ビデオと写真に記録した。その更に
上流にあるアンブクラオダムに到っては、長さ18
キロに渡って深刻な堆砂が発生し、深いところでは
50mの峡谷が埋まってしまったという。川沿いに
住む住民は堆砂のために水田に被害を受け、魚は取
れなくなり、川沿いで採取していた野生のフルーツ
や野草にも被害が出ているらしい。また、現金収入
の柱となっている砂金取りも出来なくなってしまっ
たという。

サンロケダムがもたらす影響

 過去に作られたダムの影響を見れば,サンロケ・ダ
ムによってもたらされる堆砂等の影響を受けるダン
プリップ村の住民の生活がどうなるかは一目瞭然だ。
2年前にタイの会議で出会ったアーノルドが状況
を説明してくれた。村の生活はほとんど自給時自足。
米は十分に取れ、村人間で分け合っている。庭には
鶏が駆けずり回っている。村を訪問し、彼の家に一
泊した僕とMさんに、その場で鶏を一羽絞めてご馳
走してくれた。また小ぶりの豚がそこら中で飼われ
ている。水田の横の溜池ではティラピアも飼われて
いる。村のあちこちにバナナやパパイヤやマンゴー
が生えていて、その果実も食べている。家の周りに
はレモングラスが自生しており、摘んだレモングラ
スをお茶にしてご馳走してくれた。
 ダムが出来ると川は土砂で埋まり、自給的な暮ら
しが破壊される。そして、住民へは何の補償も無い。

サンロケ・ダム建設現場を訪問

 帰国の前日、サンロケ・ダム建設現地を訪問した。
サンロケ・ダムで発電を行うサンロケパワーコーポ
レーション(SRPC)は、日本の丸紅が42.45%、関西
電力が7.5%、アメリカの企業が50.5%を出資して設
立された。サンロケダムプロジェクトではBOT(建
設・操業・譲渡)という方式がとられており、ダム
と発電システムの建設と25年間の操業をSRPCが行
い、得られた電力をNPC(フィリピンのナショナル・
パワー社)へ売却する。25年後にはダムシステムそ
のものをフィリピン側に譲渡することになっている。
ダム建設の資金はほとんど日本国際開発協力銀行
(JBIC)を通して出資される日本のODA資金である。
JBICからは700万ドルの資金が拠出されている。内
訳は、400万ドルが灌漑・水道・洪水調整のために
NPCに拠出され、発電のために300万ドルがSRPCに
拠出されている。ダム影響住民(移転住民等で、ダ
ンプリップ村などの上流住民は保障対象ではない)
に対する保障はフィリピン政府が担当している
サンロケパワー社の現地事務所では、関西電力か
ら出向中のYさんとSさんのが出迎えてくださった。
お忙しい中、事前に説明と見学の準備も整えていた
だいた。お二方は発電システムの設計施工関係に携
わっており、サンロケ・ダムが完成する7月まで現
地に滞在されるそうだ。

 事務所ではVirgilio Marclo副社長(Social
Engineering担当、全色はフィリピン軍の副将軍)
が詳しい説明と面談に応じてくださり、小一時間ほ
どお話を伺った。副社長の説明を以下に記す。
サンロケ・ダムは1974年にプランが立てられ、83
年に計画がスタートしたが、当時はBOT方式ではな
かった。98年に契約が成立しBOT方式となり、2002
年2月現在で90%以上の工事が完了している。今年7
月には完成し淡水試験が始まり、来年には商業運転
が始まる予定となっている。湛水面積は約80、000ha。
サンロケ・ダムによって約765世帯が移転を余儀
なくされており、3箇所の移転住宅街に移転しつつ
ある。移転住民に対しては住居の提供に加え、職業
訓練、ダム建設現場での雇用などがNPCとSRPCの協
力の元に進められている。建設が完了すると仕事が
なくなるので、建設雇用中にスキルを身に付けるト
レーニングを重ね、他の仕事につけるように教育を
行っている。みんなコンピューターを持っているそ
うで、副社長は未来への投資と言う言葉を使ってい
た。説明を受けた後、日本におけるダム堆砂問題な
どを説明し、サンロケ・ダムにおける堆砂問題の見通
しやイトゴン地区への影響や上流住民への補償問題
についても質問した。
 何故ビンガダムやアンブクラオダムで深刻な堆砂
問題が発生したかについては、流域管理を行ってこ
なかった事が原因で、サンロケ・ダムでは更に進ん
だ流域メインテナンスを行っているとのことだった。
サンロケにおける堆砂は既存ダムのケーススタディ
ー結果から十分に検討されており、向う数十年間は
深刻な影響は出ないとのことだった。また、仮に堆
砂でダム湖が埋まってしまった場合は、その時に対
策を考えるとも述べていた。
 面談が終了した後、Fさんの運転でダムサイト
近くの建設現場を見学した。サンロケ・ダムは巨大
なアースフィルダムで、大きな重機と巨大なベルト
コンベア-が印象に残っている。このときの模様はビ
デオと写真に記録し、FoE-Jがビデオを管理、後日
NHKの報道でも使用された。

移転住宅街の訪問

 サンロケ・ダムの後にすぐ近くの移転住
を訪問した。移転住宅は真四角で、33平米の床面積
があり、寝室が2部屋、お風呂と台所と居間がある。
この家で6人以上の多人数で生活している家も多く、
日本の感覚から行っても狭い。
 移転住民の一人、ベグノ・アルガドさんと奥さん
にお話を伺うことができた。ベルガドさんは60歳を
越えており、7ヶ月前にダムサイト近くの山から移
住してきた。建設現場では3ヶ月だけ雇用された。4
人のご子息がいる。息子さん達は雇用申請を出した
が、建設現場で雇用してもらえたのは一人だけ。SRPC
で受けた説明とは異なっている。故郷にいたときに
はダンプリップ村と同様に自給的な暮らしを営んで
いたが、移転住宅ではすることがないといっていた。
NPCは住宅街全体の開発を約束していたが、実際
には住宅と協会が建設された後、他に約束された施
設の建設が行われておらず、ベルガドさんら住民は
怒りを覚えながら交渉を続けていると言う。

RWESA-Japanの結成と
     WCD市民ガイド日本語版の出版

 帰国後、日本ではRWESA-Japanが3月25日に結成
された。REWSA-Jのメンバーとして、メコンウオッ
チ・ジャパン・FoE-J・川辺川県民の会のNさん・水
源連国際局と水源連制作局が参加している。今後他
のNGOへも参加を呼びかけてゆく予定だ。
 RWESA-Jでは海外からの英語のメールの翻訳や、
WCD市民ガイド・WCD報告書・アジア各国におけるダ
ム開発調査票・RWESAバギオ宣言などの翻訳も進め
る計画案が出ている。現在RWESA-Jの最優先プロジ
ェクトとして、市民ガイドの翻訳作業を進めており、
さまざまな方のボランティア協力をいただきながら
グループ作業を進めている。今年の秋に開催される
水源連総会で市民ガイドを配布できるように日本語
版の出版を計画している。日本には、「外国は外国、
日本は日本」というような唯我独尊的な感覚があり、
国際的な圧力がダム建設見直しにどれほど役に立つ
か・効果は未知数で、市民ガイドの成果はこれから
の活用方法によって決まるだろう。

DFD東アジア会議と国際局

 年末に計画されているDFD地域会議は、各国から
専門家を招いて情報交換や議論を行う事を目的とし
ている。水源連の中心メンバーは、ダム建設計画上
の科学的・論理的な誤りを突き、ダム建設以外の代
替案でも河川管理が可能である事を河川行政に問い
掛けている。日本各地の川はそれぞれに個性を持っ
ているため、川ごとに時間をかけて、生データーや
その他の状況など分析する必要がある。タダでさえ
忙しい中心メンバーが、効果のはっきりしない国際
会議へ参加していただけるかどうか不安だ。
アジア各国でダム開発問題に関わる運動体との国
際連携を進めるために、水源連内に国際局が設置さ
れた。現在活動に参加しているメンバーは3名しか
いないので、一緒に活動してくださる方を求めてい
る。

 サンロケ・ダムは今年7月に完成し試験が始まる。
僕たち日本人の税金が、郵便貯金がダンプリップ村
や移転住民の生活を脅かしている事になる。国内の
ダム問題とともに、日本のODA資金によるアジアの
ダム問題にも目を向けて取り組んでゆきたい。

      5月21日水源連国際局 ちゃらんけ記
          相模大堰訴訟ニュースに加筆

    今回のRWESA会議にご協力いただいた各地の
    皆様に心よりお礼を申し上げます。

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