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【提言】米国のイラク攻撃を阻止しよう! 


青山貞一です。

 米国のイラク攻撃問題に関連した私の提言です。前回お送りしたものを拡充
しました。転載可です。

 わたくしは9月23日から5日間、フィリピンのマニラで開かれます同時多
発テロ以降のブッシュ政権によるグローバリゼーションと対テロ戦争がもたらす
中東から極東まで、アジア諸国への驚異についての国際会議に参加してきます。
ラムゼー・クラーク氏はじめ反戦、非戦系の国際人、宗教関係者、研究者,NG
Oなどが参集し議論してきます。

 超多忙のなかでの突然の招聘ですが、自分の考えを世界各国のひとびとに伝え
てきたいと思っております。

 マニラの「米国のアジアの驚異」に関する国際会議(9.23-26)から帰国後、国
際情勢を踏まえ第二弾を出す予定です。
 

2002.9.18 version0.2
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【提言】  米国のイラク攻撃を阻止しよう!      

                    青山 貞一 Teiichi Aoyama

 米国のイラク攻撃情勢がにわかに緊迫しています。

 アフガン戦争同様、ブッシュ政権の主たるねらいは、いくつか考えられます。
しかし、私見ではブッシュ政権いやブッシュ一族は世界有数の可採埋蔵量(1)を
もつ石油の奪取(2)にあると推察できます。

  ※(1) 1998年末の採掘可能原油量(石油埋蔵量)は、サウジが全世界の25%、
     イラク11%、UAE、クウェイト、イランが9%、ベネズエラ7%、旧ソ連
     とメキシコが5%、その他が18%で米国は2%にすぎない。中東5カ国で
     世界全体の実に63%、イラクとイランで20%を占めている。可採埋蔵
     量を同年の生産量で割った可採年数は、1998年末でイラクが140強、
     クウェイト130年弱、UAE120年弱、サウジ85年、イラン70年弱と、こ
     こでも中東諸国が圧倒的に多いことが分かる。世界の平均可採年数
     は44年、米国はわずか7年である。

     出典:青山貞一、「エネルギー権益から見たアフガン戦争」岩波
        「世界」2002.9より

  ※(2) 上記を裏付ける証言が続々でています。そのなかには米国連邦議会
     下院議員の証言もあります。詳しくは以下を参照下さい。
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     ◆「石油支配が目的」−−イラク・フセイン大統領、米を非難
       毎日新聞 2002 年 09 月 03 日
      【バグダッド小倉孝保】イラクのフセイン大統領は2日、バグダッ
       ドを訪問中のコジク・ベラルーシ副首相と会談し、米国のイラク
       攻撃計画について、「米国はイラクを壊滅させることで、中東の
       石油を支配し、世界中の石油輸入国に好みの価格を押し付けるこ
       とができる」と述べた。国営イラク通信が伝えた。
       大統領はコジク副首相に対し、「中東の石油埋蔵量は全世界の埋
       蔵量の65%を占める」とした上で、「米国は、武力を通じた世
       界支配がうまくいかないとわかり、中東の石油支配に転じた」と
       の見解を示した。大統領はまた、「欧州諸国がイラク攻撃に反対
       しているのは、人道主義や国際法に基づく立場からではなく、米
       国のこうした狙いに気付いたからに過ぎない」と独自の見方を示
       した。
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      ◆米石油企業がイラクの権益獲得も 日経新聞 2002年9月15日(日)
      http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20020915AT3KI028515092002.html
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      ◆米国民主党2議員はイラクの驚異などない。ブッシュはフセイン
      のところの石油が欲しいだけだ、と言明。
http://www.cnsnews.com/ViewPolitics.asp?Page=
\Politics\archive\200209\POL20020913d.html

      Democrats: Iraq No Imminent Threat, Bush Wants Hussein's Oil
      By Jeff Johnson CNSNews.com
      Congressional Bureau Chief September 13, 2002

 ブッシュ政権は、イラクについて大量破壊兵器、核兵器、生物兵器、ミサイル
兵器の開発や所持などにあれこれと難癖をつけています。しかし、世界最大の大
量破壊兵器所有国、世界最大の武器輸出国はいうまでもなく米国です。冷静に考
えればこれほど笑止千万な話はないでしょう。形式的に民主主義国家であるなら、
独裁国家に対し何をしても良い、まして圧倒的な武力をもとにイラクに踏み込ん
でよいというルールは国際法上ありえません。

 たとえて言うなら、ガキ大将が自分のしていることをすべて棚に上げ、他人を
容赦なく暴力をもって脅しているのと似ています。しかも、ガキ大将の力がとて
つもなく力が強いので怖くて誰も何も言わない、言うと損になるので見て見ぬふ
りする、と言う状況とすごく似ています。
 
 周知のようにイラクは湾岸戦争終結後、さまざまな制裁、とくに経済制裁を受
けいます。イラク国内では、クルド人抑圧問題などが残っていることも事実です
が、国際社会がイラクから迷惑を受けているわけではありません。また米国や英
国はこの間、イラク領空を何万回も戦闘機で飛び回り、イラクのペルシャ湾岸
都市などに空爆を加えています。米英は現在、イラクの対空施設を攻撃していま
す。ブッシュが大統領就任直後に行ったイラクへの爆撃は有名です。

 元来、日本はじめ西欧諸国は石油供給でイラクを含む中東諸国に大きな世話に
なっていると言えます。事実、国際社会がイラクから受けている迷惑は、米国が
中南米、カリブ諸国はじめ世界各国、地域に武力を背景に理不尽な迷惑をかけて
いることに比べれば、たかが知れているのではないでしょうか。とかく日本人は
米国が中南米、カリブ諸国でしてきたこと、していることを知らなすぎます。

 ところで、新聞紙上などでは政治学の大学教授や政治評論家が、ブッシュ政権
について、あれこれと解釈、評論しています。しかし、ブッシュ政権がしている
こと、とくにアフガン以降にしていることをつぶさに見ると、青山が「米国のテ
ロ報復戦争の愚」(幻冬舎「非戦」収録)(3)や「エネルギー権益から見たアフガ
ン戦争」(岩波「世界」収録)(4),(5)に書いたようなことが浮かび上がってきま
す。

  ※(3) 青山貞一、「米国のテロ報復戦争の愚」、幻冬舎「非戦」
      http://www.02.246.ne.jp/~takatori/column/afganwar1.html

  ※(4) 青山貞一、「エネルギー権益から見たアフガン戦争」、
      岩波「世界」2002.9
 http://www.02.246.ne.jp/~takatori/column/energy-bush/energy-bush1.html

  ※(5) 青山貞一、「対テロ戦争とエネルギー権益」、
      平和新聞,2002年9月5日号
 http://www.02.246.ne.jp/~takatori/column/energy-bush/energy-bush2.html

 すなわち、米国の自国の都合、すなわちエネルギーをつかいたい放題使い、資
源をつかいたい放題使ってきたあげく、今後自国の資源エネルギーの枯渇が見え
てきたら、あれこれ言いがかりつつけ、かつ正義を振りかざし、他国に踏み込み、
傀儡政権を樹立する。さらにそこに米軍を駐留させた後、多国籍企業などによる
資源エネルギーの収奪を行う、と言うことではないでしょうか。

 これはまさにを新帝国主義あるいは新植民地とでも言えるものです。うすっぺ
らな「正義」の名の下に、自分たちの権益確保を継続していると推察されます。

 さらに、万が一、米国がイラクを本格的に攻撃することになった場合、湾岸戦
争同様、イラクが周辺産油国をふくめ報復(油井炎上など)にでる可能性も否定
できません。わたくしはそれを危惧しています。

 湾岸戦争のときは、1日単位でドイツ一国分に相当する二酸化炭素が数ヶ月に
わたり環境中に放出されました。にもかかわらず、ふだん地球環境保全とか、地
球温暖化防止を声高に叫んでいたNGOや研究者それに環境庁などはまったくな
にもコメントを出しませんでした(6),(7),(8),(9)。

  ※(6) 青山貞一、池田こみち、「油田炎上なら地球温暖化は数年早まる」
      エコノミスト、毎日新聞社、1991年2月18日号

  ※(7) 環境総合研究所、「54万トンの二酸化炭素」、
      サンケイ新聞、1991年3月6日号

  ※(8) 青山貞一、「水泡に帰す人類の努力〜早まる地球温暖化〜」、
     西日本新聞、1991年3月14日

  ※(9) 青山貞一、「油田炎上、地球温暖化を加速、会費の努力水泡に」、
      東京新聞、1991年3月18日

 つくばの国立環境研究所の名だたる研究員は、私に電話してきて、マスコミの
取材が来ますが何と答えたらよいでしょうか、などと言う始末です。当時、地球
環境部長だった幹部は、日経新聞の取材に対し戦争と環境は関係ないと言う趣旨
の発言さえしていました。

 わたくしが代表を務める環境総合研究所では、湾岸戦争勃発以前からそれを予
測し、勃発後は2週間に1度のわりで、戦争及び油井炎上、原油流出による各種
環境破壊を定量的に推定解析、評価し、国会、省庁、報道機関さらに世界各地に
情報発信しました(10)、(11),(12),(13)。

  ※(10) Ecological Disaster is feared from war, Japan Times, 1991.1

  ※(11) 青山貞一、「湾岸戦争と環境影響」、特集多様化する国際的環境問
      題2,公害研究VOL.21 NO3/WINTER 1992(岩波書店)
    http://www.02.246.ne.jp/~takatori/gulf/persia/iwanami1/index.html

  ※(12) 環境総合研究所、「ペルシャ湾への流出原油の影響」、湾岸戦争の
      地球環境への影響、環境総合研究所
    http://www.02.246.ne.jp/~takatori/gulf/persia/oil1/index.html

  ※(13) 環境総合研究所、「湾岸戦争の地球環境への影響」、1992年7月

 戦争終了後すぐにクウェート、サウジ、アラブ首長国連邦に現地環境調査団を
派遣し、汚染実態を世界に情報発信しました。これも各国政府{軍事以外)に先
駆けて行ないました(14),(15)。

  ※(14)環境総合研究所、「クウェート湾岸戦争の大気汚染」、環境庁調査と
     ひとけたも差、うちが正確か不明(環境庁)、
     朝日新聞、1991年12月20日

  ※(15)「湾岸戦争による環境破壊報告書をまとめた青山貞一さん」、
     朝日新聞、1992年8月1日(ひと)
    http://www.01.246.ne.jp/~komichi/asahi-hito1.html

 今回の米国によるイラク攻撃と言う理不尽な横暴に対し、明確に「兵も金も出
さない」と言っているのはドイツです(16)。残念ながら、ドイツ以外の先進諸国
やCIS、中国は、国連決議遵守を理由に、米国の攻撃について難色を示してい
ますが、国連決議は米国による各国への根回しで、どうにでもなる可能性が高い
と言えます。米国は普段は国連を軽視していますが、こういうときは国連を利用
してきました。

  ※(16) ◆独外相、イラク攻撃に反対、日経新聞 2002年9月15日(日)
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20020915AT3KI011515092002.html

 このまま米国のイラク攻撃に関する横暴を放置していると、世界中がとんでも
ないことになるのは明らかです。世界同時経済不況に入っている現在、もし米国
がイラクを攻撃し、中東一帯がまきこまれれば原油価格が高騰し、日本を中心に
世界経済がさらに減速する可能性もあります。

 いずれにしても、米国のイラク攻撃は辞めさせなければなりません。
 米国はあの手、この手でイラクを挑発し、先進諸国、中東諸国を巻き込もうと
必死ですが、先に述べてきたように、米国には「大義」がありません。他国につ
いてとやかくいうまえに自国が他国に対ししていることをしかと見つめるべきで
す。

 わたくしは9月23日から5日間、フィリピンのマニラで開かれます同時多
発テロ以降のブッシュ政権によるグローバリゼーションと対テロ戦争がもたらす
中東から極東まで、アジア諸国への驚異についての国際会議に参加してきます。
ラムゼー・クラーク氏はじめ反戦、非戦系の国際人、宗教関係者、研究者,NG
Oなどが参集し議論してきます。

 超多忙のなかでの突然の招聘ですが、自分の考えも世界各国のひとびとに伝え
てきたいと思っております。

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