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HOT NEWS

★ 星川 淳@屋久島発 インナーネットソース #38 [03.03.18] ★

≪目次≫
(1) 国連決議1441で米英の武力行使は自動承認されない!
(2) レイチェル・コリーさんを悼む
(3) いま、イラクの子どもたちは?
(4) ブッシュを戦争に駆り立てる二人の男
(5) World Peace Now 3.21 @東京・芝公園

★Xデーですかね……
 ブッシュ政権の自滅の一歩、アメリカ帝国の没落のはじまり。
(ブレア・プードルと小泉忠犬も道連れか)

★日米安全保障条約第1条「同盟条約」は次のように定めています。
 国連決議なしのアメリカ武力行使支持は日米安保違反では?

『締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係
することのある国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全
並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関
係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土
保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立
しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。』

『締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維
持する国際連合の任務が一層効果的に逐行されるように国際連合を
強化することに努力する。』

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  (1) ―――国連決議1441で米英の武力行使は自動承認されない!
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★イラク情勢について緻密でアクティブな情報を発信する「イラQ
ウェブ」川崎哲さんの鋭い指摘。どうする、小泉・川口・福田?!
http://nowariraq.jca.apc.org

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

(1)決議1441は武力行使への自動性を有しないことは、米国も確認してい
るし、日本政府も国会で確認している。

2002.11.11 衆議院有事法制特別委員会
福田康夫官房長官:
「今回の決議(1441)は、さらなる重大な違反があれば安保理に報告され、
そして安保理決議の完全な履行の必要性を審議するため、安保理は即時に招集さ
れるという規定があります。・・・米国の代表も、この決議には武力行使に関す
る隠された引き金も自動性も含まれていない、こういうことを述べておりますの
で、そのように理解をいたしております。」

2002.12.11 衆議院外務委員会
西田恒夫外務省総合外交政策局長:
「1441で明らかなことは、かかる事態になったときには、国際社会を代表し
ます安保理が世界の平和と安全のために集まり審議をするということが決められ
ておるわけでございますから、・・・いわゆる自動性というものが、・・・国際
社会としてのもう一度意思を確認し合うということのなきままに武力行使にいく
ということを認めているんだということであるとすれば、それはないということ
だろうと思います。」

(2)決議687は、「イラクがこの決議を受諾すると公式に通報することより
停戦の効力が発生する」(主文33)。イラクは国連決議の義務を受諾すると通
報しているし、自分たちは協力しているし今後も協力すると言い続けている。ゆ
えに、停戦の効力は失効しない。イラクの義務違反が認定された場合に停戦の効
力が失効するとの規定は決議687にはない。停戦の発効にもかかわらず「地域
の平和および安全の確保のために必要とされる場合には他の措置をとる」(主文
34)とも規定されているが、これも安保理が他の措置を決定し実行することが
前提であり、新決議なしに停戦の効力を失効させて別の措置をとることはできな
い。

決議687
I(停戦)

主文33
前記の諸規定を受諾する旨のイラクによる事務総長および安全保障理事会に対す
る公式の通報により、イラクとクウェイトおよび決議678(1990)に従っ
て同国に協力している加盟国との間の正式停戦の効力が発生することを宣言する。

主文34
本問題を引き続き検討し、本決議の履行ならびに当該地域の平和および安全の確
保のために必要とされる場合には他の措置をとることを決定する。

(3)決議678は、国連加盟国に対して、「決議660および全ての累次の関
連諸決議を堅持かつ実施し、同地域における国際の平和と安全を回復するために、
あらゆる必要な手段を取る権限を与える」(主文2)というものであり、決議6
60はクウェート侵攻からの即時撤退要求決議であるから、大量破壊兵器問題で
の武力行使の根拠とはならない。大量破壊兵器問題は、国連安保理決議としては
決議687から出発しているものであって、決議660〜678の段階ではそれ
は安保理の議題となっていない。

川崎哲

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

★川崎さんからの18日(火)緊急アクション呼びかけ

「米国単独の戦争を日本が支持することはぜったいにおかしい!!!!!
と思ったすべての皆さん!!!!!
明朝9:30に衆議院第一議員会館前に明日(18日)午前9:30にお集まり
下さい。
午前中いっぱい、ありとあらゆる方法で、日本の「正当性なき戦争支持」に抗議
します。
来られる方、明日の朝7:00までにこのアドレスにご一報下さい!!
kawasaki@jca.apc.org
090−8310−5370
▲当日の連絡先です!!!!

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  (2) ―――レイチェル・コリーさんを悼む
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★テレビなどでも報道されましたが、「パレスチナ子供のキャンペー
ン」常任理事も務める大河内さん@非戦チームから、悲しいお知ら
せです(大河内さん、無断引用ご容赦!)。ご冥福をお祈りします。

★メールマガジンとして配信したあとで、『パレスチナが見たい!』
の森沢典子さんからも、もっとくわしい報告が届きました。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

大河内です。

以前にもご紹介しました、清末愛砂さんや森沢典子さんなども参加している、
ISM(国際連帯運動)で、家屋破壊を何とか止めようと「人間の盾」になろうと
したアメリカ人女性レイチェル・コリーさんが、大型ブルドーザーにひき殺され
るという痛ましいニュースが飛び込んできました。

コリーさんは、ガザ南部ラファの難民キャンプで、家屋(もちろん人が住んで
いる家です)を破壊しようとした大型ブルドーザー“キャタピラー社D−9型”
の前に立ちはだかりそれを制止しようとしました。目撃者によると、彼女は
目立つ色のジャケットを着て、ブルドーザーの上に登り、運転士に向かって
叫びました。彼女が見えないわけはない運転士はそれを無視して突き進み、
ブルドーザーの前に滑り落ちてしまった彼女を、周囲の仲間たちがハンドマ
イクで狂ったように叫ぶのも無視して、ひき殺しました。イスラエル軍は、2
台のブルドーザーと1台の戦車でこの破壊作戦を展開していましたが、この
ことを痛ましい「事故」と発表しています。

犠牲者がアメリカ人ということで大きなニュースになりますが、この日を含め
パレスチナ人は、撃ち殺されたり、空爆であったり、破壊される家の下敷き
となったり、日常的に犠牲になっています。

アメリカは、イラクの大量破壊兵器を問題にしていますが、少なくともイラク
はアメリカに対して何もしていません。独裁政権によりイラク人自身が抑圧
されているということはあっても、湾岸戦争以降、他国や多民族に対し、侵
略や虐殺をしたという話は聞いていません。

イスラエル軍の侵略、虐殺行為を許しておいて、否、イスラエルの軍事予算
のほとんどをアメリカが支援しておいて、イラクだけを攻撃するのは明らか
にダブルスタンダードです。自分たちがあたかも被害者のように見せながら
「テロ」を理由に、アメリカは石油を、イスラエルは土地を手に入れようという
まさに変な親子関係が見えてきます。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

16日ISM(国際連帯運動)のメンバーとして
パレスチナ、ガザ地区に入っていたアメリカ人女性レイチェル・コリーさん
23歳がイスラエル軍のブルドーザーに轢き殺されました。

テレビ局の記者をしている友人から今朝電話で連絡を受け
知らされました。
その後もさまざまなメールリストによって次々に詳しい報告が
届きました。

日本でも朝日新聞が夕刊で記事を出しました。

わたしはさっきまでずっと言葉を失ったまま
ただ事実を受け止め向かい合うことしかことしか
できずにいました。

でも先ほどレイチェルの両親からの手紙とレイチェルが
数日前に両親に宛てた手紙を読み
とうとう涙がこぼれ、止まらなくなってしまいました。

そしてこのことをきちんと大きなニュースにし、しっかりと
非難していかないと、イスラエルはまたいつもの手で
これを正当化してしまうでしょう。

アメリカもまた、イラクの人々や盾として入っている人たちを
死に追いやっても、それをイラクや盾になっている人々の
責任に摩り替えてしまうでしょう。

そうしたら、私たちはもう何も自分達で守ることが
できなくなってしまう気がしています。

(手紙については日本語訳は久留米の山田和子さんがお忙しい中
引き受けてくださっていますので数日後にはアップ
できると思います。今回は文末に英文のまま載せておきます。)

朝日新聞に載りきらなかった証拠の写真はこちらのサイトで
見ることができます。
http://electronicintifada.net/v2/article1248.shtml

森沢典子

***************************

ISM国際連帯運動より(訳・山田和子)
http://www.palsolidarity.org
連絡先:
パレスチナ:マイクル +972-2-277-4602
合衆国:フワイーダ 202-494-0471/202-986-6160

2003年3月16日

レイチェル・コリー殺害に関する声明

今日、ガザ地区のラファーで、国際連帯運動のヴォランティア、ワ
シントン州オリンピアから来ていた23歳のアメリカ人女性、レイ
チェル・コリーが、イスラエル軍によって殺害された。レイチェル
は、自分の方に向かってくるブルドーザーの進路に立っていた。ブ
ルドーザーが停まろうとも進路を変えようともしなかったので、蛍
光ジャケットを着たレイチェルは、ブルドーザーの前にできていた
土と瓦礫の小山の上に登って、直接運転手に対面した。ブルドー
ザーは前進を続け、その結果、レイチェルは土と瓦礫の山の下に引
きずり込まれた。レイチェルの姿が視界から消えても、ブルドー
ザーは停まろうとせず、完全にレイチェルの体の上を乗り越えた。
運転手がブルドーザーのブレードを上げなかったので、レイチェル
はその下敷きになった。そののち、運転手はバックした――事実
上、レイチェルをもう一度轢いた。

イスラエル軍は継続的に、パレスチナの人々の家をブルドーザーで
壊している。特にラファーでは過去2年間に、100を超える家屋が破
壊された。国際連帯運動――パレスチナ人と、その他世界各国の市
民からなる――は、国際社会(community)が沈黙を破って、イス
ラエルのグロテスクな人権虐待に対して声を上げてくれるよう、呼
びかけたい。パレスチナの被占領地区には大勢の世界各国の市民が
いて、パレスチナの人々の人権と生活を守ろうとしているが、これ
はまさしく、公の国際社会(bodies)がそうした行動をとることを
拒否しつづけてきたからにほかならない。毎週毎週、何十人ものパ
レスチナ人がシステマティックに殺されている。そして、今日、誠
実な美しいアメリカ人の人権擁護活動家が、パレスチナの一家の家
を守ろうとして殺された。

この殺人と、イスラエルによる継続的なパレスチナ人の家屋破壊に
対して、合衆国と国連は強く糾弾しなければならない。そして、イ
スラエルが国際法と国連決議に反していると主張しなければならな
い。国際連帯運動はまた、合衆国政府に対し、この事件に関する独
自の調査を行なうこと、我々がイスラエルに対して供与している年
間22億ドルの軍事補助費をイスラエル政府が使っているという点で
責任をとることを、求めたい。イスラエル軍は、この軍事費と合衆
国製の武器を使って、日々、無辜の一般人を傷つけている。レイ
チェル・コリーを殺害したブルドーザーは、アメリカ製のキャタピ
ラD-9ブルドーザーだった。

レイチェル・コリーの殺害は、明らかに事故ではない。現場で一部
始終を見ていた者たちは、ブルドーザーの運転手にはレイチェルの
姿が見えたはずであり、自分たちは運転手に停まれと叫びつづけて
いたと報告している。イスラエル政府とイスラエル軍は、自分たち
が苦しめられているのは、イスラエル軍によってなされた暴力行為
の犠牲者たちのせいだと言って、非難を続けている。だが、今回の
戦争犯罪行為と、パレスチナの被占領地区で日常的に行なわれてい
るすべての戦争犯罪行為に対して責任を負うべきはイスラエルだ。

国際連帯運動は、レイチェル・コリーの死を悼むとともに、彼女の
家族と友人の方々に心からの哀悼の意を表したい。私たちは、レイ
チェルが目指しつつ死んだ自由と正義のために、これからも積極的
に活動を続けていくことを誓う。

今回の事件の写真は http://www.palsolidarity.org にアップ。

フウェイダ・アラーフ
国際連帯運動
http://www.palsolidarity.org

「人々が先頭に立てば、リーダーは従う」

*****************************

〜ビデオジャーナリスト遠藤大輔さんより〜

ISMの外国人に対する弾圧が激しくなっています。先月末、ナブルスの
コーディネイターを勤めるわれわれの友人スーザン・バークレーさんが
理由なく拘束され、最終的には国外退去となったのをはじめ、16日、
ガザではついにアメリカ人女性レイチェル・コリーさんがイスラエル軍の
ブルドーザーによって轢殺されるという痛ましい事件が起きました。

パレスチナ人は何人死んでもニュースにならないのに・・・という意見も
あるでしょう。しかし、まだ見ぬ友が帰らぬ人となったことに僕は大変
ショックを受けています。23歳の若さで亡くなったレイチェルさんは、
いったいどんな思いでパレスチナに向かったのでしょうか。

ISMで活動したさまざまな国籍の仲間たち、そして日本から参加した
僕らにもありえたかもしれない重い現実に、悔しさと悲しみを禁じえません。
今や人間の盾でさえ最後の手段ではない。イスラエル軍の卑劣さに、
僕らはどう対抗していけばいいのでしょうか。今はとにかく、この事実を
なるべく多くの人たちで共有すること、そして決して怯まないこと・・・
レイチェルさんがたった一つの人生を散らしてまで伝えてくれた平和へ
の思いを、僕らは繋いでいきましょう。

この胸の痛みは、数え切れないくらいそんな現実を負わされてきた
パレスチナの人々の痛みの一つ一つと同じであると受け止めて、
不条理な現実にNOと言っていきましょう。

悲しみに慣れてしまってはいけません。何度も何度も傷つきながら、
それでも歩いていくしかないのです。

心からご冥福をお祈りし、彼女の遺志を決して忘れないことを誓います。

なお、何人もの方々にご協力をお願いしてきた「自由パレスチナの声」
ですが、明日までに第一回分を私の会社のホームページにUPする
予定です。掲載次第アドレスをお伝えいたします。

また、今回のレイチェルさんの話題も、次回分として扱う予定ですので
よろしくお願いいたします。

遠藤大輔

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  (3) ―――いま、イラクの子どもたちは?
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★「人間の盾」でイラク入りした秋貞さんから、青山貞一さん@環
境総研に届いたファクスです。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

> 【転送歓迎】秋貞さなえさんからのfaxです!
>
> 私は13日の夜日本を発ちました。16日の朝5:00にバクダットに
> 入りました。外国人が多く滞在している「パレスチナホテル」は、
> 窓ガラスにはほとんど×印にガムテープが貼ってあります。街が
> 爆撃に備えていることを到着したとたんに強く感じ、こわかった。
>
> お昼頃から街に出てみた。街のあちこちに土豪が積んであり、
> それも戦いへの備えである。大きな力に抗えない恐怖心が私の
> 中にある。しかし、しかし、街の人たちは、大人も子どもも本当に
> HAPPY。こういう人たちの上にミサイルの雨が降るなんて信じら
> れない・・・。子どもたちはみんな写真を撮られるのが大好き。
>
> 私がカメラを向けると撮ってもらおうと、小さな男の子が駆け寄って
> きた。コンクリートの上でころんでしまった。涙をポロポロ出して
> とても痛そう・・・。砂ぼこりまみれになってしまった。駆け寄った私が、
> ほこりを払ってあげ、再びカメラのレンズを向けると、もう泣き止んで
> ニッコリほほ笑む男の子・・・。この男の子がこれから恐いめに合うこと、
> 私は許せない。信じられない。
>
> 夜、国連査察団がバクダットを出たという情報が入り、爆撃が
> 避けられない場合、開始前にイラクを出る意志のある人は、
> もう出発した方がよいという。私にとって17時間だけのイラク。
> 短すぎるけれど私は出国することを選んだ。
>
> 17日の午前5時から「International Inter-Religious Peace Mission
> to Iraq」が行われる。
> 牧師さんやお坊さんたちが宗派を
> 超えキャンドルに平和の火を灯すアクションを起こしてくれるのだ。
> 私がビザを日本のイラク大使館でもらい受けるまでとてもとても優しく
> サポートしてくれた木村氏もバクダットでこれに参加する。昨夜、私は
> バグダットを出発する時に、さまざまな思いがめぐり、こらえきれずに
> 泣いてしまった。木村氏はそんな私を抱きしめてくれた。
>
> 今、私はイラクの隣国シリア・アラブ共和国のダマスカスにいる。
> ここで何ができるだろう。精一杯祈ることと、私の体験したことを
> 日本にいるみなさんに伝えること。
> 日本にいるみなさん、いっしょに祈り、何か行動を起こしてください。
> 日本の政府を平和に向けて動かしてください。

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  (4) ―――ブッシュを戦争に駆り立てる二人の男
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★平和のための緊急翻訳チーム Translators United for Peace
(TUP)の新作2本! 常設サイトやメールマガジンがはじまるまで、
下記へメールで申し込むと新しい訳文を配信してくれます。

TUP翻訳メンバー 菅原 秀
schu@io.ocn.ne.jp

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

 ブッシュを戦争に駆り立てる二人の男

「オブザーバー」2003年2月23日

エド・ヴリアミー

ブッシュの戦争を「石油のための流血」と片付けては単純すぎる。ブッシュを操るチ
ェニー副大統領とラムズフェルド国防長官のさらに背後で糸を引く二人の男は、単な
る利益を越えた立場に立つイデオローグだ。それが、カール・ローヴとポール・ウォ
ルフォウィッツ。前者は南部プロテスタントの保守派、後者はレーガン時代から一極
的権力の達成を推進してきた東海岸のユダヤ系インテリゲンチャ。前例のない組み合
せによる、恐るべき同盟である。

◇ローヴ
少年時代からの右派。学生時代にはすでに共和党員として平和運動に反対の活動を展

政界では珍しい、自分の正体を現さない、職人肌の人間である。
ブッシュとのつきあいは、彼がファンダメンタリズムの力を借りて回心を遂げアルコ
ール依存症から抜け出したのちで、政治よりも、道徳観で響き合った。右翼宗派キリ
スト教同盟をブッシュ一家の中に持ち込む。
1987年以後、民主党が圧倒的主導権を握っていたテキサス州政府を、ほぼすべて共和
党支持に変えるという手腕を発揮。共和党の選挙運動のすべてにわたって指揮をとる
ようになり、1994年には子ブッシュを知事に当選させる。
6年間のテキサス州知事時代の政策もローヴが采配を揮ったものだ。
大統領選で、ローブは、ブッシュ・ファミリーの人脈と石油産業の力を頼りに、空前
の精力的ダイレクトメール攻勢を展開して、選挙活動を企画・指揮し、フルタイム、
昼夜兼行でブッシュのために働いた。
ブッシュ家と共和党とキリスト教右派とエネルギー産業を結ぶテキサスコネクション
によって成り立つブッシュ政権の中心人物で、エンロン疑惑でも、エンロン社とのつ
ながりの深さを暴露されている。
共和党全国組織の「テキサス化」を達成した、ホワイトハウスの最も重要な政策アド
バイザーである。
企業家の右派のための政治を行うには、キリスト教徒右派をなだめなければならない
という点で、二人の見解は一致する。

◇ウォルフォウィッツ
ローヴは今や本来の立場を越えて国際政策にも関与しているが、元来ブッシュととも
に孤立主義者だった。9・11が、それを変えた。
イスラム世界について彼は、イスラムは「権力と支配の喪失に甘んじたことのない大
帝国」であり、「アメリカはイスラムに愛されると期待することはできないが、尊敬
を強制することはできるということを認めなければならない」と言う。

これに共鳴したのがポール・ウォルフォウィッツだ。保守的な南部プロテスタントと
熱狂的で非常に知的な東海岸のシオニストの間の枢軸がこうして形成された。

ウォルフォウィッツは煽動的なタカ派ではなく、慎重で忍耐強く、抜け目なく論理的
で、口調は穏やかだ。学者の息子で、数学者、元外交官。今の米国の中東政策は、ヨ
ム・キプール戦争の後にペンタゴン(米国防総省)に入省した彼が立案したものだ。
1992年に彼の書いた計画が、現在のジョージ・W・ブッシュの外交政策、「防衛計画
要綱」だ。ドイツ、日本を含め潜在的ライバルが地域的・世界的役割を広げようとす
るのを抑止せよ、米国の利益に直接関わりのない紛争でも核・生物・化学兵器を先制
的に用いるべきだ、米国の一極的新秩序を打ち立て防衛するのはペンタゴンとの論旨

「新たなるアメリカの世紀プロジェクト」(NACP)は彼のグループが正式に発足したも
のである。
同プロジェクトが二年前に発表した文書には、米国の世界的覇権にとって「新たな真
珠湾とでも言うべき、なんらかの破局的で、情勢を促進する作用をもった事件」が必
要だと書かれている。「湾岸における大規模な米軍の展開」のほうが、、サダム・フ
セイン体制の問題よりはるかに重要だという。

ウォルフォウィッツとラムズフェルドがペンタゴンに設置した諜報グループ「防衛政
策委員会」の長、パールとダグラス・フェイス防衛次官は1996年に、ベンヤミン
・ネタニヤウのために、イスラエルのヨルダン川西岸を含む土地への要求は正当で高
貴であり、アラブ人が我々の権利を無条件に承認することのみが、将来への確固たる
礎だと主張する「きっぱり手を引け(A Clean Break=オスロ和平交渉から)」という
論文を書いている。
中東諸国の外交工作を支持する中東問題専門家からなる国務省「親アラブ派」は、ホ
ワイトハウスとのコネを利用するこんな一団に、圧倒されてしまった。

そして国家安全保障会議の中東政策責任者としてエリオット・エイブラムズが任命さ
れる。レーガン政権時代からの古参で、中米での「汚い戦争」に関わり、イラン・コ
ントラ疑惑ではオリバー・ノース中佐とならび連邦議会で偽証罪の宣告を下されなが
ら、父ブッシュによって恩赦を受けた人物である。
彼はそれ以来、米国のユダヤ人の他人種との通婚に反対する本を著し、アリエル・シ
ャロンのパレスティナ政策を正当とする助言を行なってきた。ローブとは日常オフィ
スで顔を合わせる間柄で、これもウォルフォウィッツの仲間である。

<訳 和氣久明 / 要約 萩谷 良 TUP>

(原文のURLは、
http://www.observer.co.uk/international/story/0,6903,901066,00.html )

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

★#37で紹介したアメリカ発 Boycott Brand America 詳細

「ブランド帝国アメリカをボイコットしよう!」
http://adbusters.org/campaigns/boycott_america/

皆さんは一匹狼の超大国と対決する心の用意はありますか?世界が地球の温暖化を食
い止めようと四苦八苦しているのに、最大の汚染国はあっかんべーをしています。世
界の国々が国際犯罪法廷を設置しようと呼びかけているのに、「世界のスーパー警察
官」殿は、そんものいらない、と言い捨てています。今、世界は断固たる、でも平和
的なイラク問題の解決を望んでいるのに、アメリカは戦争に向けてのろしを上げてい
ます。こうした行状は、新たなるグローバルな傲慢行為に他なりません。それによれ
ば、ホワイトハウスだけが正しいのです。それ以外の私たちは皆、間違っているので
す。そして、好むと好まざるにかかわらず、世界は戦争に直面することになるので
す。

宣言文
-------------------------------------------------

私は戦争に反対する何百万人のうちのひとりです。アメリカ政府は世界的な世論に耳
を傾けようとしないのは、明らかです。アメリカの力の象徴は企業とそのブランドで
す。以上の理由から、私は戦争が始まったその瞬間から、私の力の許す限りブランド
帝国アメリカをボイコットし、アメリカ帝国が耳を傾けるようになるまで、これを続
けることを誓います。

http://adbusters.org/campaigns/boycott_america/
署名:
電子メール:

我々はー東京、ボンベイからロンドン、ロスアンゼルスまでーどのように「ならず者
国家米国」に立ち向かえばいいのでしょうか。ここにひとつの案があります。私たち
は、全世界の目に見える形で、そしてアメリカの権力が実感する方法でボイコットを
して超大国を襲撃しましょう。私たちの多くから見れば、歪んだアメリカ文化のシン
ボルは、ブランド帝国アメリカを成り立たせている企業のロゴです。だから、マクド
ナルド、ナイキタウンやハリウッド映画を利用するのをやめましょう。ディズニーラ
ンドをがらがらにしてみせましょう。フォックスTV、CNN、MTVを見るのはよしましょ
う。EssoとTexacoやGap、スターバックスを閉鎖するのです。ブランド帝国アメリカ
・ボイコットを誓うことは、公に宣言することと同じです。皆さんの電子メールアド
レスも、私たちのセキュリティ対応済みのリストに加えてください。そうすれば、世
界で行われている平和マーチと同様に、ボイコットを国際的な抗議行動に束ねること
ができるのです。石油、ファーストフード、搾取工場での労働、メディア関連の活動
を、何日間も続けましょう。戦争が一週長引くごとに、運動の勢いがいっそう強くな
ることでしょう。私たちは歴史的な転機に直面しており、新たな大規模行動が求めら
れています。私たちが潮流を変えられることを、疑ってはなりません。平和運動はす
でに1000万人規模になっており、まだ拡大し続けています。これだけの数の消費者の
力があれば、ブランド帝国アメリカボイコット運動を、世界中で展開することができ
ます。行動の準備はできていますか?個人の選択から公的な抗議活動へ発展させるた
めに、ご自分の想像力を使ってブランド帝国アメリカボイコット運動を作り上げてく
ださい。どんな活動をするにせよ、その内容を私たち(Sadieあてにどうぞ)に知ら
せてください。そしてサイトを訪れてアップデート情報、集会、写真やレポートを見
てください。世界のいじめっ子と対決して、商業文化からの開放を勝ち取りましょ
う。忘れてはなりません。帝国とは崩れるものなのです。宣言にぜひご署名を!

署名を見る
(翻訳:田村優子)

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  (5) ―――World Peace Now 3.21 @東京・芝公園
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★そのころには開戦しているのか?……
 共催団体の一つ Oxfam Japan からのお知らせ引用。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

>>> World Peace Now (3/21) は東京・芝公園です。当日ご一緒しませんか?

詳細はこちらへ: http://www2.odn.ne.jp/oxfam/topics/iraq/0317welcome.html

4万人の参加者を集めた前回(3/8に日比谷公園)に続き、イラク攻撃に反対するイベ
ント、【WORLD PEACE NOW 3.21 もう戦争はいらない】が東京・芝公園で開催されま
オックスファムは呼びかけ団体のひとつとして参加しています。
このようなイベントははじめてという方、前回参加された方お一人でもお友達と一
緒でも大歓迎です。特に用意するものは要りませんがご自分で思い思いのプラカー
ドや楽器を持ってきてくださることは大歓迎!!

当日の確認など、お気軽に事務所にご連絡くださいませ(03-38341556 当日でも担当
者の携帯電話に自動転送されます)。

<イベント概要>
日時:3月21日(金:祝日)  [入場無料・雨天決行]
  13:00集合、ピースパレード出発 13:30 (銀座、日比谷2コースを予定)
場所:芝公園23号地 (東京タワーの下近く)
  -->イベントの詳細については下記のWebページへ。
http://www.worldpeacenow.jp

<Oxfamグループ 集合場所>
3/21 12:40に東京タワー入り口の左側のクレープ屋さんの前のベンチ付近。オックス
ファムの黄緑のプラカード[Do you Bomb Them?]をお探しください。はじめての方で
もプラカードを持っている人に「Oxfamですか?デモに参加します」とお気軽にお声
がけ下さいませ。
だいたいに人数を把握したいのでできたら事前にご連絡頂ければ幸いです
(oxfamfriends@nyc.odn.ne/jp)。

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

★やった〜、ZNet 日本語版サイトが始動! 必見!
ZNet/Japan
http://rootless.org/z/

★ついでに加藤哲郎さんの反戦・非戦サイト、ものすごい情報量!
「イマジン」
http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/imagine.html

「インナーネットソース」のサイトURLが変わりました
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星川 淳(作家・翻訳家/屋久島環境政策研究所)
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