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花岡事件の記念館を作るための呼びかけ

戦争中、大館・花岡でも、韓国から、そして中国から人びとが強制連行されて鉱山な
どで働かされました。
そこでの過酷な労働や劣悪な待遇、一斉蜂起で命を落とされた方がたのために、大館
市民は地元外の方がたの協力も得て、たゆまぬ努力を重ねて調査・記録し、当時の会
社との和解をかちとり、市を動かして、毎年、中国からたくさんの生存者をお招きし
て、市主催の(!)慰霊祭を行っています。

花岡はアウシュビッツではありません。
なぜなら、アウシュビッツなどの強制収容所の生存者が、加害の地の「もてなし」を
ここまで受け入れている例を、わたしは知らないからです。
収容所文学の作家のなかには、プリモ・レーヴィなど、自殺した人も多く、フランク
ルも一生、PTSDから回復しませんでした。

わたしは、ドイツの収容所の例から、人間の尊厳をとことん否定された人は、一生、
心の傷から立ち直れないものと思い込んでいました。
ところが、花岡にいた中国の方がたのなかには、「ここは第二のふるさと」とおっ
しゃる方すらおられるそうです。
バスが花岡に近づくと、失神する人、号泣する人が続出するというのに、一連の行事
を終えた方がたは、「また来たい」と言うのだそうです。
中国の人びとは、花岡に来るたびに癒されるのです。
癒されに、また来るのです。
花岡の生存者のみなさんは、人は悲痛や苦しみ、怒りや恨みや憎しみをのりこえるこ
とができるのだということを、わたしたちすべてに教えてくれています。
そんな中国の方がたを、わたしは心から尊敬します。

そしてもちろん、花岡事件にたずさわり、中国の方がたが心の傷を癒す状況を作り続
けている、地元大館をはじめとする方がたを尊敬します。
だって、当時の市民は、山に逃げた中国人を捜すため、山狩りに駆り出されたのです。
捕まった人たちを取り囲み、じかに暴力をふるったのです(そのため100人以上が
亡くなりました)。
市民の間に、花岡事件を取り上げることへの、きわめて強い抵抗があったことは、想
像に難くありません。
でも、大館の心ある方がたはがんばったのです。

ほんとうは加害者も被害者なのです。
加害者だって、生きているうちに心の傷を癒さなければなりません。
それが、花岡ではできるのではないか、きわめて難しいことだけれど。
国家は、人の心にまでその手を突っ込みたがりますが、国家がまちがったことをし
て、そのために人びとが命を落とし、また心に傷を負っても、できれば知らんぷりを
通したがります。
そのような国家の不始末を、自力で、独自の強い、深い倫理力で、はねかえすべく、
埋め合わせるべく、こつこつと努力している方がたが、ここにいます。

被害の地、広島・長崎と違い、花岡は加害の地から平和を発信しています。
花岡はこのくにのわたしたちの誇りです。

来年の慰霊祭は、中国からたくさんの生存者をお招きする最後だそうです。
みなさんご高齢だし、ということです。
慰霊祭は6月30日です。

以下に、その日に花岡記念館開館をまにあわせ、末永く運営していくための、協力の
お願いをはりつけます。
この秋、候補に挙がっている建物を見てきました。
韓国の人びとが護岸工事に駆り出された小川のほとりの、小さな古い建物です。
小さな橋のたもとで、付近には桜が植えられていたと記憶します。

立ち上げるのに5000万円必要なところ、まだ750万円しか集まっていません。
これからずっと、とくに修学旅行でこの地を訪れる若い人びとのために、この建物に
新しい息吹をふきこむ、そこにどうかあなたのお力を。
わたしたちは無力ではない、微力なのだということばを噛みしめつつ、伏してお願い
いたします。

「100人村基金」は、とりあえず50万円を受け入れていただきました。
今後、講演会などでひとりでも多くの方に協力をよびかけていきたいと考えていま
す。

和解成立時の毎日新聞社説
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200011/30-1.html

専用サイトができるまでの、紹介ページとのことです。
http://www.oodate.or.jp/user/ishida/hanaoka/

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花岡記念館建設趣意書

 私たちは、第二次世界大戦末期、強制連行により418名が死亡した「花岡事件」の
地元で、遺骨送還運動や慰霊活動を通じて、事件の生存者や遺族と交流を重ねてきま
した。

 花岡事件の生存者・遺族は、加害者側の鹿島建設に「公式謝罪」「記念館の建設」
「補償」の3項目要求を提起し、1995年6月、東京地裁に提訴いたしました。そして、
2審の東京高裁において、20世紀も終る2000年11月29日、和解が成立し、強制連行さ
れた986名の全員を対象とする「花岡平和友好基金」設置による全体解決が図られま
した。

 和解による補償は一定程度果たせたものの、記念館建設は残された課題となり、平
和を希求する多くの人々のご協力を仰ぎ、私たちの手で建設を目指すこととなりまし
た。私たちは、この悲惨な歴史を風化させることなく記録し、後世に伝え、真の平和
と友好を築き上げることを目的に「花岡平和記念館」を建設することが是非とも必要
と考えます。

 生存者・遺族の多くは、筆舌に尽し難い思いを胸にこの地を訪れます。しかし、花
岡の地に至る道程で多くの暖かい支援者と接し、更に悲しい思い出の地で地元の人々
と接することで、積年の思いが次第に氷解すると言い ます。また、地元でも一部の
人々は、「思い出したくない出来事」として、この事件を忘れようとしてきました。
しかし、私たちは、この生存者・遺族の思いにふれるとき、加害の地であるからこ
そ、真の平和を発信できることを教えられました。この生存者・遺族も、更には事件
を知る地元の人たちも、50数年の時を経て高齢化しており、残された時間が僅かにな
るいま、花岡 平和記念館の建設は急務となっています。この人々の思いを込めて、
次の世代にバトンタッチするための記録を収蔵し、伝えて行くことが求められている
のです。

 近年、修学旅行でこの地を訪れる学生の数が増えてまいりました。一般の見学者や
研究者も徐々に増えております。こうした皆さんに記録を残し、現地を実際に歩くた
めの拠点となる施設をつくり義務が私たちに課せられています。

 私たちは、とても非力です。皆様のお力添えを得て、中国人強制連行の実態を後世
に残して行くために、1日も早い会館建設を実現したいと思います。長引く不況でた
いへんな毎日ですが、是非皆様方の暖かいご支援をお願い申し上げます。

         NPO花岡平和記念会 理事長 川田 繁幸

 ’04.6.30花岡平和記念館開館目標額 

これが当面必要な費用です。
○花岡記念館予定地・既設建物購入資金 2千9百万円
○花岡記念館建物第1次改造費用     1千5百万円
○花岡記念館収蔵物第1次整備費用      6百万円
  合  計               5千万円

当面の目標は、予定地を購入し、既設の建物を改修し、1日も早い開館を視野に入れ
たものです。来年の6月30日の慰霊式には、花岡平和友好基金による最後の大規模慰
霊団が予定されております。この生存者・遺族を迎えるに当たり、何とか記念館の開
館ができることを目指しております。皆様のご厚意がこの目標を上回れば、更に充実
した施設の改修や増築が可能になり、もっとすばらしい記念館が実現します。目標が
通過点であるようなご支援を賜れれば、本当に幸いです。

ご支援をいただく方法としては、次のようなものがあります。

1 ご寄附、カンパ   
現在、私たちのNPOは設立1年7箇月。まだ、認定NPOの資格を得るためには時間的に
足りません。来年4月を過ぎ、資格取得時期が到来しても、実現にはもう少し時間が
かかると思います。従って、税制面での控除は現時点では困難ですが、大口であると
ないとにかかわらず、お願いできれば幸いです。

2 会員となっていただく方法   
会館建設とともに、その運営資金(ランニングコスト)を賄う上でも、ひとりでも多
くの皆様に会員となっていただきたいと思います。
会費は、個人会員で入会金1千円、年会費3千円です。
団体会員は、1口1万円です。
どちらの方式でも構いませんので、会員となっていただければ幸いです。

3 会館建設支援1口運動   
貴団体で、団体としてご寄附もしくはカンパをお願いできればありがたいのですが、
それが困難な場合、またはそれに加えて、貴団体の会員、組合員等に1口千円で会館
建設にご協力を呼びかけてください。ご協力いただいた方には、ご本人の承諾がいた
だければ、会館に方法は未定ですが、お名前を記すことといたします。

NPO花岡平和記念会役員

理事長 川田繁幸(弁護士/地元大館で6.30現地実行委員長等を歴任)
副理事長 田中宏(中国人強制連行を考える会代表/龍谷大学教授)
谷地田恒夫(地元で労働運動と花岡事件に携わり、生存者・遺族受入の中心に)
理事 新美隆(元花岡弁護団長、数多くの戦後補償裁判に携わる/東京在住)
猪八戒(中国人強制連行の在野研究者/大阪在住)
伊藤治兵衛(弁護士/大館平和を守る市民の会代表として平和運動に携わる)
石田寛(秋田県議会議員/大館市で青年とともに花岡事件に取り組む)
鈴木泰人(歯科医師/大館市で平和運動に情熱を傾ける)
誉田正司(真宗大谷派の僧侶/大館市で平和運動に取り組む)
監事 宮原文彌(僧侶/大館市で世界連邦運動ほかに携わる)
小玉一宇(元地方公務員/行政の立場で慰霊事業に携わり、深い理解を示す)

連絡先 NPO花岡平和記念会
〒017-0885 秋田県大館市豊町2番37号 大館労働福祉会館 気付
電話 0186-42-6539 FAX 0186-43-1302 E-Mail:apoc@ruby.ocn.ne.jp
振込先:郵便振込 02230-3-76515
    特別非営利法人 NPO花岡平和記念会

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