amanakuni Home Page | なまえのない新聞ハーブ&アロマテラピー | 八丈島の部屋

イラク人質事件・「自己責任」キャンペーンについて

興味深い2つの記事

みなさまへ

曳地トシ@埼玉です。

4月19日付の「毎日新聞」をネットで読んでいたら、興味深い記事が並
んでいましたので、お知らせしたいと思います。

ひとつは、日本の世論調査の結果で、今回の人質事件で自衛隊撤退要求を
拒否した政府の判断について、「支持する」との回答は65%を占めたそ
うです。↓
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040419k0000m010065000c.html

もう一方はイタリアの世論調査で、イラクからの部隊撤退支持が7割を占
めたそうです。イラクでは、武器を携行した米系警備会社社員のイタリア
人4人が人質となり、そのうち一人は殺害されてしまいました。が、自ら
危険地域に入った4人の「自己責任」を問う声は少ないそうです。↓
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040419k0000m030043000c.html

皆さんすでにご存じの通り、スペインでは選挙の結果を受けて軍を撤退
させました。

また、人道支援中に人質となり、無事に解放されたのち、いまもイラクに
とどまって支援活動を続ける英国女性ジョー・ワイルディングさんを、イ
ギリス国内で非難する声は挙がっていないそうです。↓
http://www.opendemocracy.net/debates/article-2-95-1843.jsp

韓国人の牧師さんたち7人が人質になり解放されましたが、韓国からも
「自己責任」ということばは聞こえてこないようです。

また、パウエル米国務長官ですら、「危険を知りながら良い目的のために
イラクに入る市民がいることを日本人は誇りに思うべきだ。もし人質にな
ったとしても、『危険をおかしてしまったあなたがたの過ちだ』などと言
うべきではない」と述べました。↓
Text = http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline943775.html
Video = http://asyura2.com/oriharu/bigup1/source/471.rm

私が先日みなさまにお出ししたメールの中でもお伝えしましたが、 英国
のサッチャー首相は1982年、パリ・ダカール・ラリー参戦中の息子
さんが行方不明になったとき、英軍を動員して捜索させ6日後に救出しま
したが、野党でさえ費用弁済を求めたりしなかったそうです。

メールを送ってくれた星川さんのことばを引用すると「政府の国民に対す
る援護義務とは無条件のものであり、法的拘束力のない退避勧告を盾に、
なんの法的根拠もない『救出費用自己負担』論などを公僕が口にすること
は、きわめて無責任かつ不見識」とのこと。

マスコミや政府の繰り返す「ことばのすり替え」を鵜呑みにし、気がつい
たら憲法で保証された人権や移動の自由などを手放していた、ということ
にはなりたくないものです。


「興味深い2つの記事」の追加です。

先ほど私が送ったメールの中に、イギリス人の市民活動家ジョー・ウィルディ
ングさんのことを書きましたが、ちょうど高遠さんたちが拘束されている時期
にウィルディングさんがファルージャへ命がけの支援に入って書いたレポート
が邦訳されていました。高遠さんのことにも言及されています。知り合いだっ
たようです。
↓日本のマスコミが絶対に書けないような渾身のレポートです。
http://www.onweb.to/palestine/siryo/jo-fallujah.html

このレポートを書いたあと、彼女も拘束されてしまいましたが、無事解放され、
今もイラクにとどまり、活動を継続しています。しかし、そのことでイギリス
から彼女へ「帰れ」コールなど起こっていません。

ジョー・ウィルディングさんは、イラクの子どもたちにサーカスを見せようと
いう活動をしている外国人のグループ(アーティストと活動家の集まり)であ
る、「Circus2Iraq」というグループのメンバーです。が、ファルージャでは、
外国人と一緒にいると米軍から狙撃されにくいため、体を張ってけがや病気の
人たちを救出していたようです。

ジョー・ウィルディングさんのレポートは、世界中で「停戦中」と伝えられて
いた、まさにその時に、ファルージャがどういう状況だったか、つぶさに報告
されています。
私は「停戦中」とラジオニュースで聴いて、頭の中では「一時にせよ、血が流
れない静かになった町」を想像していました。彼女のレポートを読んで、自分
が素直で信じやすい性格だったことを悔やみました。

そのレポートの中で、彼女は以下のように語っています。

衛星放送ニュースでは、停戦が継続していると伝えており、ジョージ・ブッシ
ュは、兵士たちはイースターの日曜休暇中で、「私はイラクで我々がやってい
ることが正しいと知っている」とのたまっていた。自宅の前で非武装の人間を
後ろから射殺する、というのが正しいというわけだ。
 白旗を手にした老母たちを射殺することが正しい?家から逃げ出そうとして
いる女性や子供を射殺することが正しい?救急車をねらい撃ちすることが、正
しい?
 ジョージよ。私も今となってはわかる。あなたが人々にかくも残虐な行為を
加えて、失うものが何もなくなるまでにすることが、どのようなものか、私は
知っている。病院が破壊され狙撃兵が狙っており街が封鎖され援助が届かない
中で、麻酔なしで手術することが、どのようなものか、私は知っている。それ
がどのように聞こえるかも、知っている。救急車に乗っているにもかかわらず、
追跡弾が頭をかすめるのがどのようなことかも、私は知っている。胸の中が無
くなってしまった男がどのようなものか、どんな臭いがするか、そして、妻と
子供たちが家からその男の所に飛び出してくるシーンがどんなものか、私は知
っている。

 これは犯罪である。そして、私たち皆にとっての恥辱である。

HOT NEWS

amanakuni Home Page