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〜4月20日 行動の日〜

メディアには写らないベイエリア

風砂子デアンジェリス



2002年4月20日、ワシントンDCとサンフランシスコで、「アメリカ国外と国内の
戦争を止める大行動」が行われた。長い雨気のあとの春の初日のように、太陽が
輝くサンフランシスコのドロレス公園には、遠くはロスアンジェルスをはじめ、
アメリカ西海岸のいろいろな町から何台ものバスを連ねて多くの参加者が集まっ
てきた。イスラエル軍による、ラマラやジェニンでの虐殺がエスカレートする最
中での、今回の行動は、9.11以来最大といわれ、主催者側の推測では、4万人以
上が参加。同日に行われたワシントンDCの集会では、7万人から10万人がストリ
ートを埋めた。


色とりどりの参加者たち


今回のデモがいつもと違うのは、前方のステージの周りに、赤白緑黒のパレステ
ィナの旗が波打ち、民族衣装を身にまとったパレスティナの若者達や家族連れの
グループが周辺を埋めていたこと。サンフランシスコでもワシントンでも、これ
だけ多くのパレスティナ系アメリカ人が立ちあがったのは、史上初めてのことだ
という。
パレスティナ系以外にも、今回のデモで、圧倒的に目立ったのが、アラブ、イン
ド、メキシコ、南アメリカ、アジア、南太平洋地域といった、実に様々な移民グ
ループ。
在米日本人の「戦争に反対する日米ネットワーク」もそのひとつだ。テロ攻撃直
後、 在日韓国人として育った金美穂さんをはじめ、NPOや企業で働く若者達や留
学生、そしてベイエリアに定着した日本人が、世代を超えて結集した。自分は戦
争体験がなくても、両親や祖父母から戦争の話しを聞いたり、ことにアメリカに
来て、アジアからの留学生に出会い、彼らが家族から伝え聞いた、かつての日本
軍のアジアにおける行動を初めて聞かされ、ショックを受けた学生など、今世界
で起こっていることを自分の事としてとらえ、積極的に学び、発言している。今
回は、特にNOSEIという日系グループと連帯行動をとった。 NOSEIとは、一世・
二世・三世などと、これまでの世代規定にとらわれない、という若い日系世代の
グループ。日系と在米日本人の連帯行動は、これまでの歴史であまりみられなか
ったことで、混血も多い新しい世代の、とてもポジティブな動きだ。 (http://www.jprn.org/nowar.html)
その他にも、多様な宗教やゲイ・レズビアンのグループ、「Raging Grannies」
のサインをかかげる、「もうだまってはいられない」お祖父ちゃんやお祖母ちゃ
んたち。 翌日の新聞には、恐らくデモ参加者の最年長だろうという、89歳の
スミスさんの言葉があった。1936年に起こったスペイン戦争で、国粋主義者に反
対して闘った、アブラハム・リンカーン旅団のメンバーだった彼は、「スペイ
ン、ドイツのナチ、そしてイスラエル、誰であろうと私は誇りをもってファシス
トと闘います。」
最年少グループには、生後4ヶ月の赤ちゃんもいた。その子の父親は、「僕はこ
の小さな子どもが、暴力のない世界で成長することができるように、今日ここに
参加しました。」と語っていた。


ユダヤ・イスラエル系のグループ


「パレスティナ抑圧に反対するもうひとりのユダヤ人」とプリントしたTシャツ
を着た人々もあちこちで眼に着いた。「公正な平和を求めるユダヤ人」という大
きなサインを掲げたグループもいた。60年代からイスラエルの政治を批判して
きたという、あるユダヤ系の活動家は、「20年前、イスラエル政策に反対する
ユダヤ人のデモは、ほんとうに少数だった。ユダヤ系にとって、イスラエルを批
判するのは非常に難しいことで、他の問題では一致するユダヤ系の進歩派も、イ
スラエル問題では分裂しがちだった。今、こんなに多くのユダヤ系と手が組めて
嬉しい」と熱く語っていた。
アメリカの政治に対する、ユダヤ系の影響力は大きい。たとえば、AIPAKという
ユダヤ系のイスラエル支持団体は、アメリカ政府や議会の圧力団体の第2位とも
4位ともいわれ、この団体の基金募集晩餐会には、上院と下院議員が100人づ
つ来たそうだ。それに比べて、ワシントンDCにあるパレスティナPLOの代表団体
は、オフィスの家賃が払えなくて、立ち退きを要求されているとか。
お金に左右されているのは、政治だけでなく、メディアも同じ。4/20のワシ
ントンの集会に、7万人以上が集まったにも関わらず、翌日のニューヨーク・タ
イムスには、15ページ目に写真もなしで、たった30行程の記事が掲載されただけ
だった。その1週間前には、イスラエルの対自爆テロ攻撃を支持する集会に約一
万人が集まったが、これは、トップページに大々的に掲載された。
ベイエリアで、爆撃を受けている現地の声や、ワシントンの集会の様子を聞くこ
とができるのは、自主メディアKPFの中継だけ。(Democracy Now! 
http://www.democracynow.org/) その集会で、デハイシャ難民キャンプから来
た15歳の少女が、7万人のアメリカ人を前に、悲痛な声で、しかし力強く訴え
ていた。
「何世代にもわたってパレスティナの難民キャンプは、死のキャンプにされてし
まった。それには、アメリカが行っているイスラエル支援が決定的な役割をはた
しています。この犯罪は、アメリカ市民の、あなた方のお金によって実行されて
います!」
武器とお金は、まさにアメリカの両刃の剣ですね。
4/20デモの写真(http://earthgathering.org/shake.htm


*この文章は★★SHAKE!-ベイエリア通信-★★ No.1より転載したものです。通信の全文も読むことが出来ます。

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